アレルギー持ちは注意? 隠れ喘息を見つける「呼気NO検査」の知識

【ママからのご相談】
40代です。小6の息子は中度以上のアトピー性皮膚炎と食物アレルギー・埃(ほこり)アレルギーがあるため、定期的に大学病院の小児科外来に通っています。主治医の先生から、「次回来られたとき、呼気NO検査を行いましょう」と言われたのですが、“呼気NO検査”って何ですか? これまで受けてきた検査は採血してどんなアレルゲンにどの程度のアレルギーがあるかを見る検査が中心だったのですが、呼気NO検査というのは、痛いのでしょうか? 子どもにその検査を受けさせる意味を教えてください。

a お子さんが、隠れ喘息ではないかどうかを判断するための検査です。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

呼気NO検査とは、2013年より保険適用となった、吐く息の中の一酸化窒素(NO)の濃度を測定する検査で、“喘息(ぜんそく)の有無”を診断する検査です。

お子さんに“動悸・息切れがする”“発作性の激しい咳やタンが出る”などの喘息の症状がなくても、アレルギー体質の子どもの多くには“喘息が隠れている”場合があるため(これを医師の間では“隠れ喘息”などと呼んでいます)、それを未然に発見することが目的です。

欧米では広く普及していますが、わが国ではまだ一部のアレルギー専門医や規模の大きな総合病院・大学病院などでしか行われていません。都内の大学病院の小児科で小児アレルギー外来を担当している医師の先生に、より詳しいお話を聞いてみましょう。

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呼気NO検査を行うと、どうして喘息の有無が分かるのか?

『気管支喘息の診断というと、以前は疑わしい症状の除外診断から成り立っていました。喘息に特徴的な症状が認められ、なおかつその症状が他の病気からくるものではないということが明らかになったときに、臨床的に喘息と診断していたのです。しかし、この方法では“隠れ喘息”を発見することまではできません。

そこで、気管支喘息では気道に慢性的な炎症が起きるため、呼気中のNO(一酸化窒素)濃度が高くなることに着目して、呼気中のNO濃度を測定することにより“喘息が隠れていないか”を数値化して判断できるようにしたのがこの呼気NO検査なのです。呼気NO検査はもちろん小児科のみならず大人の患者さんに対しても行いますし、検査自体はおよそ2分もあれば終わってしまうほど簡単なもので、痛みも伴わなければ副作用もないため、安心して受けていただくことができます』(40代女性/都内大学病院小児科医師)

子どもに呼気NO検査を受けさせることのメリットは何?

それでは、この呼気NO検査を子どもに受けさせることのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

『まず第1にアレルギーのお子さんが“隠れ喘息”を持っていないかどうかが分かります。第2に隠れ喘息を持っていた場合、呼気NO検査を定期的に行って検査数値の推移を見、自宅でのピークフローメーターによる最大呼気流量の測定を継続的に併用することによって喘息の状態を常に把握することができるようになるため、状態の悪化による急な入院などを回避することができるようになります。

第3に、以上の理由から吸入ステロイド薬をいたずらに多用しなくても済むようになりますので、同じ“発作を予防する薬”でも全身性の副作用を気にかけながら使用すべき吸入ステロイド薬ではなく、シングレアやオノンといった抗アレルギー剤による予防で十分なケースが増えるため、お子さんの体への負担を考えた場合でも、呼気NO検査を受けておく意義は大きいと言うことができると思います』(40代女性/前出・小児科医師)


ご相談者様、お分かりいただけましたでしょうか?

今回お話をうかがった小児科医の先生によると、子どもの喘息の90%はアレルギー体質によるものだそうです。ご相談者様も、お子さんがアトピー性皮膚炎や食物アレルギー・埃アレルギーであることは分かっていても、まさか喘息でもあるとは思っていらっしゃらなかったのではありませんか?

アレルギーのお子さんは、そうでないお子さんに比べて喘息である確率がとても高いため、“隠れ喘息”をお持ちかどうかを一度確認しておくために、主治医の先生は呼気NO検査を実施されるのだと思います。苦痛は一切なく、一瞬で終わる検査ですので、息子さんには安心して検査を受けるよう、おっしゃってあげてください。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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