待機児童ゼロ? 横浜市のリアルな保育園事情と今後の課題

【女性からのご相談】
安定期に入ってホッとしているプレママです。横浜市だと保育園に入れるって本当ですか?

ご質問ありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの木村由香里です。

「横浜市の保育所待機児童数がゼロになった」というニュースが話題になったのも記憶に新しいですね。

育休中・自宅で求職活動中・第1希望の保育所限定の方を除外しているので、数字のからくりだとの批判もありますが、平成22年には1,552名だった待機児童を激減させた成果はすばらしいことだと思います。

実際のところはどうなのか、横浜市で2人の子育て中の母としての実感をレポートしたいと思います。

横浜市の保育所定員と待機児童数の推移

横浜市は待機児童解消への取り組みを強化しており、2012年には179人いた待機児童が2013年にはゼロになっています。

その後、2014年に再び20人となっていますが、2015年には8人、翌2016年には7人と、着実に数を減らしていることが伺えます。

保育所等の定員についても、2015年と比べて認可保育園だけでも1,302人の増加を実現しており、需要の高い区を重点的に強化するなど、現状を把握した対応がされていると言えるでしょう。

横浜市に住むママの待機児童に対する実感4つ

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(1)認可保育園は激戦

横浜市でも認可保育園は激戦状態です。派遣やフリーランスといった就労形態で働いてきましたので、選考基準のランクが低く、認可保育園に入所できたことはありません。

ママたちの井戸端会議でも、「Aランクでも認可保育園に入れない」とよく耳にしました。

(2)5年で預けやすさを実感

わが家は5歳差のきょうだいですが、上の子のときはマンションの1室の認可外保育園しか空きがありませんでした。

見学もしましたが預ける気になれず、働くことを諦めています。

5年たち、下の子は認可保育園の一時預かりを利用して横浜保育室に入園、3歳からは幼稚園の預かり保育を利用することで、働き続けることができています。

周りのAランクのご家庭は、ほぼ第2希望までの園に入所できていましたので、5年で待機児童問題がかなり解消されたことを実感しています。

(3)横浜市は選択肢が豊富

認可保育園は激戦ですが、横浜市の保育施設は種類が豊富で充実しています。

>『横浜保育室』

・3歳未満の子どもを対象とした施設
・保育料の上限は58,100円で施設が独自に設定(きょうだい減免や所得による軽減制度あり)

>『私立幼稚園預かり保育』

・幼稚園での延長保育(7時30分から18時30分まで)
・129の幼稚園で実地され、定員は3,866人(平成24年12月時点)
・延長保育料は月9,000円

>『家庭保育福祉員』

・産休明け~3歳未満までを対象
・福祉員の自宅で少人数を家庭的な雰囲気で保育

>『横浜子育てサポートシステム』

・ご近所の提供会員による子育てサポート
・800円/時間(早朝・夜間・休日は900円)
・1時間から利用可能

(4)保育コンシェルジュに相談できる

保育を希望する保護者の相談に応じて、ニーズに合った保育サービスの情報提供を行う保育専門相談員『保育コンシェルジュ』が全区に存在しています。

認可保育園に認可外保育園、保育室など保育施設がいろいろあり、とても複雑で分かりにくく、子育て中の身でも未だによくわかっていない部分もあるほどです。

『保育コンシェルジュ』サービスを活用して、ご家庭に合った保育サービスを負担なく選択していきましょう

下の子が横浜保育室で過ごした時間は家族の宝物となりました。親子ともに温かな保育室が大好きで、卒園式ではみんなで泣いてしまったほどです。

素敵な保育士の方々に見守られ、伸び伸びと過ごした時間でした。

定義に当てはめると『認可外保育園』となり、書類を見るだけでは園の良さが全く伝わりませんでした。

実際に園へ見学に訪れてみて、園長先生や保育士の方々のお話をお聞きすることが大切だと、身をもって感じています。

ピッタリの保育施設が見つかりますようお祈りしています。

横浜市が待機児童ゼロを実現させたからくり

待機児童数の少なさにはワケが

2013年に“待機児童数ゼロ”を実現させた横浜市。

その後、横浜市の発表によると2016年4月1日時点の待機児童は7人と、ゼロとはいかないまでも非常に少ない数にとどまっています。

これは大都市の人数としては非常に優秀な数字と言えるでしょう。

しかし、この数字にはからくりが存在しており、表面上の数字が少なくなっているに過ぎないという見方もあります。

“保留児童”の存在

横浜市の見解によると、

・横浜市の認可保育園を利用している
・申し込みが第一希望のみ
・自宅付近に利用可能な保育施設があるにも関わらず希望を出していない
・4月1日時点で親が育休を取得している
・親が自宅を拠点として求職活動をしている

などの条件に当てはまれば、望んだ認可保育園に入所できなかったとしても待機児童には含まれず、“保留児童”として扱われることになります。

“待機児童”とは国の指針に基づいて集計されるもので、定義の解釈は自治体によって異なるのが実態です。

そのため、待機児童の数だけを見ると一見問題は解消されたかに思えますが、保留児童は2016年時点で3,117人へと増加しています。

これは2015年の同じ時期と比べて583人も増加しており、必ずしも子どもを持つ親たちの負担が軽減されているとは言いがたいでしょう。

これは“横浜方式”とも呼ばれ、待機児童ゼロを実現したことから、他の自治体でも“待機児童の集計から除外する範囲”を広げるところが出てきています。

待機児童の数と実態が乖離すれば、保育園へ預けたいと思う人たちの不満は大きくなるだけであり、認識に誤りがある状態は決して望ましいとは言えないでしょう。

横浜市の待機児童対策3つ

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待機児童ではなく保留児童が増加していることの危機感は、横浜市自身も認識しているようで、さまざまな対策が行われています。

(1)保育所等の整備を促進

大規模な宅地開発などが行われると、そこに住む人も増え、保育のニーズも高まることになります。

このような地域を”整備が必要な地域”と指定することで、認可保育園をはじめ、小規模保育事業等についても整備を進めようとしています。

さらに、保育所不足などで特に整備が必要な地域を“重点整備地域”に指定すると賃借料の補助金が拡大されるため、これも整備を促進させる効果があります。

しかし一方で、やみくもに建設を進めたことで、現在ある園が閉鎖に追い込まれるという状況もあるようで、慎重に進めていかなければならないとも言えるでしょう。

(2)保育士の確保

いくら施設を拡大させても、そこで働く保育士の確保ができなければ受け入れる数を増やすことはできません。

横浜市では、保育士のための就職支援や資格取得を支援する講座の開催を実施したり、民間事業者が保育士のための宿舎を借り上げて使うときに必要な経費を助成する“保育士宿舎借り上げ支援事業”を実施したりしています。

多方面から供給を拡充させようとする意図があると言えるでしょう。

(3)送迎保育ステーションの整備

保育園によっては、空きがあるものの駅から遠いなどの事情により申し込みが十分に集まらないこともあります。

いくら保育園があっても、自宅から送り届けることができなければ預けることは難しいでしょう。

これを解消するため、駅の近くに一時的に子どもを預かる『送迎保育ステーション』を整備して、そこから保育所へ送迎するという取り組みが行われています。

まとめ

「横浜市の保育状況」や「保留児童の実態」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

仕組みをうまく利用して、待機児童の数を書き換えているかのようにも思えるかもしれませんが、実際に横浜市が保育環境の改善に向けて強固な取り組みを行っているのは事実です。

とはいえ、「待機児童ゼロ」という言葉で誤った印象を与えてしまっている現状を改善する必要はあるでしょうし、保留児童の改善も急務と言えます。

横浜市に限らず、都市部では長年問題となっていることだけに、“実質的なゼロ”を目指して取り組んでほしいものです。

【関連コラム】
【東京都23区版】保活ママが知りたい待機児童の最新事情

●ライター/木村由香里(ファイナンシャルプランナー)
●追記/パピマミ編集部

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