初乳は与えなきゃダメ? 赤ちゃんの健康を意識した「母乳育児」の考え方

【ママからのご相談】
私は産後すぐには母乳が出ず、「このままでは赤ちゃんが危険」と言われ、ミルクを足すことになりました。でも、その後調べたら、「赤ちゃんは3日程度何も飲まなくても平気だから、母乳だけで頑張るべき」という風に考える病院もあると知ったんです。初乳は大切だと聞いていたので、もっと母乳だけで頑張りたかった……。本当はミルクを足さなくてもよかったのでしょうか?

a 初乳はすぐには出ません。栄養法については病院でも意見が分かれます。

ご相談ありがとうございます。保育士でフリーライターのyossyです。

母乳について悩むママは多いものです。お気持ち、お察しします。私自身は、“赤ちゃんは3日分のお弁当を持って生まれてくる”と考える、母乳育児推進の病院で2人出産しました。しかし、なかなか母乳が出ずに泣きながら授乳した経験も……。その経験と調査に基づいてお答えします。

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初乳はすぐに出ないことが多い

母乳で育てたいと考えるママが増えています。特に、赤ちゃんの免疫を高める“初乳”(産後1週間程度のみ分泌される)にこだわる人は多いでしょう。そのため、初乳が出ないと焦ってしまいます。

でも、そもそもはじめから母乳が多く出る人はまれです。「産後3日目からやっと出るようになった」という人だって珍しくありません。

また、2005年の厚生労働省の調査によれば、産後1か月では、母乳栄養の人が42.4%、母乳とミルクの混合栄養の人は52.5%。混合栄養のほうが上回っています。ミルクのみの人の5.1%を足せば、6割弱の赤ちゃんが多かれ少なかれミルクを飲んでいるという結果です。決して、「自分だけ……」と思いつめないでくださいね。特に初期にミルクを足す人は多いでしょう。

赤ちゃんの体重減少をどこまで許容するかがポイントに

厚生労働省は、基本的にWHO(世界保健機関)の考えを踏襲し、母乳育児やカンガルーケアを推奨しています。しかし、小児科医のなかでは考えが分かれている現状です。なかには、「母乳にこだわりすぎては、赤ちゃんの健康を損なうのでは」と指摘する医師も。

ひとつのポイントになるのは、赤ちゃんの体重減少。生後3~4日で赤ちゃんの体重は一時的に減少します(生理的体重減少)。この体重減少をどこまで許容するか、というのがミルクを足すかどうかの考えにも影響を及ぼすのです。例として、以下の2つの考え方をご紹介しましょう。

(1)生理的体重減少の限界を10%までと考える。それを超えると高Na血症性脱水や発達障害になるリスクがあるため、ミルクを足すべき
(2)個別の赤ちゃんの状況を見ながら、場合によっては15%程度までの体重減少を許容する。赤ちゃんに脱水症状がみられなければ、できる限り母乳のみにするべき

上記のパーセンテージは目安で、たとえば(1)より厳しい基準でみる病院もあるでしょう。これに関しては、どの考えがいいとも言い切れません。

ただ、ご相談者様が出産した病院でも、やみくもにミルクを足したわけではなく、赤ちゃんのリスクを軽減するために足したのです。そのことをしっかり理解すれば、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

初乳も大切だが、赤ちゃんの健康はもっと大切

母乳育児を推進する風潮が広がるなかで、「なぜ自分だけ母乳が出ないのか」と追いつめられてしまうママも多いようです。でも、同じように苦しんでいるママはたくさんいます。

初乳はとても栄養価が高いという事実は間違いありませんが、初乳にこだわるあまり、赤ちゃんの健康が損なわれては、本末転倒ですね。納得できない場合は医師によく相談して、最終的に赤ちゃんにとってベストな栄養法を選びましょう。

●ライター/yossy(フリーライター)

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