人の意見をシカト!? 社長が「裸の王様症候群」な会社は就職するべきか

【ママからのご相談】
30代主婦。小学校高学年の娘と低学年の息子がいるにもかかわらず、夫が転職を考えています。理由は、1年ほど前に就任した現社長による経営では将来会社が潰れるのではないかと懸念を持っているからだとか。副社長時代のプロジェクトの成功によって就任したそうで、トップに就いてからは周りにイエスマンを集め、営業面での片腕として支えてきた夫の意見も一切聞かないのだそうです。夫は、「社長は裸の王様症候群だ」と言いながら毎晩のように深夜までお酒を飲んでいます。どうすればいいのでしょうか。

a 会社の成り行きをじっくりと見極めつつ、周到に転職の準備もしておきましょう。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

客観的に申しあげますと、そのような社長さんによるかじ取りでも、旦那様の会社の経営がうまく行って利益を出して株主に配当し、従業員がモチベーションを維持できるような給料を払うことができるのであれば、社長さんにはこれといって特に非難される理由はないでしょう。

いずれにしても、旦那様があわてて辞める必要はないかと思われます。現社長が経営する会社の成り行きをじっくりと見極めながら、周到に次の仕事の準備もしておきましょう。以下の記述は、都内でメンタルクリニックを開業する精神科医師の話を参考にしながら、すすめさせていただきます。

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“裸の王様症候群”は病名でも医学用語でもありません

『まず注意しておくべきなのは、“裸の王様症候群”という言葉は、病名でもなければ医学用語でもないということです。この言葉は、「ワンマンで、自分と違う意見には聞く耳を持たないような、組織や集団のリーダーに一定の割合で見ることのできる特徴的なパーソナリティー」を指します。心理学者や経営コンサルタントや評論家たちの間で自然発生的に使われるようになった“人間性の傾向”を表わす言葉なのです。語源がアンデルセン童話の“裸の王様”の物語に由来することは、もはや言うまでもありませんね。この物語は、自分におもねってくる人間だけを大事にし、真剣に心配してくれる家臣が一人も居ない王様の様子を描いています。そこから“人を見る目を失ってしまっているリーダー”を表わす言葉として、今では広く使われるようになっています。

このような性格は多かれ少なかれ誰でも持っているものであるため、広義での現代用語だと言った方がいいでしょう。ただし、こういった性格的傾向が度を過ぎて強いような場合には、その組織に関係する人たちの平穏な暮らしが脅かされるため、黙って看過するわけにもまいりません。

社長さんと会ってお話ししたことがないので何とも言えませんが、絶え間ない賛美や称賛を期待するところや周囲が自分のアイデアや計画に従うことを期待する点は、“自己愛性パーソナリティー障害”に特徴的な症状ではあります。とはいえ、今のところこれといった落ち度もない社長さんを無理に精神科の診察室へ連れてくるわけにもいきません。旦那様が今とられるべき態度は、やはり“腐る”ことではなく、会社の成り行きをじっくり見守ることでしょう』(50代女性/都内でメンタルクリニック院長・精神科医師)

『裸の王様』の物語では、声を上げない民衆も揶揄(やゆ)されている

今回ご相談をいただいて私たち自身も気をつけなければいけないなと感じたことがあります。それは、『裸の王様』の物語では、“苦言に耳を貸さない王様への皮肉と同時に、王様が裸であることを指摘しようとしない“大人の民衆”も揶揄されている”ということです。大人たちの誰もが、「おとなしくさえしていれば平穏無事でいられるのだから、わざわざ自分が指摘しなくたてもいいだろう」という気持ちから、声を上げようとしません。結局、純粋で自分の利害など考えていない庶民の子どもが声を上げるまで、おかしな流れを止めることができなかったのです。

ご相談者様の旦那様の会社も株式会社であるのなら、取締役の人たちは、代表取締役である社長さんが独断で不当な権限行使をしないように監督し、場合によっては代表取締役を解任する責任も持っているのです。ですから、旦那様も、取締役の人たちの中で同じように今の状況を苦々しく思っている人と連携して、役員陣に“声を上げてもらう”べきなのかもしれません。そこは、次の職場が確保できるか否かということまで冷静に判断したうえで、旦那様自身に悔いが残ることのないように行動してください。


蛇足ではありますが、営業職のプロフェッショナルの場合は、どのような業種・会社に移っても結果を残すことが可能です。それは、営業という仕事の中にはマニュアル化できない“センス”を必要とする部分が多く含まれているためです。これを体得している営業のプロフェッショナルであれば、売る商品が何であっても問題ないでしょう。

ですから、もし、旦那様が「転職」ということになった場合も、必要以上に心配することはないかと思います。ずっと愛してきた会社がおかしくなって行く流れを止めるためにちょっとだけ抵抗してからでも、お辞めになるのは遅くないかもしれません。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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