休日もLINEで説教!? 悪質な「パワハラ上司」のエピソード&対処法

【女性からのご相談】
社会人5年目の20代OLです。昨年辞令を受け配属された先の上司が社内でも有名な“パワハラ上司”で、今、私は精神的に追い詰められています。このままでは仕事で成果をあげるどころか、心の病で体を壊しかねない状態です。それでも上司は役員からの信頼が厚く、逆らえば会社にいづらくなりそうで何も言えません。

パワハラについて調べようとネットで検索すると、同じ悩みを持った方の多さに驚きました。皆さん理不尽な扱いをされているのに泣き寝入りをしている場合がほとんどのようです。やはりパワハラに対しては何もできないのでしょうか?

a 一人で悩まずに、専門家に相談しましょう。

齋藤惠です。ご相談ありがとうございます。

まずはツラい状況をお察しいたします。大丈夫ですか? 夜はしっかり休めていますか?

パワハラに一人で立ち向かっていくことは大変難しく、裁判となって被害を証明しようとしても、たくさんの証拠をそろえなければパワハラと認められないのが現状です。

では、このまま被害者は我慢し続けることしかできないのでしょうか?

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パワハラは大人によるいじめです!

子どもたちによる学校でのいじめが問題になっている現代ですが、大人の社会でもいじめはなくなりません。大人によるいじめ、特に組織の中でも力を持った人がその権力を利用して、自分より下の立場にある人へ理不尽ないじめを行うことをパワハラと呼びます。

厚生労働省の報告では、パワハラの相談件数は現在もなお過去最多記録を更新し続けているようです。その実態を体験者に伺うと、「こんなことが会社でまかり通るのか!?」と疑うような内容ばかりです。

今回は、パワハラ被害に遭ったという2名に話を聞きました。

本当にあった“パワハラ”体験談2つ

LINEで深夜も休日も仕事の話を……

就職したばかりのAさん(22歳/女性)は、プライベートではメールよりもLINEを頻繁に使うという典型的な現代の若者です。本来LINEなどのSNSツールを仕事の連絡用に使用することは、社会常識的にあまりふさわしくないとされています。

しかし、Aさんの上司はLINEのグループ機能と既読機能に目をつけ、会社の部下をメンバーとして集めてグループをつくり、社内連絡などを行っていました。

ある日、仕事でミスをしたAさんに対し、面と向かって一対一で叱れば済む話を、上司はわざわざ全員が読むグループの中で吊るし上げるようにAさんを責め始めました。

上司曰く、“情報共有”と“反省の態度を同僚に示すため”とのことらしいですが、客観的に見れば完全なパワハラです。その上、LINEを送りつけてくる時間帯が深夜でも休日でもお構いなし、というところがさらに悪質です。

また、家でも仕事の話をすることに疲れてしまったAさんが休もうとすると、すかさず上司から、「既読になっているのに、なぜ返信をしないのか」と連絡がきます。このような状況に、Aさんは、「まるでストーカー被害に遭っているようだった」とぐったりしていました。

その後、彼女はLINEの内容を全て人事に見せて現状を訴えました。数か月後、Aさんは部署を異動させてもらえましたが、上司は何のお咎めも受けなかったそうです。

ルール違反な営業を押し付けられて……

妻子を持つTさんは、家電を扱う会社に勤続して10年目のトップセールスマンです。これまでも、たくさんの苦労と努力を積み重ねて高い営業目標をクリアしてきました。しかし、上司が変わったことをきっかけに、他の同僚と比べて異常とも言える数字を割り当てられ、体力的にも精神的にも徐々に追い詰められていくのでした。

Tさんは最初その目標の高さに驚いたと言いますが、トップセールスマンとして出世街道をひた走ってきた彼にとって、やる前から諦めることなどプライドが許しません。上司も、「君は出世頭だから、特別な期待をしているよ」と言ってくれたため、自分の将来のためと思い、Tさんは今まで以上に仕事へ邁進していきました。

それでもやはり期末までに目標を達成するには厳しい状況となったとき、Tさんは思い切って、このままでは未達となってしまうことを上司に相談しました。そのとき、今まで自分の味方だと思っていた上司の態度が一変、急に冷たい目線をTさんに向けて、「仕方がないな……」とため息をつきました。

そして、応接室へTさんを呼び出した上司は販売の契約書を差し出し、「みんなやっていることだから」と言ってTさんに商品の購入を促したのです。

悩むTさんに対し上司は、「君はトップセールスマンなのだから、その成績に傷をつけてはいけないだろう。今、この目標を達成できなければ、次はどこへ異動になるかわからないよ。そしたら奥さんや子どもをどうやって養っていくんだい?」と追い打ちをかけ、泣く泣くTさんは契約書にサインをしました。

この1件だけでも彼にとっては十分な屈辱でしたが、上司はこの出来事に味をしめ、弱みに漬け込みTさんをコントロールするようになりました。

会社の商品を買わせるだけにとどまらず、「出世のために」とTさんの自費で取引先と接待をさせたり、急な出張を押し付けたりと、上司の要求は日に日にエスカレートしていきます。

Tさんはついに体調を崩し、会社を退職しました。その後はセールス力の高さを買われ別の会社で活躍しています。Tさんは、「自分の能力を信じて、他人に支配されないこと」が仕事を続ける上で大切だと悟ったと言います。

もしもパワハラに遭ったら

労働問題に詳しい笹山尚人氏は、著書でパワハラに遭った場合の対策として、“事実の確保”と“相談”を提案しています。本文では、

事実の確保とは、いつ、誰が、どこで、どんなふうに、何をしたかを明らかにしておくということである。メモを取ったり、メールを紙ベースで確保したり、場合によっては音声記録を取っておくということになる

と述べています。

相談についても、一人で悩み苦しむことなく必ず専門の機関(行政機関、労働組合、弁護士)へ相談しアドバイスを受けるよう勧めています。

「家族に迷惑をかけたくない」「会社での評判が気になる」など、さまざまな理由で声を上げることなく、パワハラを受け続ける人が多いようですが、悩んでいるのは一人だけではありません。

まずは第三者から意見を求め、抱えていた気持ちを少しでも軽くして、できることから解決していきましょう!

また、パワハラを見て見ぬふりをする周りの対応も無視できません。社会問題としてもっと堂々と、「このままではいけない」と言えるような風通しの良い会社が増えるよう、働く私たち一人ひとりがパワハラへの意識を高めていきたいものです。

【参考文献】
・『それ、パワハラです‐何がアウトで、何がセーフか‐』笹山尚人・著

●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)

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