子どもに教えよう!「いただきます」と「ごちそうさま」の本当の意味

こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。

普段、何気なく口にしている「いただきます」「ごちそうさま」の言葉。そこには、実は深い意味があります。

しかし、中には「いただきます」「ごちそうさま」のあいさつを子どもにさせない親もいるそうです……。

「いただきます」「ごちそうさま」の言葉の意味をきちんと理解すれば、きっと子どもたちにも伝えたくなるはずですよ。

「いただきます」の語源

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「いただきます」の語源については、いくつかの説があるようですが、まだ定説はないとされています。

そこで、「いただきます」の語源について、一般的に言われているものをご紹介します。

「いただく」という言葉は、神様へお供えした物を食べるときや身分・位の高い人から物をもらうときに、頭の上(頂)にかかげたことに由来し、やがて「食べる」「もらう」という言葉の謙譲語として使われるようになりました。

その後、食事をするときに「いただきます」と言うことが習慣となっていき、食事前のあいさつとして根付いたと言われています。

「いただきます」の意味

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(1)食材への感謝

私たちは食べることで生命を維持して活動しています。しかし、私たちが食している動物、植物にも命があります。

「いただきます」この言葉は、あなたの命を頂いて私の命に代えさせて頂きますという意味なのです。もっと深く言えば、命には時間というリミットがあります。命を時間と捉えるなら、調理される方の命の時間も頂いていることになりますよね。

「いただきます」は、子どもに対して命の尊さを最初に教える大切な言葉です。

また、命の尊さをしっかり理解出来ている子どもは、友達に対しても安易に「死ね!」等という言葉を発したりしません。

私は以前、ノート1ページ全体に、「死ね! 死ね! ……」と書かれ不登校になってしまった子どものお母さんからご相談を受けた事がありますが、書いた側は軽い気持ちで書いていても、書かれた側にはとてもつらく、その結果不登校になってしまっていたのです。

もし、そのノートを書いた子どもが命の尊さを教えられていたら、防ぐことができた事例です。こんな悲劇の予防策としても、「いただきます」その言葉の意味をまずは父兄が理解し、子どもたちに伝えてあげてください。

(2)懺悔

(1)の“食材への感謝”につながることですが、「いただきます」には「命を」という言葉が隠されていると言います。

動植物の命を奪い、それを食べることで生かされている私たち。

それを踏まえると、食事をする前に「いただきます」と言う際には、まず他の命への懺悔として、「申し訳ない」という気持ちが発生します。そして、自ずと頭が下がるのです。

そのため、「いただきます」という言葉には、私たちの命を養うために奪ってしまった命への懺悔と感謝の意味が込められていると言うこともできるでしょう。

(3)『凡夫』の自覚

『凡夫(ぼんぶ/ぼんぷ)』とは、仏教用語で『煩悩を断じていない愚かな私たち』という意味だそうです。

“むさぼること・怒ること・無知であること”といった煩悩を持つ私たちは、自分や周りの人間を傷つけ合いながら生活しています。

傷つけたくないと思っても、何かの拍子に傷つけてしまうこともありますし、何をしでかすかわからない不安定さも持っている。それが凡夫の姿だと言います。

凡夫であることを自覚した上で、意識できる悪に対しては懺悔をして、感謝の気持ちを忘れずに生活していこうという日本の精神の現れとして、「いただきます」という言葉や、「いただきます」と言う際に頭を下げる動作が生み出されたとも考えられるのだそうです。

(4)食事に携わってくれたすべての人への感謝

料理を作ってくれた人や料理に使われている食材を作ってくれた人など、自分が食べる食事に携わってくれたすべての人たちに対して、感謝の気持ちを示すという意味もあります。

食べることができて当たり前、ではなく、食事ができるのはいろいろな人のおかげという気持ちを子どもに持たせることも、大切なことではないでしょうか。

「ごちそうさま」の語源と意味

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「ごちそうさま」を漢字で書くと、「御馳走様」「馳」という字も「走」という字も、「走る」という意味を持ちます。「馳走」は、食事を出すために奔走する様子をあらわしているのです。

料理を食卓に並べるためには、まず食材を買い集めるために走る人がいます。その食材をお店に並べるために走る人がいます。そして、その食材を育てるために走る人がいます。

たくさんの人が走り回って、私たちの前に初めて料理として並んでいるのです。

ですから、「走る」という意味の漢字を2つも重ねた上で、敬意をもって「御」や「様」という字をつけて、感謝の気持ちを表すのが、「ごちそうさま」なのです。

この言葉は、感謝の気持ちを子どもたちに教えるための大切な言葉です。感謝の気持ちが育たないと、人間関係がうまくいきません。

恋愛相談でも、恋人に「ありがとう」という言葉をたくさん使うようにというアドバイスをしただけで、恋人との関係がうまくいくようになる方も多くいますし、家族間でもそうです。

先々、子どもたちが人間関係においてのストレスで悩むことが少しでも減るよう、感謝の気持ちを育てる言葉として、「ごちそうさま」をしっかり教えていただきたいと思います。

「いただきます」「ごちそうさま」と言われたときの返事の仕方

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「いただきます」への返事

自分が料理を作ってふるまう場合、「いただきます」と言われたら、「どうぞ」でOKです。

ただ、相手が年上の方や目上の方であった場合、「どうぞ」とは言いにくいですよね。

そうした場合には、「お口に合うかわかりませんが」などの言葉を返せば良いでしょう。

「ごちそうさま」への返事

「ごちそうさま」は、作ってくれた人への感謝としての意味合いが強いです。

そのため、自分が作った料理を食べ終わった人から「ごちそうさま」と言われたら、「お粗末様」「お粗末様でした」と返せば良いでしょう。

しかし、友人などを招き、料理をふるまったとき、料理を作ったのが自分ではなく妻や夫であった場合、お客様から「ごちそうさまでした」と言われて、「お粗末様でした」と返してしまうと、作ってくれた人に対して失礼になることもあり、気分を害する可能性も……。

そういった場合には、「お口に合いましたか?」などの返事が良いでしょう。

食事の前後にあいさつする理由を子どもに聞かれたときの答え方

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子どもから、食事のときになぜあいさつをしなければならないのか聞かれたとき、あなたはなんと答えますか?

「それがマナーだから」「そういう決まりだから」では、子どもは納得しません。

「いただきます」の言葉の意味を教えることは、子どもに命の尊さを教える良い機会になります。

「このお魚やお肉、お野菜たちは、あなたに命をくれたのよ。あなたの体になるために、命をくれたの。だから、ありがとうって感謝の気持ちとしてあいさつするのよ」など、子どもにもわかりやすく伝えてあげましょう。

他の命によって自分が生かされているということがわかれば、食べ物を粗末にすることもなくなるでしょう。

また、「ごちそうさま」については、作ってくれた人に「ありがとう、おいしかった」と伝える意味があるのだと説明すればわかりやすいはずです。

こうして親が子どもにきちんとあいさつの意味を教えることで、子どもは命の大切さや感謝の気持ちを学びます。

「いただきます」「ごちそうさま」のスタイルには地域差がある

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みなさんは、「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶のとき、合掌をしていますか?

手を合わせて「いただきます」「ごちそうさま」と唱えるのが当たり前のマナーだと思っている方もいるかもしれません。でも、実はどうやら違うようなんです。

『Jタウンネット』が地域別に行った、“ご飯の前に「手を合わせて『いただきます』」、普段からする?”というアンケート調査では、地域によって回答に偏りが出ていました。

東北地方では、「いただきます」と言うものの、合掌はしないと答えた人が多かったそうです。中でも、75%という高い割合だったのが岩手県でした。

また、愛媛県では「どちらもしない(いただきますという挨拶と合掌のどちらもしない)」という回答の得票率が、なんと100%だったとのこと。

対して、「いただきます」と言うし、合掌もすると答えた人が多かったのは、中国地方の5県と福岡県。いずれも80%を超えていました。

地域によって、「いただきます」のときに合掌するかしないか、そもそもどちらもしないかというのは、宗教的な風土と学校教育の違いが影響しているのではないか、ということです。

海外の「いただきます」「ごちそうさま」事情

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「いただきます」「ごちそうさま」と食事の前後に挨拶するのは、日本だけの習慣なのでしょうか?

海外ではどうなのか、ネット上の声などをもとに紹介していきたいと思います。

アメリカの場合

アメリカでは、日本人が言うような「いただきます」「ごちそうさま」に相当するような習慣や表現はないそうです。

代わりに食事前に言う言葉であれば、「Let’s eat(食べましょう)!」、食後なら「Thanks for the food(ご飯をありがとう)」などだそう。

また、家庭によっては、「神や先祖に感謝をしてから食べる」「合衆国国旗への忠誠を誓ってから食べる」「“食物に神の恵みを”と言ってから食べる」ということもあるそう。

ドイツやフランス、イタリア、スペインの場合

ドイツ語やフランス語、イタリア語、スペイン語には、日本で食事の前に言う「いただきます」に相当する言葉があるそうですが、「よい食事を!」という意味なので、日本の「いただきます」の意味とは違うようです。

神に感謝してから食べる国が多い

「いただきます」や「ごちそうさま」と同じ意味を持つ言葉を発する習慣のある国は、日本以外にないようですが、多くの国ではその代わりに、「アーメン」と神に感謝するようです。

外国の映画でも、「アーメン」と言ってから食事をする場面はよく見ますよね。

同じように、イスラム教では「アッラーの御名と恵みにおいて(食事を)始めます」と言ってから食事をするのが一般的なのだそう。

日本では食事を作ってくれた人に感謝をしても、神に感謝をする人はなかなかいませんよね。

まとめ

「いただきます」「ごちそうさま」の語源と意味、海外では「いただきます」「ごちそうさま」をどうしているのか、などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

日本ならではの文化や習慣とも言える「いただきます」と「ごちそうさま」。

もう一度その意味を改めて確認してみると、子どもたちにもぜひ引き継いでいってもらいたいものだなと感じます。

さまざまなものに感謝する心はとても大切なものなので、各家庭で子どもにしっかり意味を教えてみてはいかがでしょうか。

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)
●追記/パピマミ編集部
●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)NANAMI(RIRIAちゃん)

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