内科医の意見は? 真夏の「室内熱中症」の予防に役立つアイデア2つ

【パパからのご相談】
40代。日用品通販会社の商品管理センターに勤務しています。勤務先は宅配便運送会社の広大な倉庫の中にあるため、エアコンはあるにはありますが冷気が隅々までは行き渡りません。そのため近年のあまりにも暑い夏場の作業は、高温のみならず蒸し風呂のような湿度との闘いで、汗っかきの私にとってはまさに地獄の日々です。

昔の日本の夏は、これほどまでは暑くなかったように思います。大げさではなく、熱中症から身を守る対策を自分でとらないことには、いつか屋内熱中症で倒れ作業中に命を落とすといったこともなくはないように思います。子どもたちもまだ小さいので対策をとりたいのですが、熱中症の予防法にはどのようなものがあるでしょうか。

a 首から提げる扇風機を装着し、市販のミネラル入り飲料を飲みながら作業してください。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

何から何まで自分でやらなければ業務が回らない小規模企業を経営していた私は、真夏の猛暑日でもご相談者様と全く同じような環境下で注文品の出荷作業をしていた時期がございます。

これまたご相談者様同様“汗っかき”の私がとった屋内熱中症対策は、首から提げるミニ扇風機を装着することと、市販のミネラル入り飲料(主に麦茶)を常にそばに置いてしょっちゅう水分補給をしながら作業することの2つ。自分の場合はこの2つの方法を採り入れることによって、屋内熱中症で倒れたり救急搬送されるような事態に至るのを避けることができました。

今回は、都内で内科クリニックを開業する医師に、私が採り入れた2つの方法が医学的に適切であったかどうかのお話を伺いながら、記述をすすめていきたいと思います。

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熱中症による死亡者の数は、屋外よりも圧倒的に屋内の方が多い

『東京都福祉保健局のデータによれば、2014年7月~8月の熱中症死亡者数は38人でしたが、そのうちの89%にあたる34人は屋内で死亡していたことがわかっています。実は、人間の体は真夏の猛暑日でも汗を蒸発させることによって熱を体外に放出し、体温を適正な範囲にまで下げています。

ところが、湿度が75%を超えるようになると汗が蒸発することができなくなり、ただダラダラと流れ出るだけで肝心な熱を放出するという機能を果たせなくなるのです。熱中症による死亡者が屋内で圧倒的に多いのはこのせいで、窓を閉め切った体育館や倉庫などはまさに典型的な“蒸し風呂”状態となるため、真夏は非常に危険な環境であることを覚えておくべきなのです』(40代男性/都内内科クリニック院長・内科医)

首から提げる扇風機の装着は、強制的に汗を蒸発させ熱を体外に放出させる合理的な対策

『猛暑日の倉庫の中のような過酷な環境で作業をする際に、首から提げる扇風機を装着するという対策は、人工的に起こした風で強制的に汗を蒸発させ、熱を体外に放出させます。屋内熱中症で倒れるような事態を予防するうえで、まさに合理的な方法であると言うことができます。中には、「そんなの、格好悪くてできないよ」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、今は商品がとても薄く、動作音も静かに作られているので心配には及びません』(40代男性/前出・内科医)

なお、最近(2015年8月現在)ではこの原理を応用した“ファン付き作業服”も普及しつつあります。

ファン付きバッテリー付きセットだと2万円前後はするのでまだまだ一部の職業の人のものという感はありますが、今後はオフィスや普段の暮らしの中で着られるタイプも普及してくるようです。

ご参考までに首から提げる扇風機だと相応の品質の製品でも1,000円まではしないものが多いので、やはりファン付き作業服よりはお手軽かもしれません。

発汗で失われたミネラルは意識して補給しましょう。とくに“麦茶”はおススメです

『猛暑日の屋内での作業で汗をダラダラとかくと、体に必要なミネラルも大量に失われます。すると、人間の体は体内のミネラル濃度を自律的に一定に保とうとして水分を減らすようになるため血液量を減らします。そうなると脳への酸素供給にも支障をきたすようになり、めまいや立ちくらみ、気分の悪化といった屋内熱中症に特徴的な症状が出てくるようになるのです。

そのミネラルは残念なことに人間の体内では作れないため、麦茶を中心とした市販のミネラル入り飲料をこまめに摂取することは、これまた屋内熱中症予防の対策として極めて合理的です。麦茶にはもともとミネラルが豊富に含まれていますが、さらにミネラル分を豊富に含んだ成分配合になっている麦茶もあるので作業中も常にそばに置いておくといいでしょう。

もちろん、スポーツドリンクでもミネラル補給はできます。あと、あまり知られていませんが炭酸水は硬水であるためミネラルが豊富に含まれています。いろいろ試してみて、自分に最も合ったミネラル入り飲料を見つけてください』(40代男性/前出・内科医)

前出の内科医によると、麦茶には亜鉛やケイ素などの美肌ミネラルも豊富に含まれ、また抗酸化作用があるのでアンチエイジングにも役立つとのことです。

さらに、麦茶のあの香ばしい香りの元であるピラジンという成分には血流を改善する効果があるため、血液をサラサラにしてくれるということです。

女性にとっては熱中症対策プラスアルファの意味も大きいため、ご相談者様のみならず奥様も一緒に夏は“麦茶”を飲んで、お子さんたちのためにも健康と若々しさの維持をはかられるといいかもしれませんね。


いかがでしたか。

医師の話を聞くと、私が採り入れた2つの方法は屋内熱中症の予防法として理にかなったものであったようです。倉庫や体育館のみならず、密閉されたオフィスビルなど、エアコンの効きがあまりよくない環境での作業をお仕事とされている方にも、ご参考にしていただければと思います。

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●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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