育児の今を徹底検証! 世間では本当に“イクメン”が増えているのか

【ママからのご相談】
6歳の娘と4歳の息子がいるママです。ここ数年、テレビやニュースなどで“イクメン”がたくさんいるように報道されていますが、わが家を含め、ママ友たちの間でも、マスコミが言うほど育児に積極的に参加しているパパを見たことがありません。確かに保育園の送り迎えやお散歩程度ならうちのパパもしてくれていますが……。本当に“イクメン”は増えているのでしょうか。

a 「育児に参加したい」というパパは増えています。

こんにちは、在宅ワーカーの川中利恵です。

わが家はひとり親家庭なので、“イクメン”には縁がないのですが、確かに最近“イクメン”という言葉を目にするようになった気がします。

そこで調べてみたところ、“イクメン=育児に積極参加するメンズ”の語源は、なんと政府! 2010年の6月、当時厚生労働大臣であった長妻昭氏が、少子化打開策の一案として、「この言葉を流行させたい」と提案したことが語源であると『知恵蔵2015』に掲載されていました。

つまり、もともと“イクメン”が存在したわけではなく、「育児に積極的に参加する男性を増やしたい」という願いを込めた言葉だったわけです。

150723kawanaka

男性の育児に対する興味関心は増加中!

男性の育児参加への注目が浴びる中、ベネッセ教育総合研究所では、2005年より『乳幼児の父親についての調査』を継続して行っています。2014年、0歳〜6歳(就学前)の乳幼児を持つ父親2,645名を対象に調査が行われ、2015年6月16日にその結果が発表されました。

これによると、「家事・育児に今まで以上に関わりたい」と考えている父親は、2005年の47.9%から、最新の2014年には58.2%と大幅に増加していることがわかりました。

共働きの世帯が増えていることもおそらく原因の一つだと思いますが、「家事や育児に関わりたい」と考えている父親は確実に増えているようですね。

イクメンは幻? 低下する家事・育児参加率

その一方で、「現在、父親がかかわっている家事・育児」の結果を見ると、

・買い物をする
・食事のしたくをする
・食事の後片付けをする
・掃除をする
・ごみを出す

という家事分野で数%の微増みられますが、

・子どもを叱ったりほめたりする
・子どもをお風呂に入れる
・子どもと一緒に室内で遊ぶ
・子どもが病気のとき、面倒を見る

の育児分野では、最大10%も数値が低下しており、理想と現実の大きなズレが見られます。

いずれにせよ、イクメンがもてはやされる一方で、父親の育児参加率が明らかに低下し、ママの育児負担が増えている現状が浮き彫りになっているのです。

育児に関わりたいけど、何をすればいいのか分からないから家事を手伝う、という状況に陥っているのではないでしょうか。これは、「子どもとの接し方に自信がもてない」と答えた父親が、2005年では36.5%だったのに対し、2014年には44.3%と、目に見えて増加しているというアンケート結果からもうかがえます。

原因はライフワークバランス?

同調査書ではその理由を、「父親の帰宅時間が依然4割を占めていることが挙げられる」と報告しています。父親の帰宅時間と育児参加率に焦点を当てたデータによると、実際に、20時台までに帰宅できることが多い父親は、育児に関わる頻度が高いという結果が出ています。

ここまで見ると、同調査書もそこに着眼している通り、帰宅時間さえ早くなればパパも積極的に育児参加できるような気がしてきます。

しかし、私個人は、問題はそこだけではないように思うのです。確かに、帰宅時間が早ければ、家族と接する時間は増えますし、接することができれば関わることもできます。

しかし、53.2%の父親しか21時前に帰宅できなかった2005年に比べ、最新の2014年調査では62.2%もの父親が21時前に帰宅できています。個人的には、「家事・育児に今まで以上に関わりたい」と考える父親は増えているのに、それでも“育児参加している父親はむしろ減少している”という事実に着目したいです。

マニュアル世代の育児

私を含め、今育児に関わっている世代は、“マニュアル世代”と呼ばれた世代が多くを占めています。大学入試のときに、共通のマークシート式試験となってからの世代です。時代を乗り越えるためには“一定のルールや規則”を叩きこみ、それを元に行動しなければなりませんでした。

だからこそ見本がなければ“どう接すればいいのかわからない”し、「これが理想形」と掲げられると、「こうあるべき」と100点満点を目指してしまい、できなければ自信を喪失してしまいがちな方が多いのではないでしょうか。

これは、パパだけではなく、ママにも当てはまります。

「育児とは~しなければならない」と考えていませんか? 「パパはこうあるべき」という固定観念を持っていませんか? 「~しなかったからダメ」と発言していませんか?

育児や家事は、それこそ文明が発達する前から行われてきたことです。だからこそ、育児で最優先すべきは“子どもたちの命と笑顔を守ること”で、それ以外の部分に“正解”はおそらくない、と私個人は考えます。

私の知人の中には、ママがバリバリ働いてパパが近所づきあいや育児を中心に行う家庭もありますし、わが家のようにひとり親でばたばた育児をしていた家庭はもちろん、豊かな環境でキャリアを積み上げるように育児をした家庭もあります。そのいずれも当然、紆余曲折はあるものの失敗はないと私は感じています。

パパもママも、マニュアル的思考から解放され、各家庭の環境に適した育児を考えてみませんか。

体感ですが、最近は買い物に行っても、赤ちゃんを抱っこしたり、手をつないで散歩したりしているパパを多く見かけるようになりました。“イクメン”という作られた父親像ではなく、自然体に子どもと接する“わが家のパパ”が、これからは増えるのではないかな、増えるといいなと、個人的には思っています。

【参考リンク】
第3回乳幼児の父親についての調査 | ベネッセ(PDF)

【関連コラム】
育児してるつもりのイクメン夫が妻をイライラさせる理由
TVゲームは無理? アラフィフパパが幼い子どもと遊べるアイデア2つ
ママ社会になじめる? 日本で“専業主夫”になる不安を払拭する方法

●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)

data-ad-region="1"> data-ad-region="2">
data-ad-region="2"> data-ad-region="2">

あなたにオススメの記事

パピマミをフォローする