脳が活性化!? うつ病改善に“サイクリング”が有効とされるワケ3つ

【女性からのご相談】
30代。グロッサリーストアーの店員です。職場の人間関係が原因でうつ病になり、数か月前からメンタルクリニックに通院しています。カウンセリングと薬物療法である程度は良くなりましたが、日によってはかなり落ち込むこともあり、一進一退といったところです。最近になって夫から、「先輩で、自転車に乗ってうつ病の症状が軽くなったと言ってる人がいるんだけど、試してみたら?」と言われました。それが本当ならぜひ試してみたいとは思いますが、本当に自転車に乗るくらいでうつ病が改善するものでしょうか。

a 本当です。医学的なエビデンスはともかく、効果を認めている医師は存在します。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

自転車に乗ることがうつ病の症状改善に有効であるという説は、医学的なエビデンス(根拠)が必ずしも確立しているわけではありません。しかし、私の知る心療内科の医師はその長年にわたる臨床経験から、「明らかに効果はある」と認めており、うつ病に対する代替医療としては信頼性の高い方法の一つであるようです。

今回は、都内でメンタルクリニックを開業する心療内科の医師にうかがったお話に基づいて、記述をすすめさせていただきます。

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サイクリングがうつ病の改善に有効な理由

(1)セロトニンの分泌が促進される

『サイクリングをするのは、通常は“晴れた日”ですよね。つまり、自転車に乗るという行為は相応の日光を浴びる行為でもあるのです。真夏の炎天下では熱中症対策は欠かせませんが、晴れた日に自転車で走れば相応の日光を浴びることができます。実はこの“日光を浴びる”という行為は、抗うつ薬に応用されている“セロトニン”という神経伝達物質の分泌を促進してくれるため、幸福感を感じやすくなり、悲愴感が軽くなります。

また、最近の研究でうつの症状改善に有効なことがわかってきたビタミンDも、日光を浴びることで生成されます。つまり、サイクリングで自然に日光を浴びることは、うつの症状を軽減してくれるセロトニンとビタミンDという2つの物質を両方とも体内に補給してくれるのです』(50代女性/都内メンタルクリニック院長・心療内科医師)

(2)“反応”する必要性に迫られる

『自転車に乗っていると、自分の身に次々と起こるさまざまな事象に対して“反応”する必要性に迫られます。前方から高齢者が歩いてくれば減速し、不慮の事故が起きないように距離をとることが求められます。また、自転車をこぐこと自体が常にバランスを保つ運動であるため、三半規管が刺激され、脳が自律的・本能的に活動するようになり、人間関係に思いをめぐらすといった意識的・雑念的な活動の状態から脳が解放されます。このように、自転車に乗ることによって得られる直感的な一瞬の判断の機会は、脳の健康にこの上なく良い刺激を与えてくれるのです』(50代女性/前出・心療内科医師)

(3)理屈抜き。風が当たる快感に浸れる

『サイクリングの趣味がある人なら誰でも共感できるかと思いますが、あの“風を感じる”感覚には、たまらないものがあります。日常の生活や職場などではけっして味わうことのできない“風が直接的に皮膚を刺激する快感”は、スキーやボートなどのスポーツにも共通する“非日常のスピード感”をもたらしてくれ、抑うつされた状態の脳に作用してリフレッシュさせてくれます』(50代女性/前出・心療内科医師)


いかがでしたか。

代替医療(補完医療)としてのサイクリング療法は、うつ病の症状改善に関してそのエビデンス(医学的根拠)が確立しているわけではありません。とはいえ、今回お話を聞いたドクターによると、ご自身がサイクリング療法をすすめた比較的軽度のうつ病患者さんたちの多くが、「先生のおかげで自転車に乗るようになって、症状がかなり楽になりました」と感謝されているそうです。

現段階でのエビデンスはともかくとして、試してみる価値は大いにあるのではないでしょうか。

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●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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