細菌性ならGO? 休日に“感染性胃腸炎”を患ったら病院へ行くべきか

【男性からのご相談】
40代の会社員です。連休が始まる前日の会社帰りに急に体調がおかしくなり、電車の中ではやっとのことで吐き気を我慢しましたが駅に着いたらすぐにトイレで戻しました。やっとのことで家にたどり着いたら今度は洪水のような下痢がひっきりなしです。熱は39度1分まで上がるし、「明日にでも休日診療のクリニックに行くしかないな」とネットで検索したら、同じ市内とはいえかなり遠い場所のクリニックしか休日診療を受け付けていませんでした。

症状から推察すればたぶんウイルス性胃腸炎でしょうから、医師にかかったところで所詮は対症療法しかなかったのでしょうが、もし細菌によるものであれば医師が処方してくれる抗生剤が効いただろうとは思います。しかし、結局、私は自宅療養を選びました。4日間自宅で寝て治した私のやり方は間違いだったのでしょうか。

a 仰るように“ウイルス性”だったのであれば、自宅療養が、「間違いだった」とまでは言えません。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

ご相談者様が仰るように、本当に、“ウイルス性胃腸炎”だったのだとすれば、医療機関に行ったとしてもできることは対症療法だけですから、病状の経過に大きな違いはなかったかもしれません。ただ、やはりご指摘の通りで“ウイルス性”でなく“細菌性”の胃腸炎だったとしたら、医療機関で抗生物質を処方してもらった方が治りが早かった可能性は否定しきれません。

ともあれ、もはや済んでしまったこと。都内で内科・消化器内科クリニックを開業する医師にうかがったお話に基づいて、もう少しこの問題について考えてみましょう。

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ウイルス性か細菌性かは医師であっても診察しただけでは確定できません

『ご相談者様が運悪く連休中にかかってしまった病気が、“感染性胃腸炎”であることは、間違いないと思います。ただし、それが、“ウイルス性”のものであるか、俗に“食中毒”などともいわれる“細菌性”のものであるかは、医師であっても診察しただけで断言できるものではありません。検便や血液検査を行うと同時に簡易検出キットによるウイルス検査まですればある程度の確定に近い診断は可能ですが、今まさに激しい下痢や嘔吐・高熱といった症状に苦しんでいる患者さんに診断が確定するまで長時間待っていただくわけにはいきませんし、検査は必ずしも保険が適用になるわけでなく、場合によっては数万円という費用がかかってしまう場合もありますので、多くの場合は医師による状況判断がものをいうことになります。

一般論としてはロタウイルス・ノロウイルスなどによるウイルス性胃腸炎は冬場に多く見られ、サルモネラ菌・病原性大腸菌などによる細菌性胃腸炎は夏場に多く見られる傾向がありますが、それも全てではありませんので、患者さんの症状、飲食歴、学校や職場の様子、渡航歴、家族の様子などをうかがって診断を絞り込み、「いずれであったとしても」という考え方で迅速に治療を行う必要があるのです』(40代男性/都内内科・消化器内科クリニック院長・医師)

医師が抗生物質を出すのは、「万が一、細菌性であった場合」のため

そこでご相談者様の、“自宅で静養して治す”という態度が正しかったか否かという問題に関して、ドクターに聞いてみましょう。

『患者さんが、下痢で失われた水分補給をご自分で行える状況にあるのでしたら、今回の患者さんの態度が、「間違いだった」とまでは申しません。ですが、熱が39度1分ともなると、患者さんの体力にもよりますが頓服薬を飲まなければ自力で水分を取ることすらできないということも考えられますし、吐き気止め(ナウゼリンなど)は通常は一般の家庭にありません。

そして、万が一細菌性であった場合に有効となる抗菌薬(抗生物質)を念のために処方することが医療機関を受診していただかないとできないという意味では、やはりご家族の助けを借りてでも休日診療を利用された方がベターであっただろうというのが、医師としての結輪です』(40代男性/前出・内科消化器内科医師)


ご相談者様、参考になりましたでしょうか。日頃からとにかく手洗いを励行されて、来年の連休はご家族と楽しく過ごせることを祈念してやみません。

【参考リンク】
感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎・細菌性胃腸炎) | まつもとファミリークリニック

【関連コラム】
身体ナビゲーションVol.19「主な胃の病気と症状8つ」
食中毒で感染!? 「ギラン・バレー症候群」の原因と治療法

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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