語彙力が3倍に!? 子どもに“赤ちゃん言葉”で話しかけるメリット

【パパからのご相談】
生後半年の長男と話すとき、赤ちゃん語で話すべきかどうか迷っています。

「車」→「ブーブー」、「犬」→「ワンワン」という赤ちゃん語で話したくなるのですが、どこかでそれはいけないことだと聞いたことがあるのです。

いずれは大人と同じ言葉で話すようになるのだから、初めからきちんとした言葉で接した方がスムーズだという話だったと思うのですが、本当に赤ちゃんの言葉の発育に影響があるものなのでしょうか?

ついついかわくて赤ちゃん語で話してしまうので、直すべきかどうか悩んでいます。

a 赤ちゃん言葉で話した方が語彙力が高まる

ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。

相談者様のおっしゃる通り、幼児語を使わない方がいいと唱える声があることは確かです。

子どもは周りの大人たちから言葉を学びますので、正しい言葉使いを心がけようとすること自体はとてもいいことだとも感じますね。

しかし、いざ赤ちゃんを目の当たりにすると、かわいくてつい「ナイナイしようね〜」や「マンマ食べようね〜」などの赤ちゃん語で接したくなるものですよね。

今回は、親が赤ちゃん語で話すことが赤ちゃんの語彙力に与える影響についてお話しいたします。

“赤ちゃん言葉”の種類2つ

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パパやママが乳幼児に使う“赤ちゃん言葉”にはどんな種類があるのでしょうか。基本的に赤ちゃん言葉である“幼児語”は、大人が子どもに教えることが多いようです。

まだ言語能力が発達していない赤ちゃんのために、先人たちが編み出した素晴らしき“赤ちゃん言葉”を見ていきましょう。

(1)オノマトペ(擬音語)

これは、対象の事物が出す“音”を声でマネすることです。たとえば、

ハチ……「ぶんぶん」
犬……「わんわん」
猫……「にゃーにゃー」

などがあります。直感的でなんとも分かりやすい表現ですよね。

まだ言葉を話せない赤ちゃんに「これはハチ」「あれは犬」などと説明するよりも、こうしたオノマトペで教えてあげた方がよく理解してくれそうです。

また、赤ちゃんは反復を好む傾向にあるので、同じ音を繰り返す(反復語)と覚えやすいようです。

(2)両唇音

これは唇を接触させて出す音で、マ行やパ行などが該当します。代表的な例としては、「まんま」があります。

ちなみに、『NTTコミュニケーション科学基礎研究所』の発表によると、“幼児が一番始めに話す言葉”の第1位が、「まんま」だそうです。

これは赤ちゃんが「ま」を発音しやすいことが原因ではないかと言われています。

多くのママがわが子の初めての言葉が「まんま(ママ)」だと喜びますが、ただ単に発音しやすいために意味もなく発している場合もあるとのことなので、ぬか喜びに注意しましょう。

英語にも“赤ちゃん言葉”がある!

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さて、上では日本語の赤ちゃん言葉を見てきましたが、外国(英語圏)ではどういったものがあるのでしょうか。その一例をご紹介いたします。

お父さん……「da da」
お母さん……「mommie」
犬……「bow-wow」
うんちすること……「poo-poo」
お昼寝……「nap-nap」

基本的に、日本と同じように“反復語”や“簡略化した言葉”が多く使われているようです。

どうでもいいですが、日本だと「わんわん」な犬が、外国だと「ばうわう」というのは面白いですね。向こうの方が“ごつい犬”感があります。

赤ちゃんが話す言葉の種類

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クーイング

クーイングは、「あー」「うー」など母音のみの発声で、舌を使いません。ただの泣き声とは区別され、いずれ話すことになる“言葉のもと”とされています。

平均では生後数ヶ月からクーイングが始まり、口や喉が発達してきた証拠です。

喃語

喃語の定義はとてもあいまいで、ほとんどクーイングと同じ扱いをされることもあるようですが、一説には、母音以外の声を発すると“喃語”と認識されるそうです。

分かりやすく説明すると、クーイングは「あー」「うー」などの母音の発声ですが、喃語では「だー」とか「ばー」といった子音を用いた発声をします。

他にも、“4か月以降のクーイング”も喃語とされる場合がありますが、この時期の発声は言語能力の発達においてとても重要な役割を担っているようです。

生後1歳前後には、約半数の赤ちゃんが言葉を話す

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ここでいう“言葉”とは、クーイングや喃語と違い、“意味のある言葉”のことです。赤ちゃんが意味のある言葉を話すようになるタイミングは、個人差がとても大きくて一概には言えませんが、大体半数の赤ちゃんが生後1か月前後には発語できるようになっているようです。

さらに、1か月半検診では、意味のある言葉がどれくらい出ているかのチェックが行われます。目安としては、2〜3つの言葉が話せれば良いとされています。

他にも積み木の検査や指差し検査などがあり、総合的に見て遅れが出ているようなら、発達障害などの診断が下される可能性があります。

しかし、言葉が多少遅れていても“様子を見る”ことが多いそうなので、子どもが言葉を話せなくても焦らないようにしましょう。

上でも述べましたが、言葉の発達には個人差があります。あまり心配しすぎずにじっくりと子どもの成長を見守りましょう。

親の“話しかけ”が赤ちゃんに与えるメリット4つ

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(1)言語能力が発達する

とはいえ、自分の子どもが他の子に比べて言葉が遅れていたら、やはり落ち込んでしまいますよね。

「個人差だから仕方ないって言うけど、親にできることはないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

そこで参考にしたいのが、米スタンフォード大学の研究グループの発表。

なんと、親が子どもに話しかける回数が多いほど、幼児の言語能力が発達するというのです。

つまり、今は言葉の発達が遅い子でも、親が頻繁に話しかけていれば、早い段階で言葉を話す可能性が高いということです。

子どもが小さいうちは親の話を聞いていないように思えて、話しかけが無意味だと感じることもありますよね。

しかし、どんなに小さくても赤ちゃんはパパママの言葉を聞いています。

言語能力はよく“コップ”で例えられますが、親がたくさん言葉を注いであげることによって、子どもの口からも言葉がこぼれるようになるのです。

また、親による“話しかけ”は、言葉だけでなくジェスチャーなどの動きにも影響を与えるとされています。

(2)社会適応能力が高まる

ノースウェスタン大学とニューヨーク大学の共同研究で、両親から多く話しかけられた子どもは、言葉への反応が良くなることが分かりました。

赤ちゃんは、言葉を通じていろんなことに関心を持つようになります。その結果、集中力や学習能力が高くなり、社交性にも良い影響が出るのです

(3)親子の絆が深まる

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パパやママが赤ちゃんに向かって“話しかけ”を繰り返すことで、赤ちゃんは自分が構ってもらえているという安心感を抱きます。

また、パパやママ自身も赤ちゃんを介して言葉を交わすことで、夫婦間の関係を良好に保つことができます。

親と子ども双方にとって大切なコミュニケーションと言えるでしょう。

(4)早くたくさんの言葉を覚える

赤ちゃん語で接していた赤ちゃんと、大人と同じ言葉使いで接した赤ちゃん。

両者が2歳になった時点での語彙力を比較する研究がアメリカのワシントン大学・コネチカット大学の共同で行われました。

この研究に参加した赤ちゃんは、26名の1歳児。親や周りの大人たちがどのような環境で赤ちゃんと接しているのかを記録し、両者の語彙量などを比べました。

赤ちゃんを取り巻く環境はさまざまですが、もっともたくさんの言葉を覚えていたのは、“親が面と向かって、ゆっくりと赤ちゃん言葉で接していた”赤ちゃんです。

その語彙量は平均して433語。対して、“他の大人もいる環境で、大人と同じ言葉使いで接していた”赤ちゃんはもっとも語彙量の少ない平均169語という結果になったのです。

意外に思われるかもしれませんが、親が赤ちゃん言葉で話していた赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんと比較して3倍も多くの言葉を覚えていたという結果が得られました。

“話しかけ”以外のコミュニケーション方法2つ

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(1)スキンシップ

言葉以外のコミュニケーションといえば、スキンシップですね。肌と肌がじかで触れ合うことによって、言葉では伝えられないものを共有することができます。

赤ちゃんに与える主な影響としては、成長ホルモンの分泌促進が挙げられます。

パパやママから優しいスキンシップを受けることで、オキシトシンという成長ホルモンが分泌され、信頼感や安心感を抱くようになると言われているようです。

ルネ・スピッツという学者がスイスで行った実験では、一切スキンシップを受けなかった赤ちゃんは半数が2年以内に死亡し、生き残った子どものほとんどが知的障害や精神障害を抱えるという結果になったとされています。

決して許されない実験ではありますが、赤ちゃんへのスキンシップがどれだけ大切なことか分かります。

(2)ジェスチャー

また、言葉を用いないコミュニケーションのもう一つの方法として、ジェスチャーがあります。

日本ではあまり一般的ではありませんが、ジェスチャーや手話を用いた“ベビーサイン”という育児法があり、赤ちゃんの成長促進に効果的とされています。

始める時期としては、まだうまく言葉を話せない6か月〜1歳半がベストと言われています。

言葉を話せない赤ちゃんでも、ジェスチャーなら比較的早く習得することができるので、お互いのコミュニケーションがスムーズになります。

ベビーサインには、脳や言語能力の発達を高める効果があり、親子の絆も深まるとされているので、興味のある方はぜひ実践してみてくださいね。

「赤ちゃん言葉はダメ」という意見も

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本コラムでは、赤ちゃん言葉が“幼児の言語能力の発達に良い”という結論を出していますが、その一方で赤ちゃん言葉を良しとしない意見もあります。

以下では、その主な理由を見ていきましょう。

いずれ言葉を覚え直すので負担になる

幼児語は、たしかに普通の言葉に比べて赤ちゃんに理解してもらいやすい言語ですが、いずれきちんとした言葉を覚えてもらうことになります。

たとえば、犬を「わんわん」と教えた場合、あとで「犬」と教え直す必要があります。そのことで子どもが混乱し、脳にムダな負担がかかることになります。

幼稚な発音を正解だと思ってしまう

上記で触れたオノマトペは、赤ちゃんが理解しやすいように生み出された赤ちゃん言葉ですが、一方で“子どものマネをした赤ちゃん言葉”も存在します。

たとえば「〜でちゅね」「〜でしゅ」など、赤ちゃんがうまく発音できずに話している言葉をそのまま使っているもの。

これを使う人は、「赤ちゃんのため」という意識があると思いますが、それを聞いた子どもはそれが“正解”だと思ってしまい、正しく発音しようとしなくなる恐れがあります。

つまり、言語能力の発達を遅らせているのです。

そのため、子どもに「〜でちゅね」などの言葉を使うことは、周りから眉をひそめられるだけでなく、赤ちゃん本人にも戸惑われるので、極力使わないようにしたほうが良いとされています。

赤ちゃん言葉が使われている絵本3選

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赤ちゃんの言語能力の発達には、パパやママのコミュニケーションが欠かせませんが、それをサポートするものもあります。

その代表的なものが絵本です。幼児向けの分かりやすい絵本では、楽しみながら言葉を覚えさせることができます。

『赤ちゃんのためのことばの絵本』桑原伸之・著

こちらは言葉を覚えはじめた赤ちゃんのための絵本で、シンプルな絵と「ぴょんぴょん」「ころころ」など、わかりやすい表現の言葉が使われています。

言葉の意味がまだ分からない赤ちゃんでも、感覚的に楽しめるものとなっています。

『もこ もこもこ』谷川俊太郎・作/元永定正・絵

こちらも「もこもこ」や「にょき」などの擬音語しか登場しない絵本です。

この絵本の特徴は、とにかく“不思議な世界観”。変な生き物が地面から出てくるところから始まるのですが、独特な擬音語と絵で物語にひきこまれていきます。

『いないいないばあ』松谷みよ子・作/瀬川康男・絵

こちらは、赤ちゃんをあやす代表的な方法の一つ、“いないいないばあ”の絵本です。

この本も基本的に赤ちゃん言葉で作られており、絵のインパクトと分かりやすい言葉で楽しめます。

まとめ

「赤ちゃん言葉の種類」や「話しかけの効果」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

人によって賛否が分かれる“赤ちゃん言葉”ですが、結局のところ使うかどうかは親の自由ですよね。

きちんと愛情が伝わっていればどんなコミュニケーション方法でもいいのではないでしょうか。

赤ちゃんの言語能力の発達には、“赤ちゃん言葉”以外にもさまざまな方法があるので、いろいろと試しながら子育てをしていきましょう。

●ライター/木村華子(ママライター)
●追記/パピマミ編集部

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