デキ婚花嫁の葛藤! 出産後の結婚式で“親への手紙”は読むべきか

【ママからのご相談】
20代。いわゆるデキ婚で、昨年9月に生まれた男の子がようやく6か月になったので、この辺でそろそろ結婚式をやってお世話になった方々・これからもお世話になる方々に感謝の気持ちを込めてお披露目し、ケジメをつけたいと思っています。

そこで1つだけ悩みがあるのですが、自分がすでに赤ちゃんの親だというのに、“新婦から両親への感謝の手紙”を読み上げるのは、おかしいでしょうか。親として、「何があっても、この子を守りぬきます」といった“決意表明”をすることの方が自然なのでしょうか。親にとっての第1子であった自分としては両親へ“感謝の手紙”を読んで、育ててもらったことへの素直なお礼の気持ちを伝えたいと思ってはいるのですが……。

a ぜんぜん変ではありません。ご両親へ感謝の気持ちを思いきり伝えましょう。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

2011年の時点ですでに、結婚するカップルの4組に1組が“おめでた婚”でした。2015年の今では、もしかしたらその比率は3組に1組くらいにまでなっているのかもしれません。

ご相談者さまの周りでどなたかが、「出産後の結婚式のくせに親への感謝の言葉でもないだろ」などとおっしゃるかたがいるのでしょうか? いるとしたらそのかたは、とてもかわいそうな方だと思います。

子どもはいくつになっても親にとっては子どもです。でも、自分にも子どもが生まれたことによって、「子どもであった自分」に決別して、今度は子どもの親として、しっかりと子どもを守りながら生きて行くのであり、赤ちゃんのいる結婚式なんてそのことを何代にもわたる人たちに改めて自覚させてくれる、最高の機会ではありませんか。

ぜひ、ご両親への感謝の手紙を読み上げてください。ありったけの感謝の気持ちを思いきり伝え、思い残すことなく両親の元から巣立っていってください。

以下の記述は都内でメンタルクリニックを開業する精神科医師のお話を参考にしながら、すすめさせていただきます。

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思春期に父親を嫌悪した女性が出産後に父親を好きになるのは遺伝子の影響?

『そもそも女性が結婚式で、「親への感謝の手紙を読み上げよう」と考える際、こと男親に関して言うならむしろ女性が妊娠・出産を経験された後の方が、より素直な感情からそのような気持ちになっていると推察されます。その根拠は、“HLA”という“免疫をつかさどる遺伝子”の存在にあります。HLAとは、白血球型抗原といって白血球の血液型とも言えるもので、ヒトの体臭に影響を与えて恋愛感情を左右させる働きがあり、思春期の女性が父親の汗くさいオヤジ臭を“不快”に感じるのは、HLAが近い父親を忌避してHLAの配列が遠い男性のことを好きになることによって、免疫学上免疫力の強い子が生まれやすい方向に自然と向かうのだと言われております。

ところがそんなふうに思春期には父親を嫌悪した女性も、妊娠し、出産すると実の(遺伝学上の)父親のことが好きになります。これは、実の父親が自分の子どものことを絶対的に守ってくれる存在だということを遺伝子が知っているためです。ですから、赤ちゃんができた今こそ、お父さまへの感謝の手紙を読むにはベストなタイミングだと言うことができると思います』(50代女性/都内メンタルクリニック院長・精神科医師)

母親の影響を強烈に受ける“第1子長女”がいい大人の女性になれたのは母の力が大

『一方、いわゆる“第1子長女”であるご相談者さまがお母さまへの感謝の手紙を読みたいという心理は、精神医学的にはいたって“まっとう”なもので、とても素直な感情だと思います。初めての子どもに対しておそるおそるながらも真摯に、不器用に、誠心誠意向き合い育ててくれた母親への感謝の気持ちが第2子以降の子よりもずっと強い第1子長女は、同性としても母親の気持ちがよく理解できます。

母親から“長所が伸ばせる”ように“上手に褒め”て育てられた第1子長女は、節度のある自信と自己肯定感を持った“いい大人の女性”に育つことができ、ご相談者さまがそのことへの感謝を結婚式でお母さまに読み上げたいというのは、素晴らしいことだと思います』(50代女性・前出精神科医師)

ブライダルサイトの“文例”にこだわらずに、感謝の気持ちを率直に伝えてください

それでは、「いざ、結婚式!」ということで感謝の手紙の内容について触れてみたいと思いますが、これはもうご相談者さまが、「これだ」と思うことを書いていただければよく、いわゆるブライダルサイトを開けばたくさん出てくるような“文例”を参考になさる必要は、はっきり申し上げて、ありません。

ただ、一般的な注意点として、企画立案からしてご相談者さまご夫妻でなさる新郎新婦が主催の結婚式であれば、感謝の手紙も自由に読みはじめてかまいません。そうでなく、招待状の差出人が新郎新婦の親の名前になっているような、やや保守的な形式の結婚式の場合は、主催者にいきなり感謝を述べはじめるのはNGになりますので、「この場をお借りして主催者である両親へ感謝の言葉を述べることをお許しください」などの一言が必要になります。

それ以外に気をつける点と言えば、「身内だけが盛り上がれるような内容になってしまっていないか」という点くらいです。ありったけの感謝の気持ちを手紙に込めてみてください。きっと列席者のみなさんが感動できる内容の手紙になるはずです。

わたくしごとで恐縮ですが、長女が読んでくれた感謝の手紙はこんな感じでした

わたくしごとで大変恐縮ではありますが、ご相談者さまと同じように私の長女夫婦ははじめての赤ちゃんが生後7か月になる直前に、2人の手作りによる結婚式をレストランで挙げました。私はけっして泣くまいと思っていたのにやっぱり泣いてしまったのですが、その手紙の内容は、おおむねこのような感じでした。

『パパ、ママ。まずはじめにお礼を言いたいのですが、高齢にもかかわらず15歳年下の弟というプレゼントをくれてありがとう。弟がいたから、私はいつでも“一人じゃない”と思えたよ』

『ママ。私が小学校を卒業するくらいまで、何かといっては家でも外でも私を抱きしめてくれましたね。私は恥ずかしくて文句を言ってたけど、本当はすごくうれしかったです。高価なお洒落はけっしてしないママだけれど、私は今でもママが世界でいちばんキレイだと信じて疑いません』

『パパ。小中学生のころ、ママが仕事で遅い日の夕食にはパパが代わりにうどんを作ってくれましたね。いつも同じメニューだったけど、温かくておいしかった。メンズトラッドのスタイル雑誌が愛読書で趣味もたくさんあるパパだったけれど、38歳のときに起こした会社が、最初はとてもうまくいってたのにその後の大不況で経営がどんどん厳しくなっていってからは、ただひたすらに働きつづけて私たちがひもじい思いをしないようにしてくれましたね』

『ママもパパも私を育てるために、楽しみにお金をかけることをあるところで止めていたんだなあと思うと、泣けて泣けて仕方ありませんでした。自分が親になった今は、そういう親の心が痛いほどよくわかるのに、学生だった私はそんなことにも気づかなかった』

『26年間、のびのびと育ててくれて本当にありがとう。自由にものが言い合えるわが家はいつだって居心地の良い場所でした。進路を決める際にはいろいろと文句を言ったりもしたけれど、パパが示してくれた道は、いつだって明るい未来に結びついていました』

また涙が出てきてしまいそうなのでこの辺にいたしますが、学生時代までの長女はよく、「こんな家、今すぐ出て行ってやる!」とたんかを切って、幼い弟に、「お姉ちゃん、出て行かないで!」と、引き止められたものでした。

それもこれも美しい思い出にしてくれる、“両親への感謝の手紙”、ご相談者さま、ぜひご両親に向けて読んでさしあげてください。

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●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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