どう伝えるのがベスト? 波風立てない“PTA役員”の断り方とは

【ママからのご相談】
40代。小学生の男の子のママです。来年の4月に息子も6年生になるのですが、わが家は夫婦共働きのうえ、夫の母親が高齢で介護を要するため夫と私とで分担してみています。先日、数少ないママ友の一人から、「あなた今までPTAの役員やってないから、子どもが卒業するまでに一度はやれって迫られるわよ」と言われ、戦々恐々としています。そういえば前回の役員決めのとき、私も夫も仕事で留守の日中にPTAの方から電話があって義母が取り、役員・委員をやらない私たち夫婦の姿勢を叱ったそうです。でも、近々もし迫られたとしても、やっぱりうちでは無理です。子どもはかわいそうですが、やはり脱会するしかないでしょうか。

a 実状を素直にお話しすれば、考慮した妥協案を示してもらえると思います。

ご相談ありがとうございます。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

たしかに、ご相談者さまのように夫婦共働きで、なおかつ介護が必要なお義母(かあ)さまがいらっしゃるかたにPTAの役員・委員をお願いするというのは、かなり酷な話ではあります。ただ、わが国の公立小中学校においてPTAのみなさんが子どもたちの情操と地域のコミュニケーションのために多大な貢献をしてくださっていることは紛れもない事実であり、簡単に“脱会”を考えるということには、私は賛成いたしかねます。

ご相談者さまの家庭の実状を率直にお話ししてみれば、それを考慮に入れた代替案を提示してもらえる可能性が、かなりあると思います。都内で小児科クリニックを開業し地域の小中学校のPTAとの関わりも深い、小児科医師の意見も参考にしながら、一緒に考えてみましょう。

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役員・委員を辞退する方もお願いする方も、次のことだけは気をつけましょう

忘れてならないことは、PTAが子どもたちのためにある存在だということです。役員や委員を辞退したい人も、お願いしたい人も、自分のことばかり考えて罵(ののし)り合っているようでは、「子どもたちの世界からいじめをなくそう」などと言う資格すらありません。罵り合いもいじめも、相手を人格を持った個人として尊重しない態度から生まれるからです。

そこで率直に話し合うための大前提として、これから話し合ううえでそれぞれの立場に立つ人がけっして使ってはいけない言い回しや表現についてお話ししておきます。

【辞退する側がけっして言ってはいけないこと】
・「役員や委員は、専業主婦のかたがやればいいじゃないですか」
・「こっちはみなさんみたいにヒマじゃないんです」
・(話し合う前から)「PTAは脱会します。もう脱会するしかありません!」

【お願いする側がけっして言ってはいけないこと】
・「こっちは正社員の激務をこなしながら役員やってるの。あなたパートでしょ」
・「脱会するなら(子どもは)災害時の避難体制から外れて自己責任で生きてね」
・「“みんな”がやる役回りが嫌なら(子どもは)私立にでも転校させたらどう?」
・「“忙しいからできない”で済んだら世の中楽でしょうね」

率直に話し合ううえでの大前提として、上のような言葉づかいだけはけっしてなさらないよう気をつけてください。相手の心をナイフで傷つけるようなことをして、いいことは一つもありません。

それでは次に、具体的な話し合いに入ってまいりましょう。

役員・委員を引き受けるのは無理でも、何ならできそうか考えてみましょう

『私がクリニックを開業している地域では、市立小学校において次のような大まかなルールを決めているようです。それは、「6年間で一度は役員ないし委員をやる。ただし、どうしてもそれができない事情がある場合は例外を認める。その場合、理由を書面で提出するとともに、6年目にもできないときはその1年間だけ、通常は年に2回すればいい“PTA活動のお手伝い”を年4回、1回につき1時間程度でいいので協力する」というものです』(50代男性/都内小児科クリニック院長)

最初から、「忙しいので、できません」と切り出すのではなく、この小児科の先生の地域でやっているような方法論を、ご相談者さまの方から提案してみるというのはどうでしょうか。

例えとしてあげるならば、

・「5月の最終土曜日の運動会はいずれにしても観に行くので、運動会の際に1時間程度お手伝いできることはあるか?」
・「8月第1週の金曜・土曜の夜に開催する地区の市立小中学校での合同夏祭りの際に1時間程度お手伝いできることはあるか?」
・「2月の第2週の日曜日の午前中に開催する地区の親子マラソン大会の際に、ランナーへのコース案内で道路に立ってもいいですけど……」
・「3月の卒業式前の日曜日の朝に行う“通学路清掃”に1時間程度参加できますが……」

このような代替案を出しても、「役員・委員をやらなきゃダメ!」とは、普通は言われません。

このように、「自分の家庭の事情から役員や委員はできませんが、このようなお手伝いをすることは可能です」と具体的に例をあげて代替案を出せば、「ダメ、ダメ、絶対ダメ。役員・委員をやらないということは許されません」とは、普通は言われないと思います。


ご相談者さまのお子さんも楽しみにしている行事ごとや、節目節目の式典の際にもらう記念品など、小さなことかもしれませんが、子どもたちの心には残る思い出です。わが国の公立の小中学校では、子どもたちにそういった思い出をあげる手助けを、PTAの方々がしてくださっています。お互いに胸襟を開いて話し合えば、妥協案が成立しないはずはありません。

もし、「絶対にダメ」と言って譲らないようであれば、それは“同調の強要”であって、いやしくも民主的に運営されている組織のあるべき姿ではありません。そんな組織であれば、覚悟を決めて闘ったり、脱会することもやむをえないでしょう。

でも、おそらく、そんなことにはなりませんよ。あまり思いつめず、ざっくばらんにご相談なさってみてください。

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●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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