1周年の結婚記念日に! 紙婚式にプレゼントしたい“賢者の贈り物”3つ

【女性からのご相談】
30代の主婦。パン屋で働いています。絵を描くことが大好きで、ときどき私がデザインしたウサギやネコの形をしたパンを、店長に商品化してもらっています。夫とはこの春に結婚1周年。NPO法人に勤務する読書家の夫で、職場で学習の支援をしている子どもたちにもよく本の読み聞かせをしているようです。二人ともお金にはあまり縁がありませんが、周囲を優しい人たちに囲まれて幸せに暮らしています。結婚1周年の記念に、アメリカの短編小説家オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』のような、さほどお金のかからないステキな贈り物をしたいのですが、いいアイデアはないでしょうか?

a 結婚1周年目は“紙婚式”。さほどお金をかけないでもステキな贈り物ができるはず。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

紙婚式おめでとうございます。結婚1周年目のお祝いは“紙婚式”と呼び、アルバムやレターセットなどの比較的に廉価で日常的な、紙製品を贈るものとされています。

『賢者の贈り物』、ステキですね。貧しくてもお互いを愛して暮らすデラとジム。デラの宝物は美しく長い髪の毛で、ジムの宝物は祖父の代から受け継ぐ金時計。

クリスマスの前日、夫にプレゼントを買うお金がないデラはその長く美しい髪を切ってカツラ屋に売り、手にしたお金でジムの金時計につけるプラチナの鎖を買います。ところがジムは同じ日、宝物の金時計を売ってデラの長い髪を飾る櫛(くし)を買っていたのです。

20世紀の初頭に書かれた作品でありながら全く色あせることなく今なお輝きつづける名作『賢者の贈り物』の主人公デラのようなご相談者さまに、無い知恵を絞って思いつく限りのご提案をさせていただきたいと思います。

なお、“格差”や“貧困”について触れた記述部分については、医療社会学に詳しい、都内で内科・心療内科クリニックを開業する医師からお話しを聞いてあります。

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経過年数によって高価になる贈り物だが、1周年目だけ伝統にならってやってみればいい

結婚記念日は、経過年数によって名称があり、その名称の素材でできた製品を贈るという伝統があります。でも、1周年目の“紙婚式”の紙製品はいいとして、7周年目の“銅婚式”、10周年目の“アルミ婚式”、15周年目の“水晶婚式”、25周年目の“銀婚式”など、年功序列で右肩上がりに給料が上がって行くわけではない現代社会で生きる私たちにとって、「この年数が経っているなら、これくらいの物は贈れるはずだ」というような古い伝統は、なかなか現実になじまないものになりつつあります。

そんな中で結婚1周年目の“紙製品”くらいであれば誰にでもアイデア次第でステキな贈り物ができますので、1周年の記念日だけ、古い伝統にのっとった贈り物をしてみるのも、いいのではないでしょうか。

ステキな“賢者の贈り物”3つ

(1)紙バンドで編んだバスケットにあなたのオリジナルパンを入れて贈る

まず最初のご提案は、あなたがお仕事でやっていることを旦那さまに見てもらう意味も込めて、あなたのデザインによるオリジナルのパンを店長さまに数量限定で焼いていただいてプレゼントするというアイデアです。

その際、入れものはもちろん紙の器。それも、紙で編んだバスケットならばパンを入れるのにピッタリかと思います。最近は100円ショップでも売っている紙バンドを使ってバスケットを編む方法がネット動画などでもいろいろとアップされていますので、参考にするといいかもしれません。

人間は仕事をすることによって社会に参加し、他者のためになっている自分というものを確認して己(おのれ)の存在の意味を感じる生き物です。

この場合の“仕事”とは、必ずしも報酬を伴う労働を意味するものではありませんが、多少なりとも報酬が伴えばより一層やり甲斐をもってその仕事に励むことができるでしょう。

あなたが勤務先のパン屋さんでしている新作パンのデザインという、あなたにしかできないステキな“仕事”を、結婚1周年目のこの機会に、旦那さまに見ていただく絶好のチャンスです。

(2)旦那さまを描いた絵を贈られてはいかがでしょうか?

次のご提案は、絵を描くことが大好きなご相談者さまが、愛する旦那さまの絵を描いてご本人に贈るというものです。

私の大好きな現代日本の写実派の油彩画家で女性の人物画を得意とする人がいるのですが、この人が描いた絵を鑑賞していると、描かれている人の内面の美しさまでが表出しているかのような胸に迫るものがあります。

別に大したお金をかけなくても粗目のスケッチブックにコンテで描いただけのデッサンでもいいではありませんか。旦那さま本人も気づいていないような旦那さまの魅力を、あなたが描いた絵ならば写し出してしまう可能性があるのではないでしょうか。

(3)図書カードを贈って旦那さまの好きな本を読んでもらいましょう

ご提案させていただく3つめの紙製品は、図書券です。今は樹脂製のカードになっていますが、広義での紙製品ということにいたします。

『旦那さまは、経済的に恵まれていない子どもたちに学習の支援をするNPO法人に勤務されているのですね。尊いご職業に敬意を表します。ある民間のシンクタンクの研究によると、わが国でも今後は新たに設立される法人の多くが株式会社という形態ではなくNPO法人のような形態のものが中心になってくると言われております。

今(2015年2月現在)、全世界で160万部超、日本国内でも2014年12月の発売以来13万部を超えるベストセラーになっている、フランスの経済学者が書いた、「21世紀の資本」という本があります。18世紀の初頭にまでさかのぼる膨大な歴史的データを分析することによって、私たちの生きているこの社会で、勤労という努力によって得られる富よりも資産の相続によって得られる富の方が桁違いのスピードでもって蓄積されることを解き明かし、富を分配する方法を作り直さなければ格差が拡大し庶民階級の存続そのものが危うくなってしまうことを実証した研究書です。旦那さまがお持ちの問題意識にぴったりの本ではないかと思いますが、なにしろ700ページを超える労作なので値段が高く5,940円(税込)もします。半分程度の額を、贈り物の図書カードで補助してさしあげたらおよろこびになるのではないでしょうか』(50代女性/内科心療内科クリニック院長・医師)

読書家の旦那さまにはピッタリの贈り物かと思います。旦那さまからの“賢者の贈り物”が楽しみですね。

ステキな紙婚式になることを祈っています

さて、デラからジムへの贈り物はだんだん絞られてきたようですが、ジムはデラへ何を贈ろうと企(たくら)んでいるでしょうか。

二人の写真を飾る紙製のフォトフレームだとしたら、ご相談者さまが描いた旦那さまの絵を飾ることもできそうですね。

『北欧などではビニールコーティングされた紙製のテーブルクロスが家庭でよく使われています。汚れても水拭きを繰り返すだけで長く使用することができるため環境にもやさしく、バスケットに入ったパンをのせておくのにいいですよ。価格的にも5,000円まではしないものがほとんどで、お手頃です』(前出50代女性・医師)

いちばん面白い(と言ったら失礼ですが)、オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』みたいなオチは、旦那さまがフランスの経済学者の5,940円の著書を既に自分のお小遣いで無理して買って読んでいて、それを、「きみも読んでごらんよ」とプレゼントすることでしょうか。

ステキな紙婚式をむかえられることを、心より祈念申し上げます。

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●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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