なぜ若い頃より遅く来る? 筋肉痛を早く治すケア方法

【男性からのご相談】
最近、正月太り解消のためにフットサルをしました。運動をするので疲労感はすぐにくるのですが、筋肉痛が若いときより遅くくるように感じています。

やはり歳のせいでしょうか? 何か原因があるのか教えてください。

a 筋肉痛と年齢は必ずしも関係ありません

ご相談ありがとうございます。理学療法士のOHSAWAです。

ダイエットや運動不足解消のため急に運動をすると、ついつい張り切ってしまい翌日あたりに筋肉痛が起きますよね。

ただ、人によっては当日だったり2日後だったりと差が出たりします。

今回は筋肉痛の原因や対処方法についてご説明いたしますね。

筋肉痛になる原因2つ

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実は意外なことに、現代の医学でも筋肉痛に対してはこれとはっきりと言える原因はまだ解明されていません。

しかし、有名な説として以下の2つが挙げられます。

(1)損傷した筋肉の修復

激しい運動をしたり、普段使わない筋肉を動かしたりすると、筋繊維がダメージを受けて損傷してしまいます。

筋繊維自体には痛覚がないので、この段階で痛みは生じません。

しかし、筋繊維が損傷すると炎症が起こり、それを治すために“白血球”が活躍します。

このとき、白血球は“発痛物質”と呼ばれる“痛みのもととなる物質”を放出します。

これが筋膜にある痛覚を刺激して痛みが生じるのです。

つまり、筋肉痛は“損傷した筋肉が修復される過程で起こる痛み”のことなのです。

(2)乳酸の蓄積

過激な運動を行うと、筋肉の中に“乳酸(疲労物質)”が蓄積されます。

この乳酸が増加するにつれ、筋肉の神経を刺激して痛みを引き起こすと言われているのです。

しかし、この“乳酸の蓄積”という説は矛盾点が多くあり、現代では(1)の方が有力視されているようです。

年をとると筋肉痛は遅れてくるものなのか?

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高齢の方の多くが経験あることと思いますが、筋肉痛が年をとるごとに遅れてくるという実感はありませんか?

10代のころは運動したその日にくるものだったのに、20、30代になるにつれ翌日、翌々日に筋肉痛がやってくる……。

このような経験から、多くの方は“体の老化によって筋肉痛は遅れてくる”と信じています。

しかし、基本的に筋肉痛は若さや筋肉の老化などに関係なく、筋肉に“高い負荷”を与えれば誰にでもすぐ起こります。

ではなぜ年をとると筋肉痛が遅くやってくるのか。それは“気力の低下”に起因しているのです。

運動している本人は若いときと同じように負荷をかけているつもりでも、実際は知らず知らずセーブして“低い負荷”をかけた運動になっています。

つまり、若いころに比べて“ビビりながら”運動をしているわけです。これが筋肉痛が遅れる理由なのです。

納得がいかないという人は、若いころと同じメニューの運動をしてみてください。筋肉痛のピークは早く訪れるはずです。

とはいえ、上述したように、筋肉痛の原因は“傷ついた筋肉を修復する際に起こる痛み”です。

年をとることによって筋肉の修復速度が遅れるという説もあるため、年齢によって多少の差が出る可能性はあると考えられます。

筋肉痛のケア方法:【運動直後】

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筋肉を素早く治すためには、筋肉の状態によってケア方法を使い分ける必要があります。

つまり、運動してからの経過時間ごとに効果的なケア方法が異なるということです。

ここでは、運動直後にやるべき筋肉痛のケア方法についてご紹介していきます。

(1)アイシングをする

アイシングとは、氷で筋肉を冷やすことを指します。

運動した後の筋肉は損傷を受けたことによって熱を持ちます。その後炎症やむくみなどの症状が出てきます。

炎症やむくみは筋肉の修復に必要なものではありますが、過剰に熱を持ちすぎると回復が遅くなると言われています。

そこで過度に高くなっている筋肉の温度を抑えるために、アイシングが必要となるのです。

【アイシングの方法】
1.保冷剤や氷を用意する
2.タオルで包む(凍傷予防)
3.冷やしたい部分に押し当てる
4.20分を目安として、皮膚の感覚がなくなるまで続ける
5.一度アイシングを中止する
6.皮膚の感覚が戻ってきたら再度アイシングをする
7.これらを2〜3セット繰り返す

アイシングをすべき時間は、運動直後〜24時間以内です。

運動から1日以上経った場合はあまり効果がないと言われています。

(2)マッサージをする

マッサージには、

(a)静脈内の血液やリンパ液の流れを促進することで、筋肉の疲労回復を早める
(b)運動直後の筋肉の過度な緊張を解く

という2つのメリットがあります。つまり、マッサージは筋肉に疲労物質がたまっていたり、過度に緊張したりする“運動直後”に最も効果的です。

マッサージは、血行を良くして疲労物質を押し流すというイメージで行いましょう。

力強く揉みほぐすのではなく、血流の流れを意識して下から上に手をすべらせるようにすると効果的です。

このとき、力強く筋肉を圧迫してしまうと、逆に筋肉痛を悪化させる“もみ返し”という現象が起きてしまうので要注意です。

あくまでも軽めのマッサージを心がけましょう。


運動直後の場合は筋肉痛の症状が出ていないため、どちらかというと“予防”的な意味合いになると思います。

後々ツラい筋肉痛に悩まされないためにも、運動直後はしっかりとケアするようにしましょう。

筋肉痛のケア方法【数時間〜24時間以内】

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運動の内容によってはだんだん痛みが出てくる時間帯です。

運動から数時間経ったときのケア方法は以下の通りです。

(1)筋肉痛に効果的な栄養素を摂取する

筋肉痛を早く治すためには、外からのケアだけでなく内側からのケアも大切です。

筋肉痛に効果的な栄養素を上手に摂取することで、早く治すことができます。

>タンパク質

タンパク質は体の多くの部位や組織を構成する栄養素であるため、筋肉の修復にも効果的です。

タンパク質は肉や魚、乳製品や卵などに含まれていますが、プロテインでも十分タンパク質が摂取できます

一人暮らしなどで普段の食事からタンパク質が十分に得られない人は、試してみてください。

>ビタミンB1

人間は運動をするとき、炭水化物やタンパク質などをエネルギーに変換しています。

このエネルギー産生を促す代謝経路に『クエン酸回路(TCA回路)』というものがあり、この回路が回転することでエネルギー産生が効率よく行われます。

ビタミンB1はTCA回路の回転を良くする効果があるため、疲労回復に効果的です。

ビタミンB1は、

・豚肉
・大豆
・昆布
・きな粉
・うなぎ
・たらこ
・焼きのり

などに多く含まれています。

>亜鉛

筋肉の修復にはタンパク質が必要不可欠であることは上述しましたが、そのタンパク質の産生に関わるのが“亜鉛”です。

つまり、亜鉛を摂取することでタンパク質を効率よく生み出すことができ、筋肉痛を早く治すことにつながります。

亜鉛を多く食材には、以下のものがあります。

・牡蠣
・スルメ
・たらこ
・ビーフジャーキー
・レバー(豚・牛・鶏)
・牛肉
・チーズ
・ナッツ類

>クエン酸

クエン酸には疲労物質である乳酸を分解する力がありますが、さらに乳酸の生成を抑える働きもあります

そのため、クエン酸を摂取することで早く筋肉痛を治すことができます。

・レモン
・お酢
・梅干し
・イチゴ
・キウイ
・ハイビスカス
・グレープフルーツ
・パイナップル

などの食材に多くクエン酸が含まれています。

(2)十分な睡眠を取る

筋肉痛を早く治す上で十分な睡眠を取ることは必要不可欠です。

私たちが眠っているときに“成長ホルモン”が分泌されていることは広く知られていますが、実は成長ホルモンは体の発育だけではなく“筋肉の修復”も促進してくれます。

成長モルモンが最も分泌されるのは“22時〜翌2時”と言われているので、運動した日は早めに眠るようにしましょう。

筋肉痛のケア方法:【翌日以降】

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いよいよ筋肉痛が本格的になってくるころです。

すでに筋肉痛が出ている場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

(1)体を温める

運動直後の場合は筋肉が発熱しているため、アイシングが必要だとお話ししました。

しかし、ある程度時間が経って筋肉痛が本格的になってくると、今度は体を温めることが筋肉痛の治癒に効果的となります。

体を温めることで血管が拡張して血行が良くなり、疲労物質である“乳酸”を素早く除去できるからです

また、体の新陳代謝も促進させるため損傷した筋肉の回復(超回復)が早まると言われています。

電子レンジで温めたタオルやカイロなどを患部に当てたり、半身浴で全身を温めると効果的です。

(2)軽い運動をする

筋肉痛の最中は運動したくないものですが、軽い運動をすることも筋肉痛を早く治すための方法の一つです。

筋繊維を修復するためには、新しい筋繊維を作る必要がありますが、その際に必要なのが“栄養素”と“酸素”です。

この2つを円滑に運搬するためには血液の循環がスムーズである必要があります

軽い運動をすると血行を促すことができるので、筋繊維の修復を早めることができるというワケです。

ちなみに、ウォーキングや水泳、ストレッチなどが軽い運動にあたります。

まとめ

いかがでしたか?

健康を維持するためには適度な運動が必要ですが、急に無茶をすると筋肉痛に見舞われてやる気をなくしますよね。

筋肉痛の正しい予防法やケア方法を知って、筋肉痛を乗り切り、また元気に運動するようにしたいですね。

●ライター/OHSAWA(理学療法士)
●追記/パピマミ編集部

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