ありえない! 保育園からの強制的な「退園命令」は法的にアリなのか

【ママからのご相談】
東京都内で認可の保育園に子どもを預けている母です。保育士に対する不満と相談なのですが、私の子どもを含め、園児に対する叱り方が怒鳴るような感じで保護者の前でも関係ありません。そのため子どもが保育園に行くのを嫌がるようになってしまいました。園長に抗議をしたのですが、聞く耳を持たず、退園させられそうになっています。このような理由で退園させることはできるのでしょうか?

a 特別な理由がない限り、児童の強制退園はできません。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の篠田恵里香です。

保育園側の態度は本当に許せませんね。今回のケース、保育園側の退園強制は違法となる可能性が高いです。また、保育士の叱り方があまりに不合理な場合は、この行為も違法となる可能性があります。

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保育園の義務と保護者の権利

児童福祉法第24条は、『市町村は……その監護すべき乳児、幼児又は……児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない』と定めています。

これは、保育園側の『児童保育義務』を定めるとともに、保護者に対し、『入所後の継続的な保育の実施を要請する法的権利』を保障したものと解されています。市町村が直接設置する保育所はもちろん、市町村の委譲を受けて保育を行う社会福祉法人なども同様の義務を負うものとされています。

したがって、児童が退園するのは、あくまで、“保護者が仕事を辞めた等の理由で保育の必要性が無くなった”場合か、“保護者から自主的に退園を申し出た”場合に限られるというのが法律の建前です。

児童の強制退園はできない

なお、保護者が保育料を滞納していた場合であっても、これを理由に、その児童を強制退園させることはできないとされています。滞納の場合に強制退所させる旨を規則で定めたり、保護者に誓約書を出させたりするケースもあるようですが、法的には、そのような保育所の主張は通りません。

退所を勧告されてもこれに応じる必要はありませんし、執拗に退去を迫られたり、強制退去をさせられた場合は、保育所に通わせるよう求めたり、損害賠償を請求することも可能です。

この場合の請求は、“国家賠償請求”と考えられており、国や地方公共団体に対して請求することになります。過去には、“市が公立保育所を一方的に廃止した事例”について、保護者の保育所選択の権利を侵害するとして、損害賠償を認めた裁判例があります。

お子さんを一番に考えて!

保育士の行為が、通常の指導を超えて、暴言・冒とく、虐待というレベルに至っているのであれば、保育士の行為は違法として、その保育士や国・地方公共団体に対して、損害賠償請求をする余地が出てきます。ただ、損害賠償を請求することよりも、お子さんが1日でも早く、少しでも楽しく保育園に通えるようになることが一番大切です。もう一度保育園側にしっかりと相談をすることが近道かもしれませんね。

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●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)

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