親にも責任アリ? “いじめられやすい子ども”の特徴と対策

【ママからのご相談】
この春から中学生になる息子は、遺伝性の身体的ハンディキャップを持って生まれてきたため運動が苦手です。

学年の全員リレーで息子のせいでチームが負けたときには、同級生の男子から酷い罵声を浴びせられたり、力が弱いと思って気に入っていたゲームのカードを巻き上げられたり、さんざん嫌な思いをしてきました。

この世からいじめがなくなることはないと思っており、中学校に上がるのが不安です。

日頃の心がけや努力によって、“いじめられやすい子ども”の状態から脱することは可能でしょうか。そのための方法があればぜひ教えてください。

a “いじめられやすい子ども”から脱する道しるべはある

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

ご相談者さまがおっしゃるように、人間社会からいじめを根絶することは不可能であり、大人の世界でもいじめに類する行為は起きています。

私自身も昔は“いじめられやすい子ども”でしたが、自分だけが攻撃されることに対して怒りがこみ上げてきたことがきっかけで、“ただではいじめられない子”への変貌を遂げることができました。

どんな子どもにも当てはまるわけではありませんが、いじめられやすい状態から脱していくための道しるべはあります。

長年にわたっていじめの問題と向き合ってきた小児科医師に伺った話をまじえながら、解説させていただきます。

いじめられやすい子どもの特徴4つ

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いじめられやすい子どもには、共通する特徴があることが多いようです。これらを避けることで、周りのいじめっ子から目を付けられることは減ると言えるでしょう。

(1)気の弱い子

大人しく、嫌なことをされてもイヤだと言い返すことのできない子は、いじめのターゲットとなりやすいです。

何も言わずに黙っていると無視されたと思われ反感を買いますし、へらへらと笑ってごまかすと「こいつは逆らわない」「何をやってもいいんだ」と思われて余計にエスカレートすることになります

相手が嫌がっていると思わないままいじめている、という可能性もあるでしょう。

(2)目立つ子

いじめは、人と違うことに対して興味を持たれることから始まることが多いです。

それが良いことでも悪いことでも、“普通”と離れた特徴を持つことが好奇心を持たせることになり、いじめを引き起こしてしまいます。

地味すぎても派手すぎてもいけません。

痩せすぎていたり太りすぎていたりすることも、人と違うということでからかいやすさがあるため、ターゲットとなりやすいでしょう。

また、見た目だけでなく、リーダーシップを発揮する子や頭がいい子、スポーツ万能な子も、妬みの対象となりいじめられる可能性があります。

できない子たちからすると、見下されていると感じるようです。

(3)真面目すぎる子

人から言われたことを真に受けすぎることで、いじめへとつながることがあります。軽い気持ちで言われたことを重く受け止めてしまい、次第にネガティブな気持ちに……。

冗談が通じないと思われると「空気が読めないやつ」という判断をされてしまいますし、暗い態度はいじめる子にとっては格好の餌食となるでしょう。

我慢強く、親に心配をかけたくないという気持ちから、周りの人に気付いてもらいにくいという特徴もあります。

(4)みんなと同じことができない子

みんなが当たり前のようにできることでも、うまくできずにミスをしてしまう子がいます。

これが一度だけならいいですが、何度も続くようだと周りの足を引っ張ることになってしまい、「あいつのせいで授業が遅れる」などの反感を持たれてしまうようです。

“ミス”という分かりやすい結果があることで、からかいやすく集団から目を付けられるうえに味方が現れにくいという傾向があります。

親の育て方によっていじめられやすい子どもになることも

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いじめの一番の原因となるのは、“人と違うこと”です。

過干渉な親に育てられた子どもは、自分のことを自分でできなくなり、学校で浮いた存在になります。

しつけに関しても最低限のことすらできていないと、批判の的になってしまうでしょう。

また、子どもを褒めることがなく、否定し続けるような子育てもいじめられやすい子どもになってしまう原因のひとつ。

子どもが自分に自信を持てなくなり、次第に自己主張をすることができなくなってきます。

嫌なことがあっても抵抗することができず、うじうじとした態度はいじめをエスカレートさせることにつながります。

さらに、近年は共働きの家庭が増え、子どもとのコミュニケーションが不足する家庭も少なくありません。

早い段階で対処できていれば大事には至らなかったという場合でも、子どもが親に相談することができず最後には命を落とすということも珍しくありません。

医師によると、『文部科学省の定義によれば、いじめとは「子どもが一定の人間関係のある者から心理的・物理的攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」であり、「いじめか否かの判断は、いじめられた子どもの立場に立って行うこと」としています。

わが国のいじめの特徴として、「いじめに遭遇した際に“傍観者”の割合が多く、“通報者”“仲裁者”が少ない」といった傾向が見られることがわかっています。「やめて」と言えなさそうな子が狙われてしまいがちなわが国においては、被害者の保護者が心情を察知して、被害者と一緒になっていじめと闘う姿勢が求められていると思います』(小児科医師)とのことです。

親は子どもに、どんなときでも一番の味方であることを伝えておく必要があります。

いじめられている子どもが発するサイン

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最初は親との会話が減り、部屋に閉じこもるようになったり、学校の話題を避けたりするようになります。

朝起きてくるのが遅くなったり、体調不良を訴えることが増えたりすればいじめを受けている可能性があるでしょう。

ストレスから家では怒りっぽくなり、攻撃的な態度も見せるようになります

いじめがエスカレートしてくると、服や持ち物に原因不明の汚れが見受けられたり、怪我をして帰ってきたりすることも。

親にお金を要求するようなことがあれば、学校でいじめられている相手から金銭を要求されている可能性もあるでしょう。

いじめられやすい子どもから脱するための対策6つ

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(1)体を鍛える

うじうじした自信のない態度を変えるためには、体を鍛えてみるのがおすすめ。特に空手や柔道などの格闘技は、肉体的な成長だけでなく精神的な強さをもたらしてくれます。

精神的に強くなることで、それが態度にも表れ堂々とした振る舞いができるようになるでしょう。

自信を持ち、自分の中に芯となるものができれば、いじめてくる相手に対しても強い態度で接することができるようになります。

(2)学校の先生に相談する

問題が起きているのが学校であれば、まずは担任の先生に相談します。子どもの事情を話し、注意深く見てもらうようにすることで保護者の不安も和らぐはずです。

学校側がいじめに気付いておらず、中途半端な対応をされるということもあるので、そのときは保護者が強い態度で対応を求めましょう。

子どもに対しても、「何かあったらまずは先生に相談する」ということを伝えておいてください。先生や学校は味方なのだと伝えることで、子どもも安心して通うことができるはずです。

根本的な解決にはならないかもしれませんが、学年が変わる際のクラス替えで違うクラスにしてもらうなどの配慮をしてもらえることもあります。

(3)クラスの中心人物に助けを求める

子ども同士の問題では、親が出て行くことで余計に関係が悪化するということもあります。そこでキーとなるのが、クラスの中心的な存在の生徒。

その子に、「何かあったときには自分の子どもを守ってほしい」ということを伝えるのです。

子ども相手のお願いだと思わず、大人に接するような態度で頼めば正義感を持って対応してくれるはず。

とはいえ、どんなにクラスの中心的な存在だとしても、相手は子どもです。中には本気で「いじめられていると思わなかった」ということもあるでしょう。

そんなときは「いじめられている本人がいじめられていると感じればそれはいじめなのだ」ということをしっかりと理解してもらうことが必要です。

その子の一言でいじめがあっさりとなくなってしまう、ということは十分にありえます。

ただし、「親に言いつけて泣きついた」ということになりいじめが悪化してしまわないよう、頼む生徒選びは慎重に行うようにしましょう。

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(4)子どもを転校させる

いじめを行う子には、何を言っても通じないということもあります。さらに、そのような子の親も、話が通じないということも少なくありません。

そんなときは思い切って子どもを転校させてしまうのもひとつの方法です。子どものいじめられやすさは環境による部分もあります。

子どもを守るために手段を選ぶ必要はありません。取り返しのつかない事態となってからでは遅いのです。

仮に転校することが難しかったとしても、親が子どもに対して「あなたを守るためならなんでもする」「私たちはあなたの一番の味方だ」という姿勢をみせることで、守られていると感じ安心させることができます。

(5)“その場で抵抗”“その場で反撃”を心がける

集団の中の1割は“いじめる者”で、8割は“見物人”です。

残りの1割の子たちは、「そこまですることはないじゃないか」という真っ当な感覚を持っているはず。

その子たちの励ましを背に、「俺はお前のことを何一つ攻撃していないのに、なぜお前は俺をこんなに痛めつけるのか」といじめの中心となっている人物に迫りましょう

その光景を見ていた人たちはシーンとなり、それまでいじめられていた子は状況を変えるはず。

私は理不尽な闘いを制し、高学年になると勉強や議論で人に負けなくなっていったため、“いじめられやすい子ども”の状態は気がついたら自然に脱していました

(6)保護者が抵抗の後押しをすることも必要

こちらは医師の言葉です。

『いじめる者に対して、後からネットやスマホなどを使って情報を拡散し復讐することは、それはそれで卑劣な行為といえます。抵抗や反撃はその場で堂々とするべきです。

小2の男の子でこういう例があります。男の子には、ご相談者さまの息子さんと同じように生まれつきのハンディキャップがあり、運動能力が他の子たちより劣っていました。ある日、男の子の父親は自分の子が同じ学校に通う男子から頭部に回し蹴りを受けている様子を目撃しました。

父親は、「息子には自分で抗議・反撃することは無理だ」と判断し、回し蹴りをした男子本人を捕まえ息子に謝罪させました。自分ひとりでは抵抗できなかった男の子も父親の後押しがあったので勇気が湧き、「もう理由もなく俺のことを蹴らないでくれよ」と言葉で訴えることができました

奥の方では回し蹴りをした男子の母親がこちらを見ていたようですが、蹴られた男の子の父親は蹴った男子の母親ではなく本人に抗議しました。小学生ならもうその程度の善悪の判断はつくし、親よりも他人の大人が注意する必要があると考えたからです。

“いじめられやすい子ども”が自分で闘うことがまだうまくできない場合には、こうして保護者が一緒に闘ってやることは有効かつ重要と考えます』(前出・小児科医師)

誰にでもいじめに妨害されることなく平穏に教育を受ける権利がある

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医師はこう言います。

『長年いじめの問題と向き合ってきた小児科医師として言うなら、保護者も、先生も、学校も、私たち医師も、いじめに関して「やれることは全てやってきた」と思います。

足りないものがあるとすれば、抵抗できなさそうな子どもへのいじめに対して、子どもと一緒になって闘おうという保護者の“愛情に裏打ちされた闘争心”と、“それを許容する学校側の姿勢”ではないかと思います』(前出・小児科医師)

どんな子どもにも、いじめに妨害されることなく平穏な環境で落ち着いて教育を受ける権利があります。

保護者は学校であったことを毎日子どもに確認し、腑に落ちない点があれば聞き出して、一緒になっていじめと闘う姿勢が必要ではないでしょうか。

まとめ

「いじめられやすい子どもの特徴」や「子どもが出すサイン」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

いじめる方が100%悪いということに異論はありません。

しかし、いじめられる子どもや親の立場からでも、いじめに対して行動できることもあるはずです。特に、小学校など小さな子ども同士では、悪いことという意識のないままいじめを行っていることもあります。

勇気を出して行動することで、その後の学校生活を大きく変えることもできるのではないでしょうか。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
●追記/パピマミ編集部

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