34週が分岐点!? “早産”の兆候や原因と胎児におよぼすリスク

【ママからのご相談】
現在妊娠30週です。妊娠は順調だと思っているのですが、早産について知っておきたいです。早産について教えてください。

早産とは

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『早産』とは、妊娠22週から37週未満までに出産することを言います。

早産となる確率は、全出産の内で約5%と、決してまれなことではありません。

ですが、早産児は正期産児と比べ合併症のリスクが高い傾向にあるので注意が必要です。

早産の割合とその後の生存率について

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総分娩数に占める早産の割合

日本では全出産のうち、5.7%が妊娠37週未満の早産という統計があるようです。

約6%が早産経験者であり、割合からすると一見少ないようにも見えますが、決して他人事ではなく母体や赤ちゃんにもリスクが発生する可能性があります。

最近では医療の発達により早産で生まれても元気に育つことが多いようです。

しかし、万が一のときのためにも早産に関する基礎知識は誰もが持っておいた方が良さそうです。

早産のときの生存率

早産のときの生存率は、在胎週数や体重、生まれたときの状態や持っている病気によって異なってくるよるようです。

>在胎週数との関係

・【22週】生存率30〜40%
・【23週】生存率50%
・【24週】生存率80%
・【25週】生存率85%
・【26週】生存率90%
・【27週】生存率90%以上
・【28週以降】生存率95%以上

>体重との関係

・【500g以下】生存率50%
・【501〜750g】生存率78.9%
・【751〜1,000g】生存率96.6%
・【1,001〜1,250g】生存率95.9%
・【1,251〜1,500g】生存率96.8%


ここで大切なのは体重よりも『在胎週数』と言われています。

体重が大きくなっていても、在胎週数によって各器官の発達や機能は異なってきます。

そのため、切迫早産になった場合はお腹の中で1日も長く在胎させようという処置が行なわれるようです。

高齢出産と早産の関係

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みなさんご存じでしょうが、高齢出産は年々増加しています。

高齢であること自体は早産のリスクとはなりませんが、高齢であることでさまざまな妊娠合併症(妊娠高血圧症候群や常位胎盤早期剥離など)を起こしやすくなります。

そのため、結果的に高齢出産では早産が多くなっているという現状があります。

早産の原因

前置胎盤

妊娠後期に起こりやすい症状の一つとして『前置胎盤』があります。

胎盤が子宮口をふさいでいる状態のことを言い、頻度としては全分娩の0.3〜0.6%と言われています。

胎盤が赤ちゃんよりも子宮の出口付近に位置しているため、ほぼ100%の確率で帝王切開が行なわれます。

お母さん・赤ちゃんにとっても危険性の高いハイリスク妊娠であり、人工的な早産になりやすいようです。

胎児機能不全

何らかの原因で赤ちゃんが低酸素状態に陥り、臓器の機能が低下することで赤ちゃんの元気がなくなってくる状態のことを言います。

お母さん・赤ちゃんの命のため、人工的に早産にさせるケースもあるようです。

その他

このほか、妊娠高血圧症候群や常位胎盤早期剥離といった疾患が関係することもあれば、絨毛膜羊膜炎といった感染症によって早産を余儀なくされることもあります。

また、喫煙やストレス、やせといった生活習慣が早産につながることもありますし、多胎妊娠では早産が多く、双子の場合約半数が早産となってしまいます。

それ以外にも、現在では虫歯や歯周病が早産のリスクとなることも知られており、妊娠中は歯科の受診も重要です。

早産の原因のひとつ『子宮頸管無力症』とは

子宮頚管というのは、子宮の出口にあたる部分で、お産のときに赤ちゃんの通り道となる産道のこと。

赤ちゃんがお腹の中で十分に大きくなるまでは、しっかり閉じて赤ちゃんを支えています。

そして、この出口は分娩時の陣痛で子宮が強く収縮することによって開きます。

ところが、妊娠中期以降に陣痛でもないのに、無力になりゆるんでしまい子宮口が開き始めてしまう場合があります。

これを『子宮頚管無力症』と言い、切迫流産や切迫早産を引き起こしてしまいます。

原因

原因としては、体質的に子宮頸部が弱いことが考えられます。

または、前回の妊娠で裂傷している、過去に子宮頚管の手術をしたことがある、といったことも原因になりえるようです。

一度妊娠中に子宮頚管無力症を経験すると、次の妊娠でも起こりやすいと言われているので、早めの対策が必要になってくるようです。

治療法

治療は、『シロッカー手術』や『マクドナルド手術』という子宮頚管縫縮術が行なわれます。

いずれも子宮頚管を糸やテープで縫い縮める方法。

以前の妊娠で子宮頚管無力症と診断されたことがある妊婦さんは、妊娠初期~中期の早い時期に手術を行うことで、切迫流産や切迫早産を防ぎます。

その後は、臨月に入り、赤ちゃんの発育が順調で出産予定日が近づくと抜糸を行ないます。抜糸後は早ければ当日、遅くとも数日以内には出産になることがほとんどのようです。

予防的手術を行なうことで、子宮頚管無力症でも2人目の元気な赤ちゃんを産んでいる方はたくさんいます!

安静期間も長期になる可能性もあるため医師やパートナーと予め相談しておくことをおすすめします。

早産によるリスクや胎児の合併症について

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赤ちゃんへのリスクや後遺症

早産で生まれてしまうと、お腹の中で成長するための時間が短くなってしまうため、低出生体重児として生まれることが多くなります。

以下、妊娠週数でご紹介していきます。

>妊娠22週〜28週未満の場合

胎児の目の形成は22週ごろから始まり、およそ28週までに完了すると考えられています。

そのため28週未満で生まれた場合、網膜の発達が完了していないために網膜剥離で失明の危険性もある『未熟児網膜症』の発症率が高くなると言われています。

また、脳の発達も完了していないため『脳性マヒ』や、『精神発達遅滞』、また未熟な肺をカバーするために人工呼吸器が必要になる場合もあります。

>妊娠28週~36週未満の場合

妊娠28週を過ぎるころには器官の成長はほぼ完了し、早産の赤ちゃんへのリスクは減少すると言われています。

しかし、肺の形成は遅く、最後まで発達を続ける部位でもあるため、妊娠34週未満で生まれると自分の力で呼吸できず、人工呼吸器が必要になることも。

34週を過ぎるとほとんどの臓器が完成するので、正期産の赤ちゃんとほぼ変わらない状態といえます。

とは言え、新生児集中治療室(NICU)での管理が必要になるようです。


その他、肺が未発達のまま生まれてしまうことによって起こる、『新生児一過性多呼吸』や『新生児慢性肺疾患』などがあげられます。

また、『壊死性腸炎』『脳室内出血』などの病気になる可能性も。病気が重篤化すると、心臓や脳、目などに障がいが残るリスクもあります。

さらに、ADHD(注意欠如・多動性障害)などの発達障害の発症率も高いと言われているようです。

低体重によるリスク

赤ちゃんの体重も大きく関わってきます。

在胎週数35~37週未満の低体重児は、発達も成長予後も正期産児とほとんど変わらないと考えられています。

しかし、1,500g以下の場合はさまざまな機能が未熟であるため、合併症を引き起こす可能性が高くなってしまいます

・生後数日の間に新生児仮死
・呼吸窮迫
・低血糖

また、生後数週間のうちに、慢性肺疾患、無呼吸発作、貧血、黄疸などが起こることも考えられるようです。

免疫機能も弱いため、感染症にも十分な注意が必要です。

お母さんへのリスク

早産の場合は、設備が整った医療器官での出産が必要になります。そのため、受け入れ先がなかなか見つからないケースもあるようです。

搬送先探しに時間がかかってお産が進行していると、

・常位胎盤早期剥離等の症状に伴う大量出血
・脳出血
・羊水塞栓症

などを起こすリスクがあります。

基本的には通常の出産と変わりないようですが、万が一のときのための準備が母体を守るためにも必要になってきそうですね。

目安は34週

早産児、特に34週未満の児は死亡率も高く、生存しても脳性麻痺や脳内出血など重い後遺症を残すことがあります。

この34週という分岐点ですが、赤ちゃんが自分で呼吸できるかどうかがポイントになっています。

赤ちゃんが自分で呼吸できるようになるためには肺サーファクタントという物質が必要になります。

その物質が赤ちゃんの中で充分量に達するのが妊娠約34週なのです。そのため、34週まで妊娠を継続できるかどうかはとても重要なことなのです。

知っておきたい早産の兆候

早産の兆候として、以下の症状があらわれるようです。

・お腹の張り
・お腹の痛み
・出血
・破水

など。妊婦健診で早産となる前に症状が発見されるケースも多いようです。

そのため、「一回ぐらいサボっても平気でしょ!?」と無責任に考えず、必ず定期的に妊婦健診は受診しましょう。

また、子宮の収縮がある場合は、切迫早産の可能性もあります。

妊娠後期に入るとお腹が張ることも増えますが、その張りに痛みが伴い、等間隔で痛みがやってくるような場合は、陣痛を引き起こしている可能性もあります。

早産になることを防ぐためにも、急いで病院へいきましょう。

早産にならないための注意ポイント

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早産を完璧に予防するための直接的な方法はないようですが、日頃ちょっと注意するだけで回避できる場合もあります。

栄養バランスの整った食事を心がける
・適度な運動はしつつも、体の動かしすぎ・働きすぎは控える
・体を冷やさないようにする
・お腹に力の入ることは避ける(重いものを持ち上げない)
・子宮が収縮しやすくなるため、長時間の立ちっぱなしは避ける
・車の運転をするときは30~1時間で休憩をとる

・『車で片道40分ほどかけて実家へ行ったり来たりを続けてました。すると35週で出血があり入院に。

なんとか38週まで持ちこたえましたが、今ではあの車移動を反省しています……。外出は気分転換で散歩する程度をオススメします!』

早産の危険が迫る『切迫早産』の主な原因

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早産を知るにあたり、『切迫早産』というキーワードも知っておいたほうがよいでしょう。

『切迫早産』とは早産の危険が迫っている状態を言います。その原因の多くは絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)という感染症です。

切迫早産の主な症状としては腹痛や性器出血、破水などがみられます。

その場合、治療によって妊娠を継続するか、時には帝王切開などによる分娩を行うかの判断が必要になります。

切迫早産の症状がみられた場合は、早期にかかりつけのお医者さんを受診しましょう。

人間は生理的早産!?

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スイスの生物学者であるポルトマン氏は、人間は動物学的観点から見たとき、他の哺乳類に比べてすべて約1年早く生まれるとし人間の誕生時の状態を『生理的早産』と提唱しています。

よく考えてみると、馬の赤ちゃんは生まれた直後から自分の足で立ちだします。

自ら立つことができなければ、馬として生きていくことができないため。

一方、同じ大型動物である人間は、早い子でも生後10か月ぐらいからようやく一人歩きが始まります。

生まれたばかりでは自分の体も思うように動かすことはできず、食事、排泄など生きていくための基本的な部分は一人ではできません。

その大きな違いに、人は二足歩行を獲得したことが考えられるようです。

直立歩行による骨盤の矮小化によって、胎児の身体的成長に限界が生じたため、本来21か月で誕生すべきところ大脳の発達を優先させて10か月で誕生するに至ったようです。

これに因んで、人間の誕生は『生理的早産』と呼ばれるようです。

まとめ

「早産の割合」や「子宮頸管無力症」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

早産の割合は、全体の6%と多いわけではないようです。しかし、大切な成長過程にある時期だからこそ週数や体重によってはその後の成長に大きな影響を及ぼしかねません。

また、早産の原因としてストレスも関係してくるようです。旦那さんのサポートはもちろん、家族による助けも大切になってきそうですね。

決して他人事と思わず、兆候が見られた場合は早めに受診し適切な処置を行なってもらいましょう!

●ライター/ひでくらてす(スチューデントドクター)
●追記/パピマミ編集部

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