「ヤングケアラー」の抱える問題点とは

こんにちは、フードアナリストの鍋谷萌子です。

肉体的、精神的な病気や障がいを抱える家族の介護を行う、成人以下の若い世代が『ヤングケアラー』と呼ばれています。イギリスを中心に実態調査が行われているのですが、日本ではまだまだ理解が進んでいません。

このヤングケアラーが抱える問題というのは、いったいどういうところにあるのでしょうか。

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絶対的な時間の不足

2004年にイギリスで出されたデータでは、50%が週に10時間以下の介護を、33%は11時間から20時間の介護を、そして16%は週に20時間以上の介護を担当していたとしています。

1995年、1997年、2003年に行われた調査では、『介護のために学校を休んだり、学業に支障をきたす児童は年々減少傾向にある』とはしているものの、これは大きな問題になっています。

さらに、“期間”の問題も出てきます。介護というのは、終わりの見えない問題です。

特に、ヤングケアラーが介護する相手は多くが自分の母親であり、ヤングケアラーが“若い世代”である以上、その母親も高齢者ではないケースが多いと考えられ、結果的に、高齢者の介護よりもさらに長い介護期間が必要となるケースが大半であると考えられます。「人生の4分の1以上の期間で介護に当たってきた」と答える児童は65%を超えています。

行政の手が入らないという問題

比較的研究が進んでいるイギリスであっても、サポートを何も受けていないと答える家庭は20%にも上ります。行政の手が入らず、サポートが制度化していない日本においては支援はおろか、ヤングケアラーという存在があること自体も把握されていないケースがほとんどです。

そのためヤングケアラーが孤立化し、悩んでいるという現状があります。

ヤングケアラーの抱える難しさ

“家族で助け合う”というのは、確かに素晴らしいことです。心の底から自分を愛し慈しんでくれた家族を、自らの手で介護したい、家族として助けたいと考える若い人たちの考え方は、喜ばしいものです。

しかし、ヤングケアラーとして介護が“日常の業務”になってしまうとき、そこにはとても大きな問題点があります。

これはヤングケアラーに限らず、在宅介護においても起きうることですが、“介護をする人間が1人いるのだから、行政サポートや有償の介護支援を受ける必要はない”と考える環境が出来てしまう、という問題です。

こうなると、本来受けるべき支援を受けることができず、介護者はますます追い込まれていきます。さらに、専門的な知識を持たない人の介護というのは時として、被介護者の肉体的、精神的にダメージを負わせてしまいます。

【参考リンク】
「ヤングケアラーの存在」〜見えてくる課題〜 | 一般社団法人 日本ケアラー連盟(PDF)

●ライター/鍋谷萌子(フードアナリスト)

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