稼ぐほどソンする!? 妻が夫の扶養内で働くための知識と新制度まとめ

【ママからのご相談】
子どもが幼稚園に入園したので、パートに出ようかと考えています。扶養内で働きたいと思っているのですが、103万円しか稼いではいけないのでしょうか?

年収○万円の壁とは

主婦の方がパートなどで仕事をする場合、そのときの給料は“給与所得”となり、所得税や住民税がかかることがあります。

この税金は所得の金額によって変わるため、年収によっては損したり得したりすることがあるのです。

また、一定の年収を超えると夫の扶養から外れるため、健康保険や年金などの負担がぐっと高くなることもあります。

これを知らないと、「たくさん働いたはずなのに年収が増えていない」ということにもなりかねないため、自分の年収がいくらになるのか気にしながら働く人が多いのです。

(1)年収100万円の壁

年収が100万円を超えると、住民税を払う必要がでてきます。

100万円までであれば、年収が増えた分だけそのまま世帯年収がアップすることになります。

(2)年収103万円の壁

年収が103万円を超えると、所得税を払う必要が出てきます。

所得税は、年収から基礎控除38万円と給与所得控除65万円を引いた残りの金額に対して課税されるため、38+65=103万円の壁と言われるのです。

年収が103万円以下であれば扶養の範囲内となり、主婦の場合には夫が配偶者控除を受けられ、16歳以上の学生の場合には親が扶養控除を受けられ、それぞれ所得税が減額されることになります。

所得税の課税対象となっても税額はそれほど大きくありませんが、扶養から外れることで夫の勤務先からの扶養家族手当などが削減されるなど二次的な影響もあるため、自分だけの収入だけでなく世帯全体の収入を意識して調節する必要があります。

(3)年収130万円の壁

この壁を越えると、自らの負担額が一気に上がってしまうことに……。

夫が厚生年金加入の第2号被保険者だった場合、年収130万円以下の配偶者のことを第3号被保険者といいます。

第3号被保険者は、自分で国民年金を負担することなく基礎年金受給資格が得られますが、年収が130万円を超えると第3号被保険者ではなくなり扶養から外れてしまいます。

勤務先で社会保険に加入できる場合は加入することになりますが、それができない場合は自分で国民年金と国民健康保険に加入しなければなりません

(4)年収141万円の壁

年収が103万円を超えると夫が配偶者控除を受けられなくなってしまいますが、一気にゼロになってしまうわけではなく、段階的な控除が受けられる配偶者特別控除というものに変わります。

これは配偶者の年収が103万円超から141万円未満の人が該当し、年収が増えるほど控除額は減少して夫の所得税負担が増えることとなります。

141万円のときに控除額が0円になるということです。

なお、この配偶者特別控除を受けるためには、所得金額が1,000万円以下でなければならないという条件があります。

(5)年収160万円の壁

これは具体的な制度上の境目があるわけではなく、税金や保険などの負担が大きくなったとしても再び手取り収入が上向きになっていくと言われている金額のことです。

いわゆる“働き損”をしなくなる壁と言えるでしょう。

2017年に配偶者控除が廃止され夫婦控除が創設?

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現在、配偶者控除が2017年の廃止に向けて見直されており、新たに夫婦控除という制度が作られようとしています。

配偶者控除の対象となる所得を制限するために、仕事を抑える女性も多い現在の制度。

女性の社会進出にともない増えてきた、共働き世帯へ配慮するという思惑があるようです。

配偶者控除が廃止されるだけでは、単純に夫の増税ということになってしまいますが、それを補うべく夫婦控除という新制度の創設が検討されています。

どのような制度になるかはまだ分かっていませんが、新制度の案として有力なのは、基礎控除を夫婦で分け合うことができる制度と言われています。

これは夫婦の一方の所得が少ない場合に、その人が受けるはずだった控除額をもう一方の配偶者の所得から控除することができるというもので、夫婦の収入に対して控除が行われます。

現行制度と新制度案それぞれの効率的な働き方

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現行制度での効率的な働き方

今の制度では、年収130万円を超えると税金だけでなく“社会保険の扶養”からも外れてしまい、一気に負担額が上がってしまいます。

夫が勤務先から扶養家族手当てなどを受け取っている場合には、その金額も減ってしまうことになるでしょう。

そのため、まず気にしなければならない収入は、この130万円の壁ということになります。

ただし、妻の勤務先で社会保険への加入が可能であればこの限りではありません。

将来受け取れる年金が増えますし、傷病手当金などの保障が充実しているなどメリットも大きいと言えるでしょう。

その後、160万円を超えるぐらいから再び手取り額が上昇していくため、130万円で抑えるか、160万円を超える働き方をするかの選択を迫られることになります。

新制度案での変化

まだはっきりしたことは決まっていませんが、現時点での案が採用されるとすると、夫婦の所得から一定額が控除されるということになるため、妻の働く時間をセーブするという必要がなくなります

世帯全体で見たときの負担がどれほどになるかは不透明ですが、「働きたいのに働けない」ということがなくなり、女性の社会進出が一層加速すると思われます。

まとめ

「年収による壁」や「配偶者控除の廃止」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

負担額で損をしないために仕事量を抑える人がいるというのはあまり望ましい形とは言えず、収入の違いによって「働かない方が得だった」ということになるのは避けたいものですよね。

制度上の壁というものは存在しますが、具体的にどの程度負担が増すのかはそれぞれの家庭によって違いがあります。

仕事はお金だけでなく、やりがいを感じるためにやるものと考える人もいるでしょう。

働く人たちが、気持ちよく社会に出て行ける制度を期待したいものですね。

【関連コラム】
超えたら働き損? パート主婦を脅かす“130万円の壁”の基礎知識

●ライター/常磐麗奈(ファイナンシャルプランナー)
●追記/パピマミ編集部

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