最期をどう迎える? 終末期医療の意味と考え方

【女性からのご相談】
父母が80代になり、平均寿命に近づいてきました。いろいろと病気も患い、そろそろ覚悟をしなければいけない年代になってきたと感じます。両親に“最期”を安らかに過ごしてもらうために、どのような医療を受けたらよいのでしょうか。

a 終末期医療、その意味と理念、使い方を知りましょう。

こんにちは、福祉系ライターの鍋谷萌子です。

人は誰もが生まれ、そして、死んでいくものです。ただ、この“死”をどう迎えるか、というのは大きな問題です。ここでは、実際に看護・福祉に長く携わる家族を持つ私が取材を基に、『終末期医療』について述べていきます。

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終末期医療とはいったいどういうものか

医療というのは、基本的には“病気を克服すること”を目的としています。

しかしながら、末期がんなどを患った場合、必ずしも“病気の克服”ができるわけではありません。そんな人たちのために立ち上げられた概念が、『終末期医療』です。

ターミナルケアとも呼ばれるこれは、『延命などを主たる目的とはせず、苦痛の緩和を目的として、死を迎えるそのときまで安らかに生きていけるために行う医療』と位置付けられています。この概念は、19世紀前半から現れ始めたものであり、1899年には、イギリスにおいて、初めて“末期がん患者のための終末ケア施設”が作られました。

1940年代から出始めた、『QOL(quality of life/人生の質。どれだけ満足のある生活を営めるか、というもの)』の考え方と、この『終末期医療』の考え方は非常によくマッチし、徐々に注目されていきました。

終末期医療に望めること

終末期医療においては、主に以下のようなことが重要視されます。

・延命治療の拒否
・苦痛の緩和対策

日本においては、“積極的に安楽死すること”は認められていません。つまり、「闘病が苦痛だから、今すぐに毒を流して殺してほしい」のようなことはできないのです。しかし、「この薬を使えば3か月ほど延命できる可能性がある」というようなものがあったとき、その薬の使用を拒絶することはできます。

苦痛緩和については、モルヒネなどの強い痛みどめの処方、そして、“鎮静”などの対策が取られます。鎮静というのは、患者の意識を薄くすることにより、痛みを知覚しにくくさせる、というものです。

また、このような肉体的な苦痛の緩和だけでなく、「死へと向かうこと」の恐怖心を取り除くための、精神的ケアも行われます。

終末期医療の形と意味

終末期医療は、必ずしも隔離された空間で行われるわけではありません。病院の、あるいは自宅であってもこの考え方は適用されています。

終末期医療は、患者さんだけのためにあるものではありません。遺される家族がどのようにその死を受け止め、どのように弔い、そしてその後どのように生きていくか、ということを考える上でも非常に重要です。

もちろん、最後のときまで病気と闘い、打ち勝とうとすることも1つの回答です。ただ、死までに残された時間、痛みなく穏やかに家族と過ごすことを、終末期医療は時に可能にしてくれます。

どちらかが優れているというわけではなく、“どのように生きて、どのように死ぬか”ということを考える上で、終末期医療は1つの選択肢になっている、と言えます。

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●ライター/鍋谷萌子(フードアナリスト)

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