耳掃除は不要!? 意外と知らない「耳垢」の役割3つ

【ママからのご相談】
先日、子どもの耳掃除をしていると、夫に、「耳かきってそんなに毎度しなくてもいいんじゃないの?」と言われました。

私は毎日、お風呂上がりに綿棒で掃除をしないと気持ち悪いのですが、言われてみれば夫はごくごくたまにする程度。本当はどちらがいいのでしょうか?

a 気持ちがいいからと奥まで掃除するのはNG!

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

耳掃除は、使う道具が“耳かき派”や“綿棒派”に分かれたり、掃除を“毎日必ずやる”方や“数週間に1度程度しかやらない”方など、人によってさまざまですよね。

耳垢ってそもそも何なの? と疑問に思われている方もいらっしゃれば、気にしたこともない方もいらっしゃると思いますが、実は耳垢にもちゃんと役割があります。

今日はその辺りから耳掃除の正しい方法までをご紹介します。

耳垢って何?

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耳アカとか耳クソと呼ばれていますが、『耳垢(じこう)』というのが正式名称です。

耳垢とは、新陳代謝によってはがれ落ちた“耳の穴の皮膚”や、外から入ってきた“ホコリ”、耳の入り口から鼓膜までの間の部分にある耳垢腺(じこうせん)から分泌される“分泌液”が混ざった物です。

ちなみに耳垢腺とは、汗を分泌する汗腺の一種です。

また、耳垢には、“乾燥してカサカサするタイプ”と“ねっとりと粘性のあるタイプ”があり、日本人は“カサカサしているタイプ”が多いと言われています。

耳垢の主な役割3つ

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ただ汚いだけの物だと思われがちな耳垢ですが、実はちゃんと役割があるのです。

・1……酸性で細菌や真菌の発生を抑える
・2……たんぱく分解酵素を含み、殺菌作用がある
・3……含まれている脂肪によって、皮膚の乾燥を防ぎ表面を保護する

このように、耳垢には耳の健康を保つための機能が多くあり、なくてはならないものです。

人種によって“耳垢”のタイプ割合が違う!?

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上でも触れられていますが、耳垢には、大きく分けて“乾いているタイプ”と“湿っているタイプ”の2種類があります。

日本人は、湿性耳垢の人の割合が約15%前後と言われているため、“乾いているタイプ”の方が多いですが、実は人種によってこの割合は違います。

たとえば、黒人や白人の9割以上の人が湿性耳垢だとされています。

また、日本のお隣である韓国や中国の人は湿性耳垢の割合が約5%前後で、モンゴルでは全ての人が乾性耳垢です。

基本的に乾性耳垢はアジア圏の人種に多いようです。

耳垢の種類5タイプ

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これまで乾性と湿性の2つで紹介してきた耳垢ですが、実はそこから細分化すると5タイプの耳垢があると言われています。

乾性耳垢の場合だと、耳垢が乾いて粉になっている粉状のタイプと、日焼けした後の皮膚のような薄い膜状のタイプがあります。

湿性耳垢には皮脂腺の脂分によって生成された水あめ状のタイプがあり、それに粉状の耳垢がくっついたタイプのものもあります。

また、薄い膜状の耳垢にも、湿っているタイプのものがあります。

あなたはどのタイプに当てはまりますか?

湿性耳垢の人はワキガなのか

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ちまたでよく聞かれるのが、「耳くそが湿っている人はワキガらしい」という言葉。

ネット上でも湿性耳垢とワキガの関連性について情報が飛び交っていますが、本当のところはどうなのでしょうか。

はじめに結論から言うと、“耳垢が湿っている=ワキガ”という公式は成り立ちません

たしかに、耳垢が湿っているのは、ワキガの原因となるアポクリン汗腺が活発なことで起こる現象であるため、湿性耳垢の人はワキガの可能性が高くなります。

しかし、アポクリン汗腺が発する臭いには強いタイプのものと弱いタイプのものがあり、必ずしもワキガとは限りません。

逆に乾性耳垢タイプの人でもワキガの可能性があるとも言われています。もし自分が湿性耳垢であったとしても、安易に落ち込まないようにしましょう。

耳掃除をすると“せきやクシャミ”が出てしまうワケ

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耳掃除をしていると、思わずせきやクシャミが出てしまうことってありませんか?

人によってはあまりにも“せき”が出るため、「異常なのでは」と不安に思う場合もあるようです。

しかし、この現象は耳の穴に通っている“迷走神経”の反射作用によって起こるものなので、正常な反応とされています。

迷走神経は気管に入った異物を外に吐き出すために“せき”を出す役割を担っていますが、この迷走神経を綿棒などで刺激することで反射的にせきやクシャミが出るのです。

耳垢には防虫効果もある!?

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上記コラムでは、耳垢には殺菌効果があることや、外耳道を保護する役割があることをご紹介していただきましたが、実は耳垢には“虫よけ”の効果もあると言われています。

虫が多く見られる季節や国では、耳の穴に虫が侵入して病院に駆け込む人も少なくないと言います(一晩中耳が痛いと思っていたら、耳の中にガが入っていた人もいるようです)。

耳の中に虫が入るなんて想像しただけで鳥肌が立ちますが、こうした人々にはある共通点があると言われています。

それは、“耳垢がない”ことです。このことから、耳垢の臭いには防虫効果があるとされています。

耳掃除はした方がいい?

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さて、「耳垢にも役割があるのであれば、掃除してはいけないのではないか?」という疑問が出てくると思うのですが、これについては賛否両論があります。

一般的には、耳掃除を全くしないと『耳垢塞栓(じこうそくせん)』といって、耳垢で耳の奥がふさがれてしまう病気になる可能性があると言われています。

しかし、耳垢塞栓は綿棒で掃除をする際、誤って耳垢を奥に押し込んでしまうことが繰り返されることによって起きることもあります。

そのため、耳掃除をする際は、耳の穴の入り口から1cm以上奥に綿棒を入れないように気をつけた方がいいでしょう。

その一方で、アメリカ耳鼻咽喉科頭頸部外科学会聴力委員会会長、シアトルのスウェーデン神経科学研究所の所長でもあるダグラス・バッコウス医学博士のように、

『耳垢はホコリと汚れから鼓膜を守るだけでなく、抗菌性もあり表面を潤すという特典までもたらしている。さらに、耳には自浄作用がある。身体の不思議の一つだ! 耳垢が乾いたら、ご飯を食べたり、友だちとおしゃべりしたりして顎を動かす度にその古い耳垢が顎の動きによって外耳道から外に出ていくのである』

と、耳掃除は必要ないと主張する医師もいます。


余談ですが、耳掃除が気持ちよくてつい……という人も時々いらっしゃいますね。

これは、身体の中を複雑に走り回っている(迷走する)、『迷走神経』と呼ばれるものが外耳腺にもあり、耳かきや綿棒でここを刺激すると、気持ちが良くなることによるものです。

しかし、耳掃除をやりすぎたり、奥まで掃除をしすぎたりすると、かえって耳垢を奥まで押し込み、耳垢塞栓・外耳道の損傷による外耳炎を起こしてしまうリスクもあるので、十分注意しましょう。最悪の場合には手術に至る可能性もあります。

また、過度な耳掃除で耳垢が少なくなり、菌に対する免役などが低下すると、耳の中がカビの巣窟になる外耳道真菌症』を発症することも。

耳に痛みを感じたり、聞こえが悪くなったり、耳汁が出たりといった症状のある人は、すぐに病院で受診するようにしましょう。

もともと耳の構造は繊細にできているため、修復する能力があまり高くないと言われています。

早め早めの対策を心がけることが大切です。

タイプ別! 耳掃除ガイド

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一口に“耳掃除”といっても、耳垢のタイプによって適した方法や道具が異なります。以下では、タイプ別に耳掃除の正しいやり方について見ていきましょう。

乾性耳垢タイプ

乾いた耳垢である乾性耳垢タイプの人には、“耳かき”がオススメです。

綿棒だと、乾燥している耳垢をかき出すことが難しいため、耳かきが最適な方法と言われています。

また、近頃は粘着性のある綿棒も売っており、こちらは乾燥耳垢にとても有効です。

ちなみに、乾燥耳垢の場合はお風呂上がりだと通常の綿棒でも効果があると言われています。

湿性耳垢タイプ

耳垢が湿っている人の場合は、乾燥している人に比べて耳掃除が難しくなります。

通常の耳かきでは除去が難しいため、綿棒が推奨されています。綿棒で掃除をする際は、前後にこするのではなく、綿棒を回転させて耳垢を絡めとるように使用しましょう。

また、湿性耳垢タイプの人にオススメなのがワイヤー式の耳かきや、円状になっているタイプの耳かきです。

どちらも効果的に耳垢が取れるような構造になっているため、乾燥耳垢タイプでも湿性耳垢タイプでも向いているそうです。

耳掃除でひざ枕はNG!?

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耳には耳垢を自動的に外に押し出す自浄作用がありますが、耳垢のタイプによってはきちんと耳掃除をしないと耳垢塞栓などの病気になる可能性があります。

そのため、きちんと正しい方法で耳掃除を行う必要があります。

耳掃除をする頻度としては、月に1回程度、多くても1週間に1回程度が望ましいとされています。

また、気持ちいいからといって長時間掃除をするのもダメです。適切な所要時間は2〜3分となります。

さらに、耳掃除を他人にしてもらう際に“ひざ枕”をする人がいますが、これは取りこぼした耳垢が鼓膜に付着する恐れがあるのでNGです。

他にも耳の穴が極端に小さくて耳垢が掃除できない人や、多量に耳垢がたまっている人は無理せず耳鼻科で除去をお願いするようにしましょう。

耳垢塞栓になったら

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細菌の繁殖を抑えたり、外耳道を保護する役割がある耳垢は、皆ある程度は耳の中にあるものです。

しかし、耳掃除のやり方が悪かったり、過剰に耳垢が分泌される人には耳垢塞栓のリスクがあります。

耳垢塞栓とは、耳垢が耳の穴のなかで大きな塊を作って塞いでしまう症状のことを言います。

この耳垢塞栓にかかる人は、基本的に症状に対して無自覚であったり、違和感を抱いても放置してしまったりするケースが多いようです。

耳垢塞栓が進行すると、耳鳴りやめまいなどを感じるようになり、音が徐々に聞こえなくなってくるといった難聴の症状が現れます。

このレベルの耳垢は自分で除去することが難しいため、医者に取ってもらうのが最善の方法です。

耳垢塞栓の除去は保険が適用されるため、治療費は500円程度であることが多いようです(耳垢塞栓に限らず、普通の耳垢の除去も同様)。

また、鼓膜に固着しているような大きな耳垢を除去した後、一時的にめまいを感じる人もいるので、帰りの運転に気をつけるようにしましょう。

赤ちゃんの耳掃除

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大人も耳掃除をする際にはデリケートであることが求められますが、赤ちゃんならなおさらです。

赤ちゃんの耳は、入り口から鼓膜までの距離がとても短く、大人と同じような感覚で耳掃除をしていると鼓膜を傷つける恐れがあります。

また、赤ちゃんは耳の粘膜に異物が触れることを嫌がる子も多いので、耳掃除中に暴れることも多いです。

そのため、赤ちゃんの耳掃除には耳かきではなく綿棒を使うようにしましょう

耳掃除をするタイミングとしては、入浴後が一番良いとされていますが、耳掃除中に暴れる危険を考慮すると、眠っているときに行うのが無難なようです。

たまに赤ちゃんの耳から黒い耳垢が出てくることがありますが、これはママのお腹の中にいたころの羊水が耳に残っていることが原因なので、病気ではありません。

しかし、耳垢が液状になっているときは中耳炎などにかかっている恐れがあるので、すぐに病院へ連れて行くようにしましょう。

イヌやネコにも耳掃除が必要!?

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これまで人間の耳掃除についてお話ししてきましたが、実はイヌやネコにも耳掃除が必要な場合があるようです。

イヌやネコの耳垢は、人間同様自動的に外に排出されるようになっているため、あまり耳掃除の必要はありませんが、種類によっては耳の構造が複雑で耳垢がたまりやすいものもいるようです。

そのため、イヌやネコの耳掃除も定期的に行うことが推奨されていますが、基本的に耳掃除は獣医に任せるようにしましょう

イヌやネコの耳は毛で覆われていて中が見えづらいことが多いですが、むりやり掃除をすると粘膜を傷つけて外耳炎の原因になります。面倒でも専門家に取ってもらいましょう。

まとめ

「耳垢の種類」や「耳掃除の目安」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

耳掃除は気持ちいいのでつい頻繁にやってしまうという方もいらっしゃると思いますが、やりすぎると最悪難聴になる恐れもあるので、適度に掃除を行うようにしましょう。

また、自分の耳垢タイプに合った方法と道具で掃除をすることも大切です。耳は生きていく上で大切な役割をもっているので、大事に扱うようにしましょう!

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)
●追記/パピマミ編集部

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