放っておいて大丈夫? 包茎の子どもに対する治療法3つ

【ママからのご相談】
6歳の息子をもつ母です。何日か前、夫の帰宅が遅かった夜、久しぶりに息子とお風呂に入ったとき、おちんちんの皮が完全にかぶってしまっているように見え、心配になってきました。夫に話すと、「俺だって中学生になってもかぶってた記憶があるから心配ないと思うよ」といいますが、アメリカで生活した経験のある知人のお子さんは、小さいころに手術を受けたと聞きます。

子どもの包茎は、放っておいても大丈夫なものなのでしょうか?

a 子どもの包茎は病気ではありません。自然経過を見ましょう。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

お母さまとしては不安かもしれませんが、子どもの包茎に関して、手術などの積極的な治療を必要とする医学的な理由はありません。男の子は、包茎の状態で生まれてきて、思春期を超えるころまでに包皮を自然にむいて下げられるようになる、というのが正常な経過です。つまり、子どもの包茎は“病気”でも何でもないのです。

以下の記述は、都内の私立医科大学附属病院泌尿器科で小児泌尿器科を担当する医師に伺った話に基づいて、すすめさせていただきます。

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米国は社会の風習で、イスラム圏では宗教的信条で子どもに包茎手術を行っている

『ご相談にある通り、アメリカ合衆国(以下、米国)では男の子の70%近くが乳児期までに亀頭を包んでいる包皮を切除する手術(環状切除術)を行い、亀頭が露出している状態にします。このような手術を宗教上の理由とは関係なく子どもにたいして行っている国は世界中で米国だけです。これは、米国社会に広く浸透した風習によるものと言えます。

一方、イスラム教の国々でも新生児期に包茎手術を行っていますが、これは『割礼』といって宗教的な儀式の意味合いが強い習わしです。これに対して、わが国やヨーロッパの国々などでは、新生児や乳児にこのような手術は(医学的な理由のある特別な場合を除いて)行っていません』(40代男性/都内私立医科大学附属病院小児泌尿器科医師)

“恥垢にばい菌がついているので早くむかないと不衛生”は、迷信

『お母さまがお子さんの包茎を不安に思う昔からの理由の一つに、『恥垢(ちこう。子どものおちんちんの包皮の下にたまる、皮膚表面の新陳代謝によってできた黄色い脂肪のかたまりのような垢)』にばい菌がついているので、早いうちに包茎を治してやらないと不衛生だという迷信があります。

これはまったくの誤解で、恥垢には通常、細菌はついていません。それどころか恥垢には包皮と亀頭表面の分離を促進し自然とむけやすくしてくれる働きがあります』(40代男性/前出医科大学附属病院小児泌尿器科医師)

パパの、「中学生になっても、たしかかぶってた」という記憶はたぶん正確で、おそらく中学生のころ、成長にともなって自然にむけてきた包皮の下の恥垢に驚きながら、お風呂場かどこかでおそるおそる洗い流した記憶とともに包茎卒業の思い出が残っているのだと思います。

それでもママが不安で治療を受けるにしても、子どもの気持ちに気を配ってください

『このように子どもの包茎は病気でも何でもないので治療を受ける必要はないのですが、それでも、「どうしても安心できない」とお母さまがおっしゃるのであれば、治療法としては次の3つの選択肢があります。

・ステロイドの入った軟膏を塗って包皮の外側を手でずり下げ亀頭を露出する方法
・狭い包皮口を切開する手術をして、とにかくむけるようにする方法
・包皮を手術で切除して亀頭が露出した状態にする方法(環状切除術)

いずれにしても、病気でないのに治療を受けることで子どもの気持ちや肉体をいたずらに傷つけることのないよう十分に気を配ったうえで、お母さまがどうしても気になるようでしたら専門の医療機関を受診してください。

また、成人してからの勃起時でも包皮が亀頭を完全に覆っている場合は、日本人男性に1~2%の割合でいる『真性包茎』が疑われます。この場合は尿を出しづらいなど、いくつかの医学的問題点がありますので、ご本人の判断で治療を受けましょう』(40代男性/前出医科大学附属病院小児泌尿器科医師)

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●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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