鉄道好きにはたまらない“大回り乗車”のルールと注意点

【パパからのご相談】
小学3年生の息子がいます。小さいころから鉄道が好きな子でしたが、小学校に入ってからさらに熱狂的になりました。

夢中なものがあるということはいいのですが、毎週毎週の長距離乗車。

正直、わが家はお金に余裕があるわけではないため、今後どのように息子の趣味と向き合うか迷っています。

ご相談ありがとうございます。ママライターのマフィーです。

子どもが夢中になっているものがあるということはとっても素敵なことですよね。

無気力無趣味の子どもやゲーム三昧の子どもが多いと言われている昨今、熱中できるものがあるというのは素晴らしいと思います。

とはいえ、親として気になるのはお財布具合。子どものためと言っても、やっぱり無制限にしてあげられるわけではありません。

そこで、鉄道好きの子どもにオススメのお得な乗車法を紹介します。

ちょっとお得な“大回り乗車”という乗車方法

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電車に乗るのが好き。電車にさえ乗っていられたら満足。

そんな人たちのために……なのかどうかは分かりませんが、大回り乗車というものをご存知でしょうか。

鉄道好きの方たちのあいだではよく知られた方法のようですね。

この大回り乗車、簡単に言うと、“ある特定の区間の中では駅から駅へ行くのにどの経路で行っても構わない”というものです。

つまり、一番安い切符(たとえば130円や140円など)で長距離を大回りして乗車するということ。

たとえば山手線。内回りで行けば一駅の場所に、外回りで60分かけて行っても不正乗車ではないということです。

ただ、いくつかルールがあるのでご紹介します。

大回り乗車のルール4つ

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(1)適用区間

大都市近郊区間とされていますが、具体的には、東京、大阪、福岡、新潟、仙台の5つの都市。

この区間内のどの電車が適用されるのかは事前にJRのホームページなどでご確認ください。

(2)途中下車はできない

途中で下車してしまうと、通常の運賃が発生します。

(3)有効期間は1日

今日利用して、明日も利用するということはできません。

(4)線路がぶつかってはいけない

これは一筆書きの要領です。同じ駅を二度通過することは、一部を除いてできません。

大回り乗車とキセル(不正乗車)の違い

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キセル(不正乗車)とは

お金をかけずに長い距離を移動することができる“大回り乗車”は、鉄道ファンのみならず旅行好きの人にも愛用されていますが、「これって不正乗車じゃないの?」と疑問に感じる方もいるかと思います。

そこで、以下ではキセルと大回り乗車の違いを説明します。

不正乗車にはいくつか方法があります。一番分かりやすいのは、改札を飛び越えるなどして切符を通さずに電車を利用するケースですね(なかなか見かけませんが)。

また、わざと一番安い切符を買って電車に乗り、切符の値段よりも高い区間の改札で「切符をなくした」と言って見過ごしてもらうパターンのキセルもあります。

さらに、もっとも地味なのが“子ども切符キセル”。これは、大人なのに子ども料金の切符を購入し、そのまま乗車してしまうものです。

見つかると通常料金の3倍を請求されるなどの制裁を受けます。

大回り乗車の合法性

大回り乗車とキセルの大きな違いは、きちんとルールに則っているかどうかに尽きます。JRでは大都市近郊区間という特例を設けています。

これは、都会では目的地までにさまざまな経路が存在しているため、基本的に目的の駅に向かうルートの選択は利用客に任せる(選択乗車)というものです。

これを拡大解釈して、「目的駅までのルートを目一杯遠回りしてやろう」というのが大回り乗車なのです。

なんだかズルしているように感じますが、一応ルール内の利用になるので、合法とされています。

JR以外でも“大回り乗車”はできるか

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大回り乗車と聞けば大多数の人がJRをイメージすると思いますが、実は他の鉄道でも大回り乗車することができます。

その主な例として、東京メトロや近畿日本鉄道、都営地下鉄などが挙げられます。

しかし、鉄道会社によってそれぞれ規定が異なるので、利用する際は必ず確認するようにしましょう。

JRでおすすめな大回り乗車路線

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さて、これまで大回り乗車について語ってきましたが、「結局大回り乗車をするには何線に乗ったらいいの?」という方もいらっしゃると思います。

そこで、以下では主要5都市から、大回り乗車におすすめの路線をご紹介します。

東京編

・鶴見線……工業地帯が続き、まるでSFの世界に入り込んだかのような感覚になります。
・京葉線……区間によっては海を眺めながら旅をすることができます。海を突き進んでいる船や、飛行機が空を飛んでいるさまは、子どもを夢中にさせます。
・東北本線……区間によっては時速120kgで走行することもあり、親子ともに楽しむことができます。

大阪編

・和歌山線……大きく周回して草津線や桜井線を経由すると、琵琶湖を一周できます。
・阪和線……阪和線は、ルート次第でおよそ半日(12時間)ほどもかかる長旅をすることができます。しかも120円から可能です。

福岡編

・篠栗線〜鹿児島本線……福岡から大分、熊本、と経由して博多へ戻ってくるルートを使うと、160円で9,000円以上の運賃分を稼ぐことができます。

ちなみに、570kmほどあります。朝早く出ても夜遅くにしか帰れないので、日帰り旅行と割り切ったほうがよさそうです。

新潟編

・信越本線〜越後線……新津駅から直接新潟駅に向かわずに、東三条方面から大回りします。

東京や大阪と違い、新潟の大都市近郊区間では基本的にのどかな風景を楽しむことができます。途中で白鳥で有名な水原を通過するので、車窓から白鳥を見ることができます。

仙台編

・仙石線〜東北本線〜奥羽本線〜仙石線……ルートによっては13時間超えの長旅を経験できます。

福島や山形を経由することができるので、駅弁などの楽しみもあります。

大回り乗車についての注意点5つ

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(1)乗車券の種類によって違いがある

基本的にどの乗車券でも大回り乗車は可能ですが、定期券は使えません。もし使ってしまうと不正乗車になるので注意しましょう。

また、これは公表されていませんが、切符やICカードには制限時間が設けられているケースもあります。

とくにICカードを使用して改札機がエラーを出したケースが多いとのことなので、ICカードを利用する方は、直接駅員に事情を説明するようにしましょう。

(2)駅員にきちんと説明すること

改札機でエラーがでたり、大回り乗車をしたと告げる際、駅員からルートの説明を求められることがあります。

自分が乗ってきたルートをていねいに説明しましょう。合法とはいえ、あまり推奨された行為ではないので、不審に思う駅員さんも多いようです。

(3)特急や新幹線利用の際は、検札を覚悟しよう

あまり知られていませんが、大回り乗車では特急や新幹線に乗ることもできます。しかし、もちろん乗車には特急券が必要となります。

また、特急や新幹線を利用する関門として、検札があることが挙げられます。

係員が前から順番に切符をチェックしているとドキドキしてしまいますが、ここは冷静に説明しましょう。

また、新幹線の場合は、改札を入出時にも係員への説明が求められます。

(4)“6の字経由”にはリスクがある

基本的に大回り乗車では“同じ駅を2度通過”することはNGとされていますが、例外もあります。

それは、“6の字経由”と呼ばれるもので、「一度経由した駅でもゴールが同じ駅なら問題ない」という解釈のもと行われます。

しかし、目的駅を一度通過した段階で切符の効力がなくなるとする意見もあり、合法性においてはグレーゾーンとなっています。できるだけ利用しないようにしましょう。

(5)トイレや食事をしたくなったら

大回り乗車は基本的に途中下車ができません。しかし、改札内であれば下車しても大丈夫です。

駅によっては改札内に食事どころやトイレがないケースもありますが、大きな駅では改札内で弁当を売ってたりトイレを用意していたりするので、活用するようにしましょう。

日本最長の大回り乗車経路

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安い料金で長旅ができる大回り乗車ですが、日本で一番長い経路って気になりませんか?

実は、日本で一番長い路線があるのは東京です。本郷三丁目から西ヶ原のルートで、その距離はなんと約1,039km

ちなみに、大阪で最も長い乗車経路は、塚口から難波までの約743kmとされています。これだけ電車に座っていたら痔になってしまいそうですね。

大晦日・元旦を利用した大回り乗車

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大回り乗車は、ルートや乗車する時間帯によって、終電を迎えてしまう恐れがあります。

しかし、大晦日から元旦にかけては、終夜運行があるため、より長い時間乗車することができます。

大晦日の切符は元旦まで有効なので、理論上は40時間以上電車に乗れるとされています。

ちなみに、大晦日〜元旦の終夜運行を利用して大回り乗車をした人の中には、1,035kmを達成した方もいて、所要時間は約30時間だったそうです。

30時間……もはや“鉄道好き”を超えて“鉄道狂い”と呼んでも差し支えなさそうです。

子どもと大回り乗車する際の注意点

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最後に、子どもと大回り乗車をする際の注意点についてお話しします。

いくら鉄道好きのお子さんであっても、長い大回り乗車の旅では退屈してしまうこともあります。

子どもは退屈になると暇つぶしを考えますが、他の乗客にちょっかいを出したり、車両内を走り回ったりといった迷惑行為はやめさせるようにしましょう。

また、電車が通過するホームで騒ぐのも危険です。

子どもと大回り乗車をする際は、前もって暇つぶし方法を考えておくとスムーズに子どもをおとなしくさせられます。

また、上述したように駅にトイレがない場合もあります。最悪の事態を避けるためにも、こまめにトイレに連れて行くようにしましょう。

さらに、子どもと一緒の電車の旅で気をつけるのは行程表を作ること。途中でもし車掌さんに声をかけられたとしても、きちんと説明できれば大回り乗車成立です。

ルールに当てはまっていれば、思う存分、子どもと電車を楽しむことができますね。

まとめ

「キセル(不正乗車)との違い」や「日本最長の乗車路線」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

大回り乗車は基本的に合法とされていますが、定期券を使用したり同じ駅を通過するなどのちょっとしたミスで大ごとに発展する可能性もあります。

子どもとの旅を計画する際には、じっくりと時間をかけるようにしましょう。

とくに選んだルートが合法かどうかは複雑で分かりづらいところもあります。交通・経路検索サービスを提供しているサイトを活用してチェックすると安全です。

鉄道が好きなお子さんにとって、大回り乗車は夢のような経験です。

改札の外には出られませんが、地域によって変化していく車窓の風景や、道中での親子の会話はきっと良い思い出になることでしょう。

興味のある方はぜひ、試してみてくださいね。

【参考文献】
・『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』ヨースケ・城山(著)

●ライター/マフィー(ママライター)
●追記/パピマミ編集部

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