“痒み”と“痛み”の違いとは?

【男性からのご相談】
些細な質問ですみません。すり傷や靴擦れなどで出血したあと、かさぶたになって痒くなりますよね? それは何故ですか? 痛みの軽いものが痒みだと漠然と聞いたことはありますが、具体的にはどんな事なのでしょうか?

a 痛みと痒みは別物です。

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

病気じゃなくても普段の生活でちょっと気になる事ってありますよね。ご相談ありがとうございます。

さて、ご相談の件ですが、以前は痒みは痛みの軽いものという説が有力でしたが、15年ほど前からでしょうか、それは全く別物であることが、さまざまな研究から分かってきています。

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痛みと痒み。ハードは同じでもソフトが違う

痛みと痒みはハードの部分である神経細胞は同じでも、ソフトの部分の働きは根本的に違うようです。例えば、同じ電話線で通話とインターネット両方がといった感じでしょうか。その証拠に内臓や筋肉など、手で掻くことが絶対に不可能な場所では、痛みが和らいでも痒くなりませんよね。

痛み信号と痒み信号は強弱でなく、明らかに質が違うのです。

医学の世界でも、かつて痒みは痛みの軽いものと考えられていて特に問題がなかったようですが、アトピーが問題になった十数年前から、皮膚学会などで痒みのメカニズムの研究が注目されてきているようです。

異物の刺激があってはじめて痒くなり、免疫物質(ヒスタミン等)が出てから痒くなるという理論では、ストレスによるアトピーの説明がつかないので、痛みとかゆみの信号の両方に使われる皮膚の神経が、脳神経とつながっている心のストレスにより誤作動して痒み信号を出すのが先で、その信号に従って免疫物質を出したり、掻く物理刺激で免疫物質が出るのでは、という説があります。

かさぶたの痒みは虫さされのように我慢できない痒さと違い、「なんだか気になる」程度の痒さですよね。「まだ完治してないよ」のサインというところでしょうか。 

傷は乾かして治すは古い!?

ケガをしたら消毒して、乾かして……といった治し方が以前は主流でしたが、今は湿潤療法(モイストヒーリング)といって傷を乾かさないように閉塞することで、痛みを軽減して傷跡も残りにくく、傷を早く治そうとする療法が注目されています。

これは傷口から出てくる体液を保持することで、体液中に含まれる細胞の成長や再生を促す成分である細胞増殖因子の働きを促し、人間が本来持っている自然治癒力を引き出す療法です。

モイストヒーリングの注意点2つ

モイストヒーリングでは従来の治療法よりも早く治り、痒みもあまりないようですが、以下のような注意点もあります。

(1)モイストヒーリングに適さない傷

感染が心配される傷には適さない。また深い刺し傷や動物に噛まれた傷はまず、病院で受診を。

(2)敗血症性ショック

糖尿病などで免疫が落ちている場合は、傷口から入った細菌が爆発的に増え、傷口から血液の中に入り込み『敗血症性ショック』と言われる状態を起こすことがあります。


かさぶたは体の止血作用の産物。しかし、今はかさぶたがあると傷の治りが遅いとの見方が強くなり、かさぶたを作らないモイストヒーリングが主流となりつつあるようですね。
                                
【参考文献】
・『キズ・ヤケドは消毒してはいけない痛くない!早く治る!「うるおい治療」のすすめ』夏井睦・著

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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