がんリスクが高い!? お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる原因と予防法

【女性からのご相談】
お酒を飲んだ後すぐ赤くなります。赤くなってからも特に酔っぱらうわけでもないのですが、友達よりすぐ顔が赤くなってしまいます。

「血行がいいからなんじゃないの?」と言われるのですが、本当はどういうことでしょうか?

a 顔が赤くなるのはアセトアルデヒドの仕業

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。ご相談ありがとうございます。

友達より早く顔が赤くなると、それ自体が恥ずかしかったり、周りからたくさん飲んでいるように見られてしまう気もしますよね。

でも、お酒を飲んで赤くなるのはアルコールで血行が良くなっているのではなく、アルコールの分解途中に発生するアセトアルデヒドの毒性によるものです。

お酒を飲んでから顔が赤くなるまでの体の働き

お酒を飲むと顔が赤くなる人がいますが、どういうメカニズムに赤くなっているのかご存じですか?

まず、お酒を飲むと、アルコールが胃や腸で吸収されて血液を通して全身に回ります。

そのうちの10%は尿などで体外へ排出されますが、残りは『アセトアルデヒド』に分解されます。そのあと酢酸に分解され、最終的には二酸化炭素と水に分解されます。

アセトアルデヒドは体にとって毒性が強く、神経に働きかけて皮膚の血管を広げて血流を増やすことで顔を赤くします。

アルコールが分解される過程は、

(1)アルコール→(2)アセトアルデヒド→(3)酢酸→(4)水+二酸化炭素

となりますが、顔が赤くなる人は(2)〜(3)までの分解能力が弱いことが原因です。

酵素活性が低いと顔が赤くなりやすい

OZPA_947520141025150853_TP_V

お酒を飲んで赤くなるのは、アルコールによって血行が良くなっているわけではないと書きましたが、顔が赤くなることをフラッシング、赤くなる人をフラッシャー、赤くならない人をノンフラッシャーと呼びます。

フラッシングが引き起こす症状には、

・体が赤くなる
・頬や耳たぶが熱く感じる
・脈が速くなる
・ドキドキする(動悸)
・頭痛
・発汗
・めまい
・眠気

などがあります。

フラッシャーにも1杯少量の飲酒で必ずフラッシンングを起こす人から、必ず赤くなるのではなく、相当飲んでから遅れて現れるか、現れても軽度で、ほかの症状を伴わない人までと個人差があります

アセトアルデヒドの分解能力が低い人はフラッシングを起こしやすいです。分解能力は各個人の酵素活性(分解を助ける酵素の能力の高低)により決まります。

日本人の4割がALDH2の不活性型!?

アセトアルデヒドを分解する酵素はアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)と呼ばれ、いくつか種類があります。

その中の1つ、ALDH2の酵素活性に個人差が非常に大きいこと、酵素活性は遺伝的に決まっていることが分かっています。

ALDH2をつくる遺伝子には、お酒に強い、いわゆる分解能力が高いとされるN型と、突然変異で分解能力が低下したD型があります。

誰でも両親からいずれか1つずつを受け継ぐので、人間にはNN型、ND型、DD型の3パターンがあることになります。

(1)NN型(活性型)はアセトアルデヒドの分解が速く、たくさん飲める酒豪タイプ
(2)ND型(不活性型)はアルコールに弱く、ほどほどに飲めるタイプ
(3)DD型(失活型)は体質的にアルコールを受けつけない、下戸タイプ

国税庁によると日本人の約40%がND型だということですので、赤くなることを恥ずかしがる必要もなさそうですね。

“お酒に強い=顔が赤くならない”ではない!?

ちなみに、“お酒に強い人=顔が赤くならない”というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。

お酒の分解酵素には、アルコールを分解する『ADH(アルコール脱水素)』と、上述したアセトアルデヒドを分解する『ALDH(アルデヒド脱水素酵素)』の2つがあります。

お酒が強い人ほど、これらの酵素の働きが活発な傾向にありますが、逆に『ADH』が活発に働くことでアセトアルデヒドを迅速に生成してしまい、すぐに顔が赤くなる人もいます。この場合、元々アルコール分解能力自体は高いので、顔を赤くしたまま飲み続けることができます。

また、逆にアセトアルデヒドの毒性への反応が鈍いがために頭痛や吐き気などの症状が起きず、顔を真っ赤にしたまま飲み続けられる人もいます。この場合は元々アルコール分解能力自体は低いので、肝臓に大きな負担をかけていることになります。

お酒で顔がすぐ赤くなる人は病気リスクが高まる!?

PAK15_mitumeruonnanokolala_TP_V

お酒を飲むことで顔が赤くなるかどうかは個人差がありますが、飲酒後すぐに顔が赤くなる人は、普通の人よりも病気にかかるリスクが高いと言われています。

とくに注意が必要なのは、“癌(がん)”。アセトアルデヒドが体内に蓄積しやすい人は食道がんになる確率が普通の人に比べて10倍近く高いと言われています。

さらに、顔が赤くなりやすい人が飲酒と喫煙をした場合、食道がんになるリスクが190倍になると言われています(※反対意見もあります)。

また、顔が赤くなりやすい人は高血圧になるリスクも高く、普通の人に比べて2倍発症する確率が上がるのだそうです。

他にも、高血圧により心臓病、脳卒中などの症状も併発するリスクがあります。

「俺は顔はすぐ赤くなるけど酒は強いんだよ」と言っている人は、お酒を飲むたびにこれらのリスクを高めているので、ほどほどの量でやめておくのが健全ですよ。

お酒の強さをセルフチェックしよう!

あまりお酒を飲む機会がない人や未成年の方は自分がどのくらいお酒に強いのか分からないという人もいると思います。

簡単なパッチテストで、自分のお酒の強さを判定することができるので、ぜひ試してみてください。

【方法】
1.ガーゼ付きの絆創膏に、市販の消毒用アルコールを数滴垂らします。

2.アルコールを垂らした絆創膏を上腕の内側に貼ります。

3.貼ってから7分経ったら、はがしてガーゼが当たっていた部分の皮膚の色を見ます。

4.さらに10分待ってから(はがしたまま)もう一度皮膚の色を見ます。

【判定】
・肌の色に変化がない人=ALDH2活性型

→お酒に強い体質です。いわゆる酒豪と呼ばれる人もこのタイプになりますが、それ故にアルコール依存症や生活習慣病になりやすい傾向にあります。飲み過ぎに気をつけましょう。

・肌の色が10分後に赤くなる=ALDH2低活性型

→お酒に弱い体質です。体内でアルコールを分解する能力が低いため、飲酒すると頭痛や吐き気などを催します。

・肌の色がすぐに赤くなる=ALDH2不活性型

→お酒が飲めない体質です。このタイプの人はまったくお酒が飲めないので、無理して飲まないようにしてください。


あなたは何型でしたか? 自分のアルコール耐性を適切に知って、飲み会などでお酒の量を調節するようにしたいですね。

お酒は飲み続ければ強くなるって本当?

NS525_glassdekanpai_TP_V

「お酒は飲み続ければ強くなる」という言葉を聞いたことがありませんでしょうか?

飲み会に出席することが多いサラリーマンなどの間ではよく聞かれる話ですが、これは嘘です。お酒の強さは遺伝によって決まるため、一生変わることはありません。

と、言いたいところですが、実は飲み続けることでお酒に強くなるというのは本当のようです。

お酒の分解に一番効果的な酵素はALDH2ですが、お酒を日常的に飲み続けることで『MEOS(ミクロゾームエタノール酸化酵素)』という酵素も働くようになり、アルコールの分解を助けてくれます。

つまり、お酒は筋肉と一緒で、鍛えれば強くなるのです。

しかし、上述したようにお酒の分解能力が低い人が飲酒をすると病気リスクが高まるため、無理して飲み続けるのは避けた方がいいですよ。

また、ミクロゾームエタノール酸化酵素が過剰に生成されることで肝臓に大きな負担をかけることも判明しています。

お酒で顔が赤くなるのを防ぐ方法2つ

RAN160214150I9A8237_TP_V

お酒を飲んで顔が赤くなる人はよくいますが、人によっては「顔が赤くなるの恥ずかしい!」という場合もあるようです。

そこで以下では、お酒を飲んでもなるべく顔を赤くしない方法についてご紹介します。あくまでも、“なるべく”です。完全に防ぐことはできませんのでご注意を。

(1)運動をしてから飲む

朝起きたときにお酒を飲んでいつもより顔が真っ赤になったという経験はないでしょうか?

これは血流が悪いことでアセトアルデヒドが血中に残りやすくなっていることが原因のようです。

つまり、顔を赤くしないためには、適度に血流が良くなっている状態でお酒を飲むのが一番です。お酒を飲むときは軽い運動をして間を置いてから飲むようにしましょう。

逆に、お酒を飲んだ後に運動をすると血流が急激に早くなることでアルコールの回りも早くなるのでやめましょう。

(2)酔いづらい工夫をする

お酒の飲み方や体調によって顔があまり赤くならなかったという日はありませんか?

お酒による酔いは体調管理や飲酒のペース配分によってある程度コントロールすることができます。

お酒に酔わない状況を作るということは、体の中でアルコールが回りづらいということでもあるので、酔い止めの工夫をすることで顔が赤くなるのを防ぐ効果があるかもしれません。以下の方法を試してみましょう。

・空きっ腹にアルコールを入れない
・飲酒前に乳製品を食べておく
・こまめに水を飲む
・少しずつお酒を飲む
・オルニチンなどのお酒の分解をサポートしてくれる成分を取る

お酒だけじゃない! 顔が赤くなる他の原因

pexels-photo-61100-large

体質

顔が赤くなる理由には大きく分けて“体質”と“病気”の2つがあります。

運動したりお風呂に入ったりして血流が良くなり、顔が赤くなる場合や肌が色白で血色の変化が出やすい場合などが体質です。

前者は誰でも経験したことのある普通の現象ですが、肌質による赤ら顔の場合は誰にでも起こるものではないため、悩んでいる人が多いです。

自分が恥ずかしいと感じたり、緊張したりするとすぐに顔が赤くなってしまうため、自分の心が見透かされているのではないかと不安に駆られるのです。

とくに女性が悩む傾向にあり、ひどい場合だと赤面することに恐怖を感じる『赤面恐怖症』という精神疾患を発症することもあります。

また、肌の白さだけではなく、“肌の薄さ”が原因になることもあるようです。鼻回りや頬のあたりが赤い人はその可能性が高く、大抵の人は自分で肌を削ってしまっているのだそうです。

どういうことかというと、洗顔の際に手でゴシゴシ洗ったり、スキンケアの際にピーリング剤の入っているものを使用したりすることで、肌が削れてしまうのです。

肌が薄くなると血管が浮き出てきやすくなり、ニキビや肌荒れも引き起こしやすくなります。その結果、炎症によって顔が赤くなってしまうのです。

顔の角質層はとても薄くデリケートなため、ケアの際には細心の注意を払いましょう。

病気

病気によって顔が赤くなる場合もあります。顔が赤くなる主な病気としては、

・糖尿病
・高血圧症
・赤血球増多症(多血症)
・クッシング症候群
・肝硬変
・慢性肝炎

などが挙げられます。お酒や体質が原因でない“赤ら顔”はこれらの病気のサインかもしれません。気になる人は専門家へ相談するようにしましょう。

まとめ

「アルコール耐性のセルフチェック方法」や「顔を赤くしない方法」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

お酒を飲んで顔が赤くなる人は、アセトアルデヒドによる毒性の影響を受けやすいので、なるべく飲酒を控えた方がよさそうです。

飲み会の席では「飲まないとノリが悪い」という風潮がありますが、一番大切なのは自分の健康です。自分の体質をよく理解して上手にお酒と付き合うようにしましょう。

【参考文献】
・『暮しと健康 2004年10月号』保健同人社・著

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)
●追記/パピマミ編集部

data-ad-region="1"> data-ad-region="2">
data-ad-region="2"> data-ad-region="2">

あなたにオススメの記事

パピマミをフォローする