夜眠れない? “むずむず脚症候群”の症状と治療法

【女性からのご相談】
1か月くらい前から、布団に入ると足がむずむずして眠れません。布団にダニでもいるのかと思って、布団を変えてみたのですが治りません。これは病気ですか? とにかくぐっすり眠りたいのでアドバイスお願いします。

a 症状が続くようなら『むずむず脚症候群』かも

ご相談ありがとうございます。健康管理士のSAYURIです。

今年の夏は比較的過ごしやすかったとはいえ、眠れないのはおつらいですよね。

私は医師ではないので診断はできませんが、もう1か月も足のむずむずが続いているようなので『むずむず脚症候群』ではないかと思われます。

『むずむず脚症候群』とは

161024muzumuzu

『むずむず脚症候群』とは、じっとしているときに虫がはっているかのように脚がむずむずとかゆくなったり、痛みを感じたりする病気のことを言います。

また、むずむず脚症候群は『レストレスレッグス症候群』『下肢静止不能症候群』とも呼ばれることがあります。

症状が出るのは夜、寝る前が多いと言われており、むずむず脚症候群のせいで睡眠不足になる人も多いとのことです。

むずむず脚症候群が発症する割合

160726iwasawa

むずむず脚症候群は、日本では人口の約2~5%(20~50人に1人)に存在すると推定されていて、比較的罹患者の多い病気と言われています。

この病気はどの年代でもみられますが、40代から増加し、男女比では約1:1.5で女性に多い傾向があります。これはその原因の一つに鉄欠乏性貧血があるからだと考えられます。

むずむず脚症候群の症状4つ

160808muzumuzu01

(1)強い不快感がある

脚が「むずむずする」「ほてる」「かゆい」「痛い」「しびれる」「虫が脚をはっている感じがする」と感じ方や表現はさまざまですが、脚に強い不快感があることが代表的な症状といえるでしょう。

見た目には何も起こっていなくても、脚の奥に気持ち悪い感覚や違和感があらわれるのが大きな特徴です。

(2)リラックスしているときに症状が出る

上記の症状は、リラックスして座っているときや横になっているときにあらわれたり、強くなったりします。

また、じっとしていても仕事や趣味などに集中しているときは症状があらわれにくいと言われています。

(3)“脚を動かす”ことで治まる

脚をこすり合わせたり、さする、叩く、脚踏みをする、ひどい場合は歩き回るといった“脚を動かす”ことで、症状が軽くなったり治まったりします。

そのため、症状があらわれると脚を動かさずにはいられなくなるのが特徴です。

(4)夕方から夜にかけてあらわれる

症状は夕方から夜にかけてあらわれたり、強くなったりします。

特に夜寝るときにあらわれやすいため、なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚めてしまうなど、不眠の要因にもなります。

病気が進行すると昼間にも症状が出ることがあります。

むずむず脚症候群の原因

0808yossy

特発性(一次性)の原因

むずむず脚症候群がなぜ起こるのかはまだよくわかっていませんが、特発性(一次性)の原因としては、遺伝性鉄の欠乏(または代謝異常)、脳内のドーパミン神経機能障害などが関与している可能性があると言われています。

実際、むずむず脚症候群は同じ家系の人にみられることが多く、関連する遺伝子の研究も進んでいます。

また、ドーパミンは、運動や感覚を制御する神経の興奮を抑える働きがあり、ドーパミンの不足は、運動や感覚の過剰な興奮につながります。鉄はこのドーパミンを作るのに必要な物質です。

二次性の原因

また、むずむず脚症候群が発症する原因として、他の病気や薬が関係しているケースもあります。

こういった二次性の場合は、『鉄欠乏性貧血』や『糖尿病』、『パーキンソン病』『慢性腎不全』などといった病気が関係していたり、抗精神病薬などといった薬が関係していたりするそうです。

日常的に飲んでいる薬や持病が原因で引き起こされているとしたら、なかなか厄介ですね。

むずむず脚症候群が発症しやすい人の特徴

160729suzukihanako

むずむず脚症候群が発症しやすい年齢

むずむず脚症候群が起こりやすい人は、40代以降の中高年だそうです。

年齢が高くなるほど患者数は増加するとのこと。患者数のピークは60~70歳代と言われています。

とはいえ、必ずしも40代以降でないと発症しないというわけではありません。小中学生で発症する人ももちろんいます。

子どもが発症してしまうと、授業に集中できないなど、日常生活にも支障が出てしまうことも。

また、20〜30%の患者さんは、むずむず脚症候群の発症時期が小児期〜青年期の間だそうです。

むずむず脚症候群が発症しやすい体質

むずむず脚症候群を発症しやすい人の体質的な特徴としては、鉄分が不足している人だと言われています。

鉄分不足の兆候としては、下記のようなものが挙げられます。

・貧血気味(めまいや立ちくらみがする)
・顔色が悪い
・ニキビや肌荒れがある
・手足が青白い
・寝つきが悪い、眠れないなどの睡眠障害がある
・あざができやすい
・動悸や息切れが起こりやすい
・落ち込みやすい
・イライラする
・やる気が出ない、だるい
・氷や土などを食べたくなる

などの兆候があれば、鉄分不足の可能性が高いです。

また、妊娠中の人もむずむず脚症候群を発症しやすいと言われています。

その理由は、妊娠中には体内の鉄分が不足するから。そして、せきずいが圧迫されるからだそうです。

むずむず脚症候群を予防するための日常生活の注意点5つ

160725asidasaki

(1)カフェインやアルコール、タバコを避ける

カフェインを含む飲料やアルコール、タバコは症状を悪化させ、睡眠にも悪影響を及ぼします。特に夕方以降は、避けるようにしましょう。

(2)適度な運動をする

適度な運動(ウォーキングやストレッチなど)を心掛けましょう。

(3)バランスの取れた食生活を心がける

バランスの取れた食事を心がけましょう。特に鉄分は意識して摂るといいでしょう。

(4)就寝前にマッサージする

就寝前に短時間歩く、温かいお風呂に入ったり冷たいシャワーを浴びる(どちらがいいのかは、人によって違うこともあるようです)、ふくらはぎを揉んだりマッサージしてみましょう。

(5)何かに集中する

座っているときには会話やゲームなどの趣味、自分なりに集中出来る事を見つけ、症状から気をそらす工夫をしましょう。

むずむず脚症候群と診断される基準4つ

160801kounaine4

むずむず脚症候群の診断基準は、下記4つです。すべての項目を満たしている場合は、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)である可能性が高いそう。

(1)脚に不快な感覚があり、どうしても脚を動かしたいという強い欲求が起こる。

(2)静かに座ったり横になったり安静にしているときに脚の不快な感覚が起こる。

(3)運動する、脚を動かすなどすると不快な感覚が改善する。

(4)不快な感覚は日中よりも夕方や夜間に強くあらわれる

むずむず脚症候群の検査方法

160808muzumuzu02

むずむず脚症候群かもしれないと思ったときは、神経内科や睡眠外来などがあり、専門医にみてもらえる医療機関へ行くといいでしょう。

医療機関では、まず問診を受け、採血、検査へと進みます。

血液検査では、むずむず脚症候群の原因として多い鉄欠乏がないかどうかをチェックされます。

また、補助検査として1泊入院し、『SIT(Suggested immobilization test)』『終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)』と呼ばれる検査を行います。

『SIT(Suggested immobilization test)』は、椅子に座った状態で両足をまっすぐに伸ばし、そのままの姿勢を保ち、5分ごとに不快感がどうであるかの評価を行ったり、筋電図で下肢の異常運動の確認を行ったりする検査です。

『終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)』では、睡眠時の脚の動きや脳波、心電図、筋電図、眼球運動、周期性四肢連動の有無などがチェックされます。

『多発性神経障害』や『アカシジア』などといった、むずむず脚症候群と間違えやすい疾患でないかどうかの確認も行ってもらえるそうです。

むずむず脚症候群の治療法

160726suzukikatuyosi

むずむず脚症候群の治療をしないまま放置してしまうと、一時的に良くなっても再発したり悪化したりするので、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。

治療法としては、下記の治療法があります。

非薬物治療(薬に頼らない治療)

他の病気や薬によって症状が出ている二次性の場合は、基礎疾患に対しての治療が行われます。まずはむずむず脚症候群を引き起こす原因となっている疾患を治すということです。

ドパミン遮断薬や抗ヒスタミン薬、抗うつ薬などといった、むずむず脚症候群を引き起こす原因となっている薬剤については中止します。

むずむず脚症候群の症状を悪化させるカフェインやアルコール、ニコチンの摂取を控える指導や、良質な睡眠がとれるよう、就寝・起床時間を正すなどの睡眠衛生指導もされます。

また、症状を和らげるための四肢のマッサージ方法や就寝前の歩行の仕方、入浴方法といった行動療法、適度な運動や健康的な食事のとりかたなどについての指導も行われるそうです。

薬物療法

他の病気や薬が原因ではない一次性で、鉄欠乏の場合は、鉄剤の投与が行われます。

また、むずむず脚症候群の治療に効果があるとされるドパミン作動薬(ドパミンアゴニスト)である『ビ・シフロール』や、けいれんや痛みを和らげる抗てんかん薬による治療が行われます。

むずむず脚症候群による不眠には、睡眠導入剤の投与が行われることもあります。

こういった薬物療法の場合であっても、二次性のときと同様、生活改善の指導も並行して行われることになります。

むずむず脚症候群の症状が悪化したときの危険性

160610aki

うつ状態に陥る可能性もある

特発性(一次性)のむずむず脚症候群の場合は、治療せずに症状を放置したままでいると、不快感から夜眠れなくなり、不眠症になったり、それがもとで仕事や家事に集中できず、日常生活に支障が出たりします。

症状が夜だけでなく、昼間にじっとしているときにもあらわれるケースもあり、その精神的ストレスは大きなものになります。

こうした状態が続くことから、うつ状態へと発展してしまうこともあるそうです。

基礎疾患が悪化し重大な状態になる可能性もある

鉄欠乏性貧血や糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチ、慢性腎不全(特に透析中)、うっ血性心不全、脊髄疾患、多発神経炎など、基礎疾患が原因となってむずむず脚症候群が発症する二次性の場合、病気によっては重大な状態へと発展してしまう可能性もあるとのことです。

基礎疾患がある場合は、まずはその病気を根本的に治療することが大切になります。

まとめ

「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の特徴」や「むずむず脚症候群の原因」「むずむず脚症候群の診断基準」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

実際に発症すると、その名前よりはるかにつらい症状に悩まされることになるそう。

「もしかして……」と思ったら、悪化する前に専門の医療機関を受診するようにしましょう。

【参考文献】
・『レストレスレッグス症候群〈RLS〉だからどうしても脚を動かしたい』井上雄一、内村直尚、平田幸一・著

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)
●追記/パピマミ編集部

data-ad-region="1"> data-ad-region="2">

注目の記事

data-ad-region="2"> data-ad-region="2">

あなたにオススメの記事

パピマミをフォローする