ダルくてイライラ! 産後に体調不良が起こる原因と対処法

【ママからのご相談】
妊娠8か月のときに、勤めていた会社を辞めました。現在、息子は生後6か月。1歳になったら再び会社で働きたいと思っています。

でも、心配なのは、私自身の体調が優れないこと。頭痛、肩こり、腰痛と、いつもダルい感じが続いています。育児に加え、本当に会社勤めなんてできるのでしょうか……。

a 個人差はありますが、徐々に回復していきます!

ご相談いただきありがとうございます。女性の働きスタイル研究家のアボカドチョコです。

産後の“とても体調が悪い”“病気にでもなったのではないか?”という不安ですが、私も産後すぐの時期から感じていました。

現在、お子さんが生後6か月とのこと。慣れない育児に家事でヘトヘトになっておられることでしょう。

それに加え、ママ本人の体が本調子でなければ精神的にも参ってしまいますよね。

しかし、「働きたい!」というお気持ちもよく分かります。

実はご相談者様のように、産後体調が優れず疲れやすいというママは少なくないようです。外見上は元気に見えるので、周囲の理解を得にくいのもつらいところです。

産後に体調不良が起こる原因3つ

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(1)体力の消耗

子どもを出産した後のお母さんは、自分で考えている以上に体力を消耗しています。

その状態で慣れない育児に取り組まなければいけないため、普段なら問題なくできるようなことができなかったり、必要以上にストレスを感じてしまったりすることで、徐々に体に不調を感じるようになります。

最近では高齢出産をする人も増えてきており、体力的な衰えが不調につながることは多いでしょう。

(2)寝不足

産まれてすぐの赤ちゃんは自分では何もすることができず、常にお母さんの助けが必要です。

昼夜を問わず数時間おきに泣いて呼ばれるため、寝る時間がなかなか取れないということも珍しくありません。

ただでさえ体力が消耗しているなか、十分な睡眠が取れず回復することもできないため体調が悪化していくことになります。

(3)授乳

赤ちゃんの成長に欠かせない授乳ですが、これはお母さんの栄養を子どもに分け与える行為です。

普段より多くの栄養を摂取し体調管理をしなければ、授乳によってさらに体力を失っていくことになります。

産後の体調不良によって起こるさまざまな症状

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・何となく体がダルい
・すぐに疲れる、疲れが取れない
・風邪を引きやすい、微熱が続く
・頭痛
・肩こり
・腰痛
・腱鞘炎
・足の引きつり、むくみ
・肌荒れ
・精神的なイライラ、気分の浮き沈みが大きい

などの症状が現れることがあります。

産後に体調が良くなるのはいつ?

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出産してから体が元の状態に戻ろうとする期間を『産褥期(さんじょくき)』といい、産後6〜8週間の時期をいいます。

ここを過ぎれば、比較的体調が安定してくることが多いようです。

ただし、ホルモンの増減などが安定するのは時間がかかり、完全に元通りの体になるためには1〜2年ほどかかるとも言われています。

産後の体調不良と改善法9つ

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(1)自律神経の乱れ

育児ストレスで心も体も休まる時間がありません。そんなイライラから、自律神経が乱れてしまうようです。

『何をするにしてもイライラしてしまって、周りの人に八つ当たり……。自己嫌悪に陥って余計にイライラが溜まるという悪循環になってしまいました。全てが初めてのことで余裕がなかったということもあるのだと思います』

【改善方法】
イライラするなど精神的な異常を感じたら、まずは心療内科を受診しましょう。

一人で子育てをしていると不安なことも多く孤独を感じることもあるため、産後ママが集まる勉強会などに行き、悩みを話して共感し合える時間を持つのもいいかもしれません。

また、一番身近な家族に自分の状態を話し、リラックスする時間を持てるよう相談することで改善することもあるでしょう。

自分の時間を持つために家族に子どもを預け、ゆっくり眠る時間や外で羽を伸ばす時間を確保することも大切です。

夕食後30分~1時間のウォーキングは自律神経の乱れを改善するそうなので、パパの帰宅が早ければ子どもの世話を任せて、スーパーやコンビニに買い物に行くのもいいでしょう。

(2)骨盤の歪み

女性の骨盤は出産のために大きく開き、産後6か月をかけて元の状態に戻ります。この過程で、骨盤がうまく閉じずに歪んでしまう場合もあるようです。

骨盤の歪みで血流が悪くなり、疲れが溜まりやすい、冷えやすい、太りやすいなどの症状が出ます。

『産後しばらくは、腰回りの重い感じがなくならずに大変でした。お尻がかなり大きくなったような気がして、ゆったりしたスカートしか履かなくなりましたね』

【改善方法】
出産後、骨盤ベルトを締めることで痛みがやわらぎます。

また、整体に行って骨盤の歪みを治したり、自宅で骨盤の歪みをリセットするためのストレッチを行うことでも効果を感じられるでしょう。

運動により筋肉を付けることで改善することもできますが、負荷のかかるトレーニングをする際には、事前に医師から運動の許可を貰うようにしてください。

(3)ホルモンバランスの乱れ

骨盤の歪みにより、ホルモンバランスも崩れます。

「女性ホルモンQ&A」サイトによれば、『産後、妊娠中に大量に分泌されていた女性ホルモンのプロゲステロンエストロゲンが一気に減少。ホルモンバランスが大きな変動をするので、心身にトラブルをきたす』と書かれています。

そしてこの変わりに増えてくるのが、母乳の分泌を促すホルモンの『プロラクチン』です。

異なるホルモンが増減することで、体が対応することができず不調を起こすようになります。

このホルモンバランスの乱れによって引き起こされるのが、“抜け毛”と“むくみ”。

抜け毛はおよそ7割の女性が悩むと言われていますが、1年ほどでおさまるため心配はいらないでしょう。

『話には聞いていましたが、初産だったのでかなりショックを受けました。抜け毛はもちろん、白髪もひどくて外出が憂鬱でした』

【改善方法】
なるべく無理をせず、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

減少するエストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンは積極的に摂りたい栄養素で、豆腐や納豆に含まれています。

自律神経を活性化させる運動も、適度に取り入れることでリラックス効果をもたらしてくれるでしょう。

むくみの解消には、半身浴やアロママッサージなどで体を温めるものがおすすめです。

(4)肩こり

骨盤の歪みによって肩こりが悪化するようです。

また、赤ちゃんを抱っこし続けたり、抱っこ紐を付けて買い物や小児科に行ったりすることで、慢性的な肩こりが悩みのママは多いですね。

血流が悪化し、老廃物が溜まった頭や首、肩は固くなり、偏頭痛を起こすこともあります。

『もともと肩こり持ちではあったのですが、産後はそれ以上にガチガチになり、休まることがありませんでした。肩だけでなく頭も痛くなってきて一番つらい時期でしたね』

【改善方法】
体のコリをほぐすため、マッサージに行きましょう。自宅で簡単なストレッチを行うのも効果的です。

出産後は子育てで外出する機会がなく、運動不足になっていることもあるため、外を散歩することで肩こりの緩和につながることもあります。

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(5)甲状腺の病気

産後の体調不良の原因として見過ごされがちなのが、甲状腺に関する病気。

日本甲状腺学会専門医の宮下和也医師によれば、『産後の女性のうち、20人に1人の割合で、甲状腺の病気を発病する』とのこと。

あまりにも症状がひどい場合は、病院で検査してもらうことも考えてみてください。

>甲状腺とは

『甲状腺とは、首の前、のどぼとけの骨よりやや下の方にあり、甲状腺ホルモンやカルシトニンというホルモンを分泌する臓器。甲状腺ホルモンは、全身の代謝を活発にする働きがあります』(名古屋大学医学部付属病院)

>産後ママの20人に1人がかかるといわれる『橋本病』

日本甲状腺学会専門医の宮下和也医師によれば、『産後1~3か月の頃から、甲状腺が肥大し、甲状腺ホルモンの過剰または不足が生じる。出産後の女性は、20人に1人の割合で甲状腺の機能異常が現れる』とのこと。

主な原因となる病気は、甲状腺機能が低下する『橋本病』という慢性甲状腺炎。

橋本病にかかる人は、男性より女性が多く、特に30~40代の女性に多いそうです。橋本病になると甲状腺ホルモンが不足し、全身の代謝が悪くなるので、以下のような症状が出ます。

>甲状腺機能低下症『橋本病』の症状

・むくみ(特に、手や顔がむくむ)
・のどの違和感、声が枯れる
・皮膚の乾燥
・食欲は低下するのに、体重は増加する
・無気力、物忘れ、ボーっとしている
・疲れやすい
・寒がり、でも夏には暑さを感じず、汗が出にくい
・脱毛
・筋力低下、肩こり
・月経不順、月経過多
・便秘
・動悸

>『橋本病』の対処法

産後、数か月たっても上記の症状が気になる場合は、医療機関の受診をおすすめいたします。

過去に橋本病を患った女性は、総合病院でもその病名は分からず、何件か病院を回った末にこの病名を告げられました。

甲状腺ホルモンの分泌量は血液検査で分かるそうですので、気になった方は病院で検査してみるのも手かもしれません。

診断が難しいということもあるため、上記のような症状がなかなかおさまらず、病名がはっきりしないという場合には、甲状腺専門病院を受診することをおすすめします

(6)痔

妊娠中の便秘が原因で痔になってしまう人も少なくありません。脱肛や産後のむくみで腫れてしまい、座ることすらままならないということもあるようです。

『場所が場所だけに、周りの人にも言えず苦労した。会陰切開もしていたので座ることができず、休めないというのが本当につらかった……』

【改善方法】
まずは便秘を治すために、水分を意識して摂取するようにしましょう。

肛門に負担をかけてしまうため、脂っこいものや辛いものばかり食べないようにすることが大切です。

同じ姿勢で座り続けると血流が悪くなってしまうので、適度に体を動かすようにしましょう。湯船につかり、体を温めるのも効果的。

市販の痔の薬にはステロイドが含まれるものが多いため、使う際には自己判断せず医師に確認して使用するようにしてください。

(7)貧血やめまい

単なる寝不足や疲労からくるものなのか判断が難しいものでもありますが、これも産後特有の症状です。

分娩時に大量の出血をしているため、その影響で貧血となり、これがめまいにつながります。

また、母乳の主成分は血液であるため、授乳によって鉄分不足となり症状を引き起こします。

『とにかく貧血がひどくて、ミルクで育てようとも思ったのですが、赤ちゃんへの授乳頻度が上がって休めないため、結局母乳に戻しました。とにかく栄養のあるものを食べるしかないみたいですね』

【改善方法】
食事で鉄分を意識的に摂取するようにしましょう。血液を作るためのタンパク質、マンガン、ビタミンB12、葉酸、銅も同時に摂取することで効果を高められます。

食事で摂ることがどうしても難しい場合には、サプリメントを併用しても構いません。

もしめまいが長期に渡って続くようであれば、内耳の働きや三半規管に問題がある可能性もあるため、耳鼻科を受診した方がいいでしょう。

(8)産後うつ

「産後ブルー」と言われることもある産後うつ。理由もなく落ち込んだり、泣いたりすることがあり、気持ちが乱れやすくなります。

『赤ちゃんが産まれてうれしいはずなのに、つらくて悲しい気持ちがずっと続いてしまうんです。この苦しみは誰にも分かってもらえないと思い余計に悲しくなっていくという悪循環でした』

【改善方法】
産後うつから本当のうつ病になってしまう危険もあるため、少しでも気になったらまずは産婦人科を受診しましょう。

本人では判断できないこともあるため、家族など身近な人が様子を伺ってあげることが大切です。

情緒不安定な状態が続きあまりにもひどい場合には、神経科や心療内科を受診してください。

(9)乳腺炎

母乳で赤ちゃんを育てるママに多い病気が乳腺炎です。

乳腺が母乳などがつまって炎症を起こし、痛みや発熱といった症状が起こります。授乳するママの2〜3割ほどが経験すると言われています。

『自分には関係のないことだと思っていたので、ゴツゴツした胸を見てびっくりしました。あわてて病院へ行きマッサージを受けましたが、これがまた痛くて痛くて……。泣きながら耐えました』

【改善方法】
母乳がどろどろになると乳腺が詰まりやすくなってしまうため、脂っこい食事は控えましょう。

また、胸部を圧迫することも避けた方がよく、きついブラジャーはしないように。横向きで寝ると下の胸の乳腺が圧迫されるので、上を向いて寝るようにしてください。

授乳の際には、左右で偏りがないようにバランスよく飲ませるようにし、授乳間隔も一定にすることを意識して飲み残しがないようにしましょう。

産後に体調不良を感じたときに行くのは何科?

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具体的な不調を感じ、上記で紹介したような症状がある場合にはそれぞれの科を受診すれば問題ありません。

しかし、「なんだか体がだるい」「風邪のような症状が続く」などのようにはっきりしない不調を感じることもあるでしょう。

一般的には、産後1か月ぐらいまでは産婦人科を受診し、それ以降は通常の内科を受診して問題ないと言われています。

診察を受ける際には授乳中であることをはっきりと伝えましょう。

ただし、胸の違和感や生理不順など、婦人科系の症状であれば産婦人科を受診してください

産後の生活で心がけるべきこと

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赤ちゃんのためにとつい無理をしてしまいがちですが、無理をするのは禁物です。周りに甘えてまかせられるものはまかせるようにしましょう。

産後は目を使い過ぎない方がいいと言われているため、スマホやパソコンの使用は最低限にとどめるようにしてください。

これは、体がむくみやすくなっており血液が目に行きにくいためで、頭痛や視力低下を招くからだと言われています。

スマホの画面から発せられるブルーライトは睡眠の質を下げてしまうため、十分な睡眠を確保するためにも控えた方がいいでしょう。

まとめ

「産後に体調不良になる原因」や「各症状と改善方法」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

出産は想像以上に母体に負担をかけますし、その直後に子育てをスタートさせなければならないという大変なものです。

少しでも体に異変を感じたら、躊躇することなく病院へ向かうようにしましょう。

自分だけの体でなく、産まれてきた子どもを守っていくための体でもあります。子どものためにも、今まで以上に自分の体を大切にするよう心がけてみてください。

●ライター/アボカドチョコ(女性の働きスタイル研究家)
●追記/パピマミ編集部
●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)

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