離婚時に「夫婦関係調整調停」を申し立てるメリット

【女性からのご相談】
現在、夫と離婚話が出ています。でも、養育費や慰謝料などの話になると、まったくまとまらず、結論が出ません。面倒になってきたので、特に決めずにとりあえず離婚してしまおうとも思いましたが、裁判所で調停してもらえると聞きました。調停離婚とはどんなものなのでしょうか。

a 感情的な離婚はNG! 話し合いがまとまらないときは、調停制度を利用して。

ご相談ありがとうございます。10数年前に調停離婚をしたフリーライター、川中利恵です。

現在、離婚に向かって話し合い中とのこと。毎日モヤモヤされているのではと思います。でもお子さんがいらっしゃるなら、ここは耐えて調停を検討することをおすすめします。自分自身だけでなく、子どもの人生にも、大きく関わることだからです。

私が離婚したときも、協議離婚をする予定でした。しかし、養育費などを決めた公正証書を作ったものの、なぜか有責だった相手側が調停を申し立ててきたため、調停離婚となったのです。公正証書の内容に納得できなかったようです。でもその結果、子どもにとって安心できる条件で離婚することができました。

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調停は第三者の冷静な意見を聞ける貴重な場

現在、日本には、協議・調停・審判・判決と、4種類も離婚の種類があります。

いわゆる離婚調停は、「協議」……つまり夫婦間だけで結論が出ないとき、家庭裁判所で調停委員2名の第三者を挟んで話し合い、離婚することです。

正式には「夫婦関係調整調停制度」という名称で、離婚だけでなく、離婚したくない夫婦のために話し合いの場を設ける「円満調停」も行われています。

調停は、互いに合意するまで、ほぼ毎月行われます。私の場合は、8月に調停の呼び出し状が届き、翌年の2月に離婚が成立しました。

調停でいくら話し合っても、互いの妥協点を見つけられなかったり、どちらかが調停へ来なかったりした場合は裁判となり、審判・判決離婚となります。

養育費や慰謝料などの約束が証書になる!

平成10年の調査によると、離婚した人の9割以上が協議離婚で、調停離婚含むそのほかの離婚方法を選択した方は9%と極少数派です。日本人には「裁判所の世話になるなんて」と思う方が多いのかもしれません。

確かに、平日日中に裁判所へ出向くための時間を毎月1~2回も作る必要がありますし、離婚成立まで時間がかかります。でも調停離婚には、それ以上の大きなメリットがあるのです。

ひとつは、第三者を挟むことから、冷静な話し合いができること。場合によっては、一度も相手と顔を合わせずに調停離婚することも可能です。

そして、最大のメリットは、調停が無事終わったとき、調停調書が発行される点にあります。

証書の有無が明暗を分ける!

協議離婚でも、公正証書を作れば未払いの際に対応できますが、相手が書類作成を拒むこともあるでしょう。その点、調停離婚であれば、成立時には必ず調停証書が発行されます。

これは、離婚における条件を記載されたもので、法的な強制力があります。その力は、公正証書以上です。公正証書でも調停証書同様、養育費の未払いなどの場合は、給料の差し押さえなどの強制執行ができます。

しかし、調停証書があれば、強制執行の前段階として、裁判所を通じて「履行勧告」や「履行命令」を行えますし、金銭だけでなく不動産関連にも効力があります。しかも調停証書のほうが、契約の効力が長いのです。


「離婚時に養育費の取り決めをした」という離婚母子家庭は、平成23年度の調査で約38%だとか。その結果、いくら働いても貧困に喘ぐしかない母子家庭が多々あります。

今は、「早く離婚したい」と思うかもしれません。でも調停離婚であれば、時間はかかりますが、子どもの権利である養育費や面会についても、法的に守られます。スムーズな話し合い・合意・証書化が難しい場合は、ぜひ調停制度を利用してみてください。

「子どもがいる」「財産問題などを抱えている」などのケースならば、調停制度を利用するメリットの方がずっと大きいはずです。調停離婚をした私は、離婚から10数年経った今も、ちゃんと養育費を払ってもらえています。

【参考リンク】
夫婦関係調整調停(離婚)| 裁判所

【関連コラム】
離婚裁判の前に夫婦の仲介をする「調停委員」についての基礎知識

●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)

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