【東京都23区版】保活ママが知りたい待機児童の最新事情

東京都内に住みながら子育てをするママたちの悩み事のひとつが、“待機児童”の問題。

出産後、復職するために子どもを預けたいのに、保育園へ入るためにはすでに仕事をしていなければならないという矛盾を抱えることもあります

2016年には「保育園落ちた日本死ね!!!」という言葉がニュースとなり、保活について日本中の関心を集めることとなりました。

将来的な人口減少が予測されている中、新たに保育施設を作ることに消極的な自治体も少なくありません。

そこで今回は、待機児童の問題がより顕著な東京都23区内の比較やそれぞれの区が行う対策、保育に対する支援制度などについてご紹介します。

待機児童とは

160317taikituiki3

『待機児童』の定義

保育所へ入所する資格がありながらそれができず、入所を待っている状態の子どもを待機児童と言います。

しかし、どこまでの子どもをここに含めるのかは自治体によって大きく異なるようです。

待機児童ついては国が定義を定めているものの、待機児童数が減ったように見せかけるためなのか、“改悪”と思われる定義変更が行われることもあります

2001年までは『認可保育所に入所申請をしたが入れなかった人』と定義されていましたが、ここから自治体が独自に助成する認可外保育施設を利用しながら待機している児童らを除いてもよいことになり、1万人以上の減少となりました。

その後、2015年からは“子ども・子育て支援新制度”の給付対象となる施設に入所する子どもや、これから認可を目指すという施設に入所する子どもも含まれないことに。

さらには幼稚園型の一時預かり事業を利用する子どもについても待機児童から外され、見かけ上の数をさらに減少させようという思惑が見て取れます。

この他、保護者が求職活動中や育児休業中の場合も、子どもを待機児童に含める必要がなくなっています。

待機児童増加のきっかけ

1990年代後半ごろから、都市部を中心に待機児童の増加が問題となっています。

これは大都市への人口集中や女性の社会進出が進み共働き世帯が増えたことで、子どもを保育所に預けたいというニーズが高まっていることが原因と言われています。

東京都23区の待機児童数データ【2015年版】

東京都23区の待機児童数ワーストランキング【2015年4月版】

2015年4月現在の、23区それぞれの待機児童数は以下の通りです。

【順位:23区名……人数(前年度順位)】

1位:世田谷区……1182(1位)
2位:板橋区……378(3位)
3位:江戸川区……347(7位)
4位:足立区……322(5位)
5位:目黒区……294(8位)
6位:渋谷区……252(16位)
6位:葛飾区……252(18位)
8位:品川区……215(14位)
9位:豊島区……209(10位)
10位:練馬区……176(4位)
11位:中野区……172(9位)
12位:台東区……170(15位)
13位:新宿区……168(12位)
14位:江東区……167(6位)
15位:北区……160(20位)
16位:大田区……154(2位)
17位:中央区……119(13位)
18位:墨田区……76(11位)
19位:文京区……69(19位)
20位:荒川区……48(22位)
21位:杉並区……42(17位)
22位:港区……30(21位)
23位:千代田区……0(23位)

データの補足

東京都内の待機児童総数は7,814人で、2014年に比べ858人減少しています。

依然として入園できない児童も多いですが、保育所等の利用申込数が625,347人から630,419人へと5千人以上増加している中での結果だと考えると、“定員枠の増加が追いついていない”というのが実情ではないでしょうか。

また、世田谷区の待機児童数が非常に多くなっていますが、これはどのような子どもを待機児童としてカウントするかの定義が違うことが原因です。

待機児童数のカウントの仕方はそれぞれの自治体に委ねられているため、表面上の数字と潜在的な需要には差があることも……

世田谷区のカウント方式を他の自治体と同じようなものにすると400人程度になるようですが、それでも1位ということに変わりはないようです。

全国の待機児童数

平成27年4月時点での全国待機児童数は、前年から1,796人増加し23,167人となっています。

厚生労働省は、“子ども・子育て支援新制度”をスタートさせ保育施設の定員を増やす取り組みを行っていますが、それ以上に申込者数が増加しており、待機児童の解消には至っていません。

東京都23区の保育料補助

160317taikituiki4

認証保育園とは

児童福祉法に基づいて国が定めた基準を満たし、各都道府県知事から認可を得ている保育園を認可保育園と言います。

これに対し、東京都が独自に定めた制度に基づいて設置される保育所を認証保育園と呼びます。

公費で運営される認可保育園に比べ、料金を自由に設定できる認証保育園の保育料は高額になる傾向にあります。

保育料の補助

認証保育園に入園した児童に対しては、保護者の経済的な負担を軽減するためそれぞれの区で補助制度が設けられています。

補助が受けられる金額については、

・認可との差額
・保護者の所得
・子どもの年齢

などを基準に決定されますが、中には、北区のようにそれぞれの家庭状況は一切勘案せず、児童一人あたり一律の金額が定められているところもあります。

この補助により、認可保育園へ通う児童と同程度、または少し高いぐらいの負担に抑えられることが多いようです。

荒川区のように最大で6万円を超える補助が受けられるところもありますが、平均では月額1〜3万円程度となることが多く、これを3〜6か月ごとに銀行振込で受け取ることになります。

補助を受ける際の注意点

認証保育園は、住んでいる区とは別の区にある保育園への入園が可能ですが、この補助金は“今住んでいる区”の制度が適用されます。

入園先の区の制度が適用されるわけではないので、「思っていた補助が受けられなかった!」とならないよう十分注意しましょう。

東京都23区の病児・病後児保育情報

160317taikituiki5

病児・病後児保育とは

集団保育が困難な病中・病後の児童を、医療機関などに付設された専用スペースにおいて保育及び看護ケアを行う保育サービスがあり、これを病児・病後児保育といいます。

子どもが病気になっても仕事を休むことが難しいという場合、対象となる施設に事前に登録を行っておくことで病児・病後児を預けることができるのです。

利用するまでの流れ

>事前登録

病児・病後児保育を利用するためには、事前に受け入れをしている施設で登録の手続きをしておく必要があります。

登録の完了までに数週間かかることもあるため、余裕をもって登録するようにしましょう。

>予約

子どもを預かってほしい日の前日までに予約をしておく必要があります。

予約できる時間が決められていることもあるため、登録の際によく確認しておきましょう。

>病院の受診

子どもが体調を崩したからといって、そのまま預けに行くということはできません。

まずは病院の診察を受け、希望する施設の受け入れ条件を満たしていると判断してもらわなければならないのです

医師連絡票のようなものが準備されていることが多いため、事前にダウンロードするなどし、医師に記入してもらいましょう。

この診察については、委託した医療機関での診察が指定されていることもあります。

>当日

利用にあたっては1日あたり2,000〜3,000円程度の利用料がかかりますが、助成制度が設けられていることが多いようです。

また、昼食は持参が必要で、この他にも着替えや保険証のコピーなど、当日に持っていかなければならないものが細かく指定されることもあります。

利用に際しての注意点

医師が常駐しない施設では、“病気の回復期”である病後児のみを対象とし、安静にしていれば回復に向かうと診断された場合のみ利用できると定めているところもあります。

医師が常駐し病児の受け入れを行っているところでは、病気の急性期にある子どもも預けることが可能です。

また、予約なしで当日になって急に預けるということは難しく、1日数名と定員が決められているため、登録していたとしても預け入れができないということもあるでしょう。

東京都23区内で独自の待機児童対策を行っている4区

160317taikituiki6

杉並区

『待機児童対策緊急推進プラン』を打ち立て、保育施設への受け入れ人数を数百人規模で増加させる取り組みを行っています。

また、就学前の児童がいる世帯へ『子育て応援券』の発行を行っており、これは一時保育などを含めたさまざまな子育て支援サービスに使用することができるチケットです。

使われた券は事業者が直接杉並区に請求することができるため、地域の活性化にもつながっており、街とサービス利用者双方にメリットのある取り組みとして注目を集めています。

世田谷区

待機児童数の多さが目立つ世田谷区ですが、子育てしやすい街とも言われており、子育て支援ヘルパーの派遣を無料で実施するなどの制度も設けられています。

また、国家公務員住宅として使われていた跡地を保育施設として利用するために政府に交渉し、10か所近くの保育所のオープンを実現しています。

この他、理由を問わず乳幼児から預かる『ほっとステイ』や、登録している住民が子どもを預かる支え合い活動の『ファミリーサポート』などの取り組みも続けています。

江東区

江東区では、すでにある建物を有効活用して保育施設として活用しようとする取り組みが盛んです。

“公共施設整備協力金制度”によって、マンション内に保育園を作りそれを区に寄附してもらうという形で創設したり、不動産のリースを活用した認可保育所の分園整備を進めたりといったことを行っています。

また、江東区では豊洲地区を中心に待機児童が集中し、それ以外の地域では比較的余裕があるという背景があり、このバランスの偏在を解消するため“送迎保育ステーション”の充実を目指しているようです。

品川区

『子育てするなら品川区』というスローガンを掲げる品川区も対策に熱心な区のひとつ。

平成22〜25年の4年間で2,528人の受け入れ人数の拡大を行い、その後も精力的に人数増加への取り組みを続けています。

認証保育園に入園した家庭に対する助成はもちろん、待機児童解消のために空き教室を利用した保育制度や家庭で少人数の乳幼児を預かる保育ママ制度も充実しています。

条件が良くなると激戦化するという問題も……

待機児童数のランキングを見ると1年前と大きく変動している区もあり、待機児童対策を行ったり入園の難易度が低いと思われたりすると翌年は倍率が上がるなど、時とともに変化していきます。

2014年には80.8%の入園決定率を誇っていた新宿区が2015年には約66%にまで落ち込むなど、前年度データでは安心して保活を迎えられないという背景があるようです。

子ども・子育て支援新制度で何が変わった?

160317taikituiki7

『子ども・子育て支援新制度』とは、平成24年8月に成立した「子ども・子育て関連3法」に基づく制度のことで、幼児保育や子育て支援を総合的に推進するために定められたものです。

本格的な施行は平成27年4月からスタートしており、待機児童を解消するための制度とも言われています。

現在の問題が改善されるかはこれからという部分がありますが、先立って行われた認可保育園の増加によって待機児童が改善されるということには至っていません。

これは「隠れ待機児童」の存在が原因とも言われており、区のカウントには含まれていない児童が依然として多数散在することが浮き彫りとなっています。

待機児童にならないためには何区に住むのが正解?

160317taikituiki8

認可保育園以外に、認証保育園や認可外保育園、幼稚園などを含めると、こだわらなければ都市部でも何らかの保育施設に入園することは可能です。

ここでは、23区内での認可保育園への入園を希望する場合に見るべきポイントを紹介します。

待機児童数よりも入園決定率の方が重要

待機児童数が少ない区が有利と思いがちですが、そう簡単ではありません。

世田谷区の人口が約88万人なのに対し、千代田区はおよそ5万人。これを見るだけでも、人数の比較にはあまり意味がないことがわかります。

待機児童の定義についても自治体で違いがあるため、潜在的な待機数を把握することは困難です。

そこで指標となるのが、『入園決定率』です。

これは、認可保育園に新たな入園申し込みをした人のうち、何%が実際に入園できたのかというもので、より実態に近い数字と言えるでしょう。

杉並区、大田区、目黒区、渋谷区が50%前後と低迷しているのに対し、荒川区77.5%、葛飾区73.2%と多くの児童が認可保育園への入園を果たしている区もあります。

なお、待機児童0の千代田区は61.6%、ワーストの世田谷区は53.5%となっています。

数字だけでは見えない部分も

待機児童数や入園率も重要な指標にはなりますが、それだけで子育てができるわけではありません。

認証保育園への入園でも、助成金で認証保育園と同等の負担でまかなえる地区もありますし、医療費補助の充実が魅力的な行政もあります。

子育ては一人で行うわけではなく、近くに住む両親が何より心強いということもあるでしょう。

数字だけでなく、子どもにとって何が一番いいのか、総合的な判断が求められます

保育園以外の選択肢3つ

160317taikituiki9

希望した園に入ることができず、空きを待つ待機児童となってしまった場合でも、子どもを預ける選択肢は他にあります。

中には保育園以上の待遇が得られるところもあるため、視野を広げてみるのもいいかもしれません。

(1)小規模保育

0〜3歳未満の児童を対象とし、定員が6〜19人の小規模な保育施設を小規模保育といいます。

保育スタッフ一人あたりが見る子どもの数が少ないため、きめ細やかな保育を行うことができ、集団での生活に馴染めない児童や障がいを持つ子どもを積極的に受け入れる園もあるようです。

なお、定員が20人以上となると“認可保育園”として位置づけられることになります。

待機児童の多くが3歳児未満の子どもで、大都市では大型の園が作りづらいという背景もあり、都市部での広がりが期待されています。

(2)ベビーシッター

子育て支援の先進国と呼ばれるフランスでは、子どもを保育所へ預ける人よりもベビーシッターを雇って子育てをする家庭が多数を占めています。

国の研修を受けたベビーシッター(アシスタント・マテルネル)が25万人存在し、サービスの利用に対しては国からの補助も受けられるため、日本に比べて安価にサービスを受けることができます。

自宅に知らない人を招き入れることや、保育士の資格を持たない人に子どもを預けることに対して抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、どうしても仕事復帰を延ばせないなどの事情がある場合には、選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。

(3)派遣型保育

まだまだ制度として整えられているところは少ないですが、港区では多様な保育ニーズに応えるために派遣型一時保育事業への取り組みが行われています。

あくまで一時的な保育を頼むことができるというものですが、宿泊を伴う預け入れにも対応するなど、どうしても子どもの面倒を見ることが難しいという場合の手助けとなりそうです。

まとめ

「23区の待機児童数」や「各区の対策」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

出生率低下が叫ばれていますが、産んだ子どもを安心して預けることができない社会ではそれも仕方のないことなのかもしれません。

施設を増やすだけでなく、保育士の待遇改善など取り組まなければならない課題は山積みです。

親と子ども、そして保育の現場で働く人全てが幸せになれる制度作りを期待したいですね。

(パピマミ編集部/豊田)

data-ad-region="1"> data-ad-region="2">

注目の記事

このコラム読んでどう思う?

  • いいね (23)
  • うーん (20)
data-ad-region="2"> data-ad-region="2">

あなたにオススメの記事

パピマミをフォローする