家庭でできる「小1プロブレム」対策3つ

【ママからのご相談】
首都圏在住の主婦です。4月から幼稚園の年長になった息子がいます。来年小学校に入るのですが、学区の小学校では、昨年、1年生の1クラスで子供が授業中に動き回ったりして先生がうまく指導できず学級崩壊のような状態だったと聞きました。息子の通う幼稚園でも、のびのび系でしつけには厳しくないので、椅子にじっと座っていられない子供が多いです。

息子もよく動き回るタイプなので、このまま進学したらどうなるのか、今から心配になってきました。小学生になるまであと1年ほどありますが、学級崩壊の一因にならないためにも、家庭でできるしつけなどがあれば教えてください。

a 「学校に近い生活習慣」「座学の習い事」「文字数の多い絵本の読み聞かせ」。ご家庭で慣らしの期間を設けて。

こんにちは。ママライターのKOUです。

今回は、小学校に入学直後、授業中に座っていられない、先生の話を聞かない……といった「小1プロブレム」と言われる問題に関わるご相談です。相談者さんのお子さんが、入学される予定の小学校でも起きたということで、他人事ではないと感じていらっしゃるのですね。

東京都の調査によると、2012(平成24)年度に『第1学年児童の不適応状況』(小1プロブレム)が発生したのは、公立小学校全体の21.1%で、約5校に1校という割合ですから、決して少なくはないように思われます。東京だけではなく、全国で「小1プロブレム」は起こっているといいます。

この問題の対策として、文科省は、幼児教育と小学校の関係者が協力し合って幼稚園・保育所から、小学校への移行をスムーズに行えるような体制や、カリキュラムをつくる「幼小連携」を進めているようです。

たとえば、ある小学校では、1年生が幼稚園に出向いて一緒に遊んだり、園児が小学校のイベントに参加したり、幼稚園と交流しているそうです。

では、なぜ、「小1プロブレム」が起きるのでしょうか?

教育関係者によると、1つの原因として挙げられるのは「学びのスタイルの違い」だと言います。

つまり、幼稚園や保育所などでは、現在、子供たちの自発的活動としての「遊び」が重視されているのに対し、小学校では、旧態依然のままで、教員による教科の学習、いわゆる「座学」が中心になっている点を指摘しています。

白梅学園大学学長であり、東京大学名誉教授の汐見稔幸さんも、著書の『本当は怖い小学一年生』(ポプラ新書)の中で、『教室に座っていられない子どもたちの問題ではなく、旧来の学びスタイルを今世紀になっても続けていることから起こる問題ではないか』と述べています。

そこで、入学前に、少しでもスムーズに「小学校生活」を送ることができるように、お子さんとのご家庭での過ごし方を、元小学校教員だった知人から、“伝授”してもらいました。

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(1)『“時間割”を作り、学校に近い生活習慣を身に付ける』

小学校では、“時間割”通りに授業が行われるので、決められた時間に食事をしたり、テレビを観たり……といったメリハリのある生活を、意識して送ることができるように努めることが重要だといいます。

確かに、幼稚園や保育園では、その子の興味や好奇心に応じて、基本的には「自由に遊ぶこと」が中心だったわけですから、学校に入ってから、すぐに決まった時間に座り、先生の話を聞くという姿勢を強いられることは難しい話です。

一方、海外では、徐々に机での勉強を体験させていく「慣らしの期間」を設けるところがあるそうです。

日本では、その「慣らし」の期間が設定されていませんから、まずは、ご家庭で“時間割”を作ってみて、規則正しい生活習慣を身に付けさせることから始めてみてはいかがでしょうか?

(2)『そろばん教室など、座学の習い事を始めてみる』

座学とはいっても、いきなり、「そこに座って本を読みなさい」と親が指示をしたからといって、ほとんどのお子さんは拒否反応を示すと思われます。

座学も習慣化することで、自然と身に付けることができると言います。たとえば、そろばん教室や習字といった「座学の習い事」がお勧めだそうです。

このほか、幼児教室も良いかもしれません。最近では、小学校の受験対応だけではなく、就学前に机に向かう習慣を付けさせたいという保護者の要望に応える幼児教室も増えています。

あるアニメキャラクターの幼児教室では、幼稚園の年少クラスで、机に座らせながら文字や数字に触れさせる授業があるそうです。

(3)『文字数の多い絵本の読み聞かせを増やす』

絵本の読み聞かせは、未就学児にとって言葉を覚えたり、創造力を高めたりと、大事な経験だと言います。

読み聞かせをする絵本の文字数を増やしていくことで、自然と目に触れる、耳に入る文字の情報量が多くなってきます。

当然、小学校では、教科書での授業がほとんどですから、今から書けなくても文字に触れる機会を少しでも増やし、就学前に文章に親しめるようになるといいようです。


参考になりましたでしょうか?

相談者さんのおっしゃる通り、就学に備えるためのしつけや、教育も大事かとは思います。

しかし、「小1プロブレム」はもっと根深いところに原因があるようです。

前出の汐見さんは、著書『本当は怖い小学一年生』の中で、「日本の幼稚園や保育所の子供の受け入れ態勢にも、問題がある」と、こう指摘しています。

『(ヨーロッパなど海外と比べて)1人の先生がたくさんの子供を見ないといけないので、「○○ちゃん、何しているの」「早く片付けてこっちに来なさい」と、しょっちゅう先生は指示を出すことになる。子供たちが「指示されたら動けばいい」というように適応してしまう。結果的には、自律的な秩序感が育ちにくくなり、無責任な行動が増えていく。そして、そのまま小学校に入学してしまうため、小1プロブレムのようなことが起こりやすくなる』

今は何より、相談者さんもお子さんとご一緒に、最後の幼稚園生活を楽しんでくださいね。

【参考文献】
・『本当は怖い小学一年生』(ポプラ社)/汐見稔幸・著

●ライター/KOU(ママライター)

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