共存することも可能? 外来種&在来種のタンポポの見分け方と豆知識

【ママからのご相談】
最近引っ越してきましたが、子どもたちが道端に咲いているたんぽぽの種類が違うと言います。どうしてなのでしょうか?

『タンポポ』とは

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『タンポポ』という言葉の由来

漢字で書くと“蒲公英”、日本名はフヂナまたはタナと言います。

語源については諸説ありますが、タンポポの茎の両端を裂いて反り返らせる遊びがあり、これが日本伝統の楽器である鼓(つづみ)に似ていることから江戸時代にタンポポをツヅミグサ(鼓草)と言うようになりました。

この鼓を叩く音を表した「タン・ポンポン」という擬音語が語源となっているという説が有力なようです。

タンポポの花言葉

ヨーロッパでタンポポの綿毛を使って恋占いをしていたことから、「愛の神託」という花言葉が生まれました。

この他、「真心の愛」「別離」「神のお告げ」「「思わせぶり」という花言葉もあります。

タンポポ活用法

料理の材料として使われることもあるタンポポ。“根”の部分を使ってハーブティーを作ることもできます。

さらに、これを焙煎したタンポポで行うとコーヒーのような風味を出すため、“タンポポコーヒー”としてカフェイン摂取を控えたい妊婦さんなどに好んで飲まれるようです。

また、茎や根から出る乳液にゴム成分が多量に含まれていることから、ゴムを生成することも可能と言われていて、現在実用化に向けて研究が進められています。

在来(ニホン)タンポポと外来タンポポ

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日本には、大きく分けて2種類のたんぽぽがあります。

在来タンポポ(日本元来のもの)と外来タンポポです。

在来タンポポにはカンサイタンポポ、カントウタンポポ、シロバナタンポポなど、およそ20種類以上が存在します。

北海道や東北地方のエゾタンポポ、関東地方のカントンタンポポ、シナノタンポポは長野県、山梨県の山間部に、中部地方南岸はトウカイタンポポ、西日本にはカンサイタンポポとシロバナタンポポなどがあります。

在来種はだいたい3月の終わりごろから開花し始め、5月下旬頃には地上部(根っこ以外)は枯れてしまいます。そして、次にその姿を見るのは秋以降になります。

真っ白いタンポポ、シロバナタンポポは、元来、西日本のみに分布していた種ですが、地球温暖化の影響か最近では関東地方でも見られるようになりました。

こちらの開花時期は、4月上旬四国や九州から順次南下し、福島県南部までその可憐な白いタンポポが見られるそうです。

一方、外来タンポポは帰化タンポポとも呼ばれ、セイヨウタンポポやアカミタンポポなど、明治以降外国からやってきたタンポポです。

全国に分布し花期も長く、一年中花を咲かせることができます。中東やヨーロッパではサラダとして食用したり、その根をタンポポコーヒーの原料にしたりします。

日本で見られるタンポポの種類とその分布

タンポポは種類が非常に多く、分類が難しい植物と言われています。

上記の分布図で赤で示されているのが“外来種”、緑・黄・白で示されているのが“在来種”ですが、一部でしか見られなかった種類が温暖化の影響などにより幅広い地域で見られるようになるなど、明確な線引きをするのは難しくなっているようです。

日本の在来種

日本の在来種を総称してニホンタンポポと呼びますが、その中でも生息する地域によって細かく種が分けられています。

カントウタンポポは、その名の通り関東地方周辺に分布するタンポポ。

外来種に押されて年々その数が減ってきており、希少種として見られることも少なくないようです。

また、トウカイタンポポは関東から和歌山県にかけて自生するタンポポで、関東や東海地方の他、中部地方など日本で広く見られるようです。

カンサイタンポポは関西地方を中心に生息する品種で、一般的に見かけるタンポポに比べて一回り小さいという特徴があります。

タンポポと言うと黄色い花びらを付けたものをイメージすることが多いですが、白い花びらをした種もあり、これも日本在来のものでシロバナタンポポと呼ばれます。

西日本を中心に見られますが、北海道で自生していることも確認されているようです。

この他、九州地方に生息するツクシタンポポ、北海道北部に生息するコウリンタンポポなど、在来種だけでも20を超える種があると言われています。

外来種

日本で見られる外来種のほとんどは、セイヨウタンポポと呼ばれるもので、夏以降に見られるタンポポはそのほとんどがセイヨウタンポポ。

また、都市部でよく見られ、セイヨウタンポポ以上に繁殖していると言われるアカミタンポポなどもあり、そう果が赤褐色という特徴があります。

どちらも日本全土で見ることができ、年中花を咲かせます。

タンポポの種類を簡単に見分ける方法

どれも同じように見えるタンポポですが、実は見分け方があります。

(1)在来種と外来種の見分け方

タンポポの花を見ると、下側に花を包むようにしている緑色の部分があるのがわかるかと思います。これを『総苞(そうほう)』と言い、そのひとつひとつを総苞片と言います。

セイヨウタンポポはこの総苞片が反り返っており、反対にニホンタンポポは反り返らずにぴったりと閉じていることで見分けることができます。

その他、小花の数にも違いがあり、ニホンタンポポは少なく、セイヨウタンポポは多いという傾向があります。

(2)タンポポを見つけたら、まずタンポポの花の色を見ましょう

白い花ならば、シロバナタンポポです。

黄色い花ならば、前述した総苞片を見てみましょう。

上を向いているのは、在来(ニホン)タンポポです。総苞片が下向きなら外来種です。

(3)次は種の色をみてみましょう

綿毛についた種の色が、茶褐色(コーヒ牛乳色)であれば、セイヨウタンポポです。

種が、赤っぽい(レンガ色)色であればアカミタンポポです。

(4)両方の特徴を持つタンポポも

異なる種同士が結びつき雑種として繁殖することを、交雑(こうざつ)と言います。

近年、在来種とセイヨウタンポポのあいだで交雑が起こっており、在来種と外来種の両方の特徴を持つタンポポも見られるようになりました。

総苞片の反り方で見分けることができますが、これが中途半端な反り返りのものや、閉じたものと反り返ったものが混ざったタンポポも見られるようになっています。

現在では日本に生息する8割以上のタンポポが外来種か雑種とも言われています。

種類ごとに細かな違いはあるものの、雑種の出現などにより判断がつかないものが増えており、専門家でも意見が分かれることもあります。

厳密な判断をするためには遺伝子を調べなければはっきりしないこともあるようです。

タンポポの外来種問題

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外来種の強さ

元々はヨーロッパに生息していた外来種ですが、現在では日本の至るところで見ることができ、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれています。

在来種に比べ開花できる時期が長いという特徴を持つため、分布範囲以上に生息が広範という印象を与えるのではないでしょうか。

よく見られるセイヨウタンポポは繁殖力も強いですが、低温に弱いため寒暖差が激しい条件下では生育できないことも多いようです。

外来種は危険なのか

外来種が在来種をおびやかすという対立構造で語られがちですが、実際には住み分けがされていることも多く、古くからの自然が残る場所では在来種が、住宅街や都市部では外来種がほとんどを占めるという傾向にあるのだとか。

これは、ニホンタンポポは水分や有機物を多く含む良質な土壌を好み、セイヨウタンポポは有機物が少なく乾燥している土壌を好むからのようです。

ただし、もともと受粉を必要とせず単体で繁殖することのできるタンポポの中に、外来種の花粉を在来種が受粉して“雑種”が発生するようになったことなどから、外来種の駆除が行われる地域もあります。

近年確認されているのが、総苞片の反り返りが在来種と外来種の中間のものです。

平成13年度環境省が実施した「身近な生きもの調査」では、844個体のうち、純粋なセイヨウタンポポとして識別されたものはわずか131個体(15%)。残りの713個体(85%)は雑種タンポポでした。

セイヨウタンポポや雑種は単体生殖ができる種です(受粉する必要がない)。

しかし、それでいて花粉も作りだすこともできるため、在来タンポポと受粉でき雑種ができあがるのです。

在来種のカンサイタンポポは数を減らしていますが、トウカイタンポポはそうでもなく、今でも多くの花を見ることができます。

最近の研究では、トウカイタンポポはセイヨウタンポポの花粉を拒絶するのに対し、カンサイタンポポは誤って受粉し、途中でその種子が死亡することがわかってきました。

同研究によると、外来種の花を摘み取るなどすれば、外来種からの繁殖干渉による在来種の駆逐を抑えることができるのではないかとされています。

タンポポと間違えやすい類似植物4つ

(1)オニタビラコ

日本全土で見られるオニタビラコ。

オニタビラコの特徴として、茎をちぎると白い液体が出てくることが挙げられます。

その他に、花びらの先端に細かな切れ込みが入っていることでも見分けることが可能です。

(2)ノゲシ

葉の部分にとげを持つノゲシ。

一つの茎から一つの花が咲くタンポポに対し、ノゲシは一つの茎から複数の花を咲かせます

(3)ジシバリ

卵形の葉をしているのが特徴的です。

花を咲かせた後は、タンポポに比べると少ない花びらを付けます。

(4)ブタナ

タンポポに似ていることから『タンポポモドキ』という別名を持つブナタ。

ひょろひょろと長い茎に、花茎が枝分かれしていることで見分けることができます。

まとめ

「タンポポの意外な活用法」や「外来種の問題」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

普段は気にも留めないことが多いかもしれませんが、その姿を全く見なくなってしまうときっと寂しさを感じる人が多いのではないでしょうか。

大人になって、子どもとにタンポポの見分け方を話せば尊敬のまなざしで見てもらえることもあるかもしれません。

ゴムの原料として使うことができれば、自然に還ることのできるゴム製品を作ることができるようになるなど、タンポポの無限の可能性に目が離せませんね。

【参考文献】
・『帰化植物秘話』高見沢茂富・著
・『身近な雑草の愉快な生き方』稲垣栄洋、三上修・著
・『楽しい自然体験(4)4月の自然あそび』竹井史郎・著

●ライター/*SARASA*(ママライター)
●追記/パピマミ編集部

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