エスカレートする前に! 子供がいじめにあったとき親がとるべき対応

【ママからのご相談】
小学生の子供を2人持つ母親です。長男がいじめに遭っているようです。私は母親としてどう接したらいいでしょうか。何かある前に手を差し伸べたいのです。

a 子供に存在価値を持たせ、居場所を確保することが大切

こんにちは。転校先でさまざまないじめを経験した桜井涼です。ご相談ありがとうございます。

お母さんとしては、心が痛くなる思いをしていることでしょう。心中お察しいたします。

私も小学生のころ、8回ほど転校を繰り返していたので友達はできませんでしたし、ひどいいじめにも遭いました。

私の場合は、学校へ行くよりも家族と過ごす時間が楽しかったことや、親が話をきちんと聞いてくれたこと、そして自分の存在価値と居場所を確保してくれたことがあったので乗り越えることができたのだと思っています。

今回は、いじめられている側の立場からお話をさせていただきたいと思います。

子供がいじめをする理由5つ

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(1)自分と違う人を排除するため

集団生活の中で、他人と違う行動をする人はどうしても目立ってしまいます。

人と同じであることが良しとされる学校教育の中では、人と違う外見や内面を持つ子供は受け入れづらく、排除しようとする傾向にあるのです。

また、「こいつは集団を乱している。自分が正さなければ」という正義感からいじめをする人もいて、これはいじめているという自覚がないため、どんどんとエスカレートしてしまう危険性があります。

(2)心の安定を保つため

不安定な心理状態になったとき、人は自分のことを守ろうとする意識が働きます。

これを『防衛機制』といい、抑圧された感情を誰かにぶつけようとする気持ちがいじめとなって表れ、優越感で心の安定を保とうとします。

(3)自分がいじめられないため

1人の子がいじめられると、周囲の子供たちもそれに同調していじめが連鎖的に起こることがあります。

これは、自分がいじめのターゲットになってしまわないように“いじめる側”にまわろうとするため。

自分がいじめられないためにいじめるというのは、珍しいことではありません。

(4)暴言や暴力が当たり前の家庭で育った

家庭で両親から暴言を受けるのが普通で、時には暴力を受けることもあるという家庭で育った子供は、それが悪いことだと認識せずに育ってしまいます。

その結果、同じようなことを学校で友達にしてしまい、しかもそれをいけないことだとは気づかずにいじめをしてしまうのです。

(5)ストレス解消

いくら子供とはいえ、学校生活を続けているとストレスを抱えてしまうもの。

勉強がうまくいかなかったり、友達関係に悩んだりして、それを解消させるために他の子をいじめてしまう子供も出てきます。

退屈な学校生活を楽しむために、いじめを行うということもあるでしょう。

今と昔の子供に対するいじめの違い

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いじめは昔からあるものですが、その性質は大きく様変わりし、巧妙で陰湿化してきています。

昔は、力を持ったガキ大将的な子供が暴力をふるうというもので、突発的に行われることが主でした。みんなが恐がり、いじめる側が孤立することも。

しかし、現在のいじめは、“大人数で一人を追いつめていじめる”という構図になっています。いじめる側にいることが安全とみなされ、いじめられる側を孤立させるのです。

そのため、いじめられる側が声を上げなければ発覚しづらく、周りに味方がいない状況へとどんどん追い込まれていきます。

「みんながやってるから」となって歯止めがかからず、エスカレートしやすいと言えるでしょう。

子供がいじめられているときのサイン

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子供がいじめを受けていれば、家庭で何かしらのサインが見られるはずです。早い段階で異変に気付くことができれば、最悪の状況を防ぐことができます。

・学校のことを話さなくなる
・ぼーっとする
・成績が下がる

などのことがあれば、いじめの不安や恐怖でストレスをかかえているのかもしれません。

また、

・持ち物をよくなくす
・服が汚れている
・怪我をしている

などは、いじめられている証拠と言えます。

この他、感情の起伏が激しくなったり親に対して攻撃的な言動をするようになるのも、いじめを受ける子供が見せるサインのひとつです。

子供がいじめられていることを親に言えないワケ3つ

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(1)いじめを受け入れたくない

子供にとって学校というのは、自分の世界の全てといっても過言ではありません。嫌なことをされたとしても、そこで自分がいじめられているということは受け入れづらいものです。

「自分になにか悪い部分があるのでは」などと考え始めてしまうと、余計に言い出せなくなってしまいます。

(2)心配をかけたくない

いじめられていることを、みじめで恥ずかしいことだと思う子供も少なくありません。大切な家族にそれを知られてしまうことは、できれば避けたいことです。

決して親を信頼していないということではなく、心配させたくないという気持ちが強くなることで打ち明けることができなくなります。

(3)よりひどい目にあうことへの恐れ

親にいじめられることを言えば、何らかの対処をしようとするでしょう。それが学校に伝わり、いじめる側の耳に入ればもっとひどい目にあうことも考えられます。

今の状況を悪化させるような行動は、なかなか実行することができません。

子供がいじめられているときの親の対応6つ

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(1)家庭を安住の居場所にしておく

いじめは何をきっかけにして起こるかわかりません。ある日突然始まります。

でも、いじめられている側にはほとんど非がないことが多いです。子供は親に言おうか迷います。

しかし、心配をかけたくないと思ってしまう心があり、なかなか言い出せません。

自分の居場所があって心安らぐ家族がいれば話を聞いてもらいたくなってきます。大人もそうではありませんか?

家に帰ってくれば、ほっとして心を開くことができるのではないでしょうか。

いじめを受けた子供のストレスはかなりのものです。そのために安心できる場所が必要であることは間違いありません。心を開ける家族と過ごせる時間が重要です。

家での楽しさ・安心感の比重が大きければ、学校でつらいことがあっても頑張れるものです。

(2)話を聞いてあげる

いじめられたことを話してきたら、安心できる言葉をかけてあげましょう。

決して、「何にもしてないのに、そんなことをするはずがない」なんてことは言わないでください。

子供はそれ以上何も言えなくなります。いじめがエスカレートして、本当に助けてほしいときに声を上げられなくしてしまうのが、親の心許ない一言なのです。

私の父親は厳しい人でしたが、子供の話をしっかり受け止めてくれる人でした。子供のとき、それがどんなに心の支えになったことでしょう。

自殺をしないで大人になれたのは、話を聞いてもらえたことが大きかったと今になって思っています。

「どんなことをされたのか」や、「どんなことを言われたのか」を親身になって聞いてあげることが大事です。子供はそれを望んでいます。

そして、嫌だと感じた気持ちを汲み取ってあげましょう。その後のことは、学校側との相談が必要です。

(3)子供を全面的に肯定する

医師で心理カウンセラーでもある明橋大二先生は、著書の中で「存在への自信」を育むことが大切で、子供を丸ごと褒めることが大切だと言っています。

本当にこれは大切です。私もそうだったのですが、いじめを受けた子供は自信をなくしますし、「何で生きているのか」なんてことを考えてしまいます。

だからこそ、親が条件付きの褒め方(何かをしたからすごいなど)ではなく、無条件に褒めて、子供の全てを肯定してあげることが必要なのです。

(4)自信をつけさせる

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“太っている”“メガネをかけている”など、外見的に人と違うことが原因となっていじめに発展することもあります。

これに対して子供が劣等感を持ってしまうと、卑屈になり、ますますいじめがエスカレートすることになります。

「人と違うことは欠点ではない」「その部分も含めて私たちは大好き」ということを伝えるようにしましょう。

小さな自信を持つことで堂々と振る舞うことができれば、それだけでいじめがなくなることもあります。

(5)子供自身がどうしたいのか聞く

子供がいじめられているとなると、親はパニックになってしまい大騒ぎしてしまうことも少なくありません。

しかし、親が出ていかずに、子供同士の方がスムーズに解決できることもあります。

ますは子供にどうしたいのかを聞き、親が先走って対処することのないようにしましょう。その場限りのトラブルだったのか、悪質ないじめなのかによって対応も変わってきます。

ただし、子供はいじめがおおやけになることを恐れている場合もあるので、本心は何なのかしっかりと見極め、何があっても自分たちが味方になって守るということを伝えたうえで聞く必要があります。

(6)いじめっ子への対処法を伝授する

気が弱く、感情をあまり表に出さない子はいじめられやすい傾向にあります。

嫌なことははっきり嫌と言う、なにか言われたら言い返す、聞き入れてくれるまで何度も言うなど、自分の気持ちを相手にきちんと伝えることから始めさせてみましょう。

これでもおさまらない場合には、助けの呼び方を伝授。

学校には担任の先生だけでなく、保健の先生や体育の先生、校長先生などいろいろな先生がいます。子供が「この人なら話してもいい」と思える先生に、現状を伝えるようにさせましょう。

周りが助けてくれるのを待つより、自分から行動する方がいいということをすすめてください。

子供がいじめられたときの学校への上手な相談方法

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いじめが起きた場合、必ずしも学校側が子供の味方になってくれるとは限りません。きちんと対応してもらうためにも、正しい手順を踏む必要があります。

(1)子供に事実確認をする

子供がいじめられているということを正しく伝えるために、まずは事実関係をはっきりとさせましょう。

いつ、誰に、何をされたのか。

可能であれば文書の形で記録し、いじめがあったらそのつど記録を残すようにしてください。

(2)担任に連絡する

間違っても、いじめた子の親に直接抗議するようなことはしてはいけません。「自分の子供がいじめなんてするはずがない!」と余計に話がこじれてしまうことにもなります。

まずは、学校の担任に対して事実関係を伝えることからです。事前に記録した内容を元に、冷静に伝えるようにしましょう。

直接会って面談等を希望する場合には、具体的な日時も伝えるようにしてください。

(3)学校側との面談

先生との面談をする場合には、記録した資料をしっかりと渡す形で準備することが大切です。

渡した後に「紛失しました」などと言われてしまわないよう、提出用と自分用の2部を準備するようにしましょう。

子供が怪我をしている、物が壊されたなどの場合には、写真や現物などの物証も持参してください。

(4)要求をはっきりとする

現状を伝えたら、「相手の子に謝ってほしい」「いじめをやめさせるよう対処してほしい」など、学校側に何をしてほしいのかはっきりと要求しましょう。

感情的になってグチに終止することなく、解決策を出すような働きかけが必要です。事実と要求を淡々と伝えなければ問題点が分かりづらくなってしまいます。

何をしてくれるのかを聞き出したら、それを文書として残しましょう。

(5)うまくいかなければ管理職や教育委員会に相談

担任との交渉がうまくいかない場合は、上司の教頭や校長にあらためて相談しましょう。

それでも解決しなければ、さらに教育委員会へ相談することも視野に入れる必要があります。

自分の子供がいじめる側だったときの対処法

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いじめられる子供がいるということは、当然いじめる子供がいるということ。自分の子供がいじめる側だったということもあります。

信じたくない気持ちもわかりますが、きちんと向き合わなければいけません。

子供はいじめることを悪いと思っていないこともあるため、「いじめは卑劣な行為だ」ということを根気強く伝えましょう。

また、子供がいじめをするときには、何かしら不満を抱いていることが多いものです。家庭で異変がないか気にかけるようにし、会話する時間をとるように意識しましょう。

もし自分の子供が悪いというときには、相手の子供や家庭に対して親が誠意をもって謝ることで、子供は自分のしたことの過ちを理解できるかもしれません。

まとめ

「子供がいじめられているときのサイン」や「学校への相談方法」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

子供同士のトラブルと安易に考え対応を間違ってしまうと、取り返しのつかないことになってしまうこともあります。

子供にとって一番の味方となってあげられるのは、パパ・ママに違いありません。そこで信頼してもらうことができなければ、子供はより一層、一人で抱え込んでしまうことになるはず。

しっかりと子供を見つめ、話に耳を傾けることをおろそかにしないことが大切です。

【参考文献】
・『子育てハッピーアドバイス 大好き! が伝わるほめ方・叱り方』(1万年堂出版)/明橋大二・著

●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
●追記/パピマミ編集部

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