妊娠女性が「妊婦様」と批判されるワケ3つ

【ママからのご相談】
妊娠4か月の40代主婦です。なかなか子宝に恵まれず、ようやく授かった命なので、お腹の中の子供にストレスがかからないように日々過ごしています。

先日、電車に乗ったとき、私がマタニティマークをつけていたことに気づいたのか、60代くらいの男性が親切に席を譲ってくれました。

少し吐き気がしていたので、お礼を言って座ったのですが、隣に座っていた女性が、「おじいちゃんに席を譲ってもらうなんて。

妊婦様って、だから嫌だ」と聞えよがしに言ってきました。その女性は20代くらいで、いかにもキャリアウーマン風の方のようでしたが、「妊婦様」という言葉に傷ついてしまい、外出が怖くなりました。

最近、妊婦に対して厳しい意見が多いような気がします。どうして何でしょうか?

a 「威圧感」「言動が理解できない」……。厳しいご意見続々と。

こんにちは。ママライターのKOUです。

ご相談者さんにとって、心待ちにされていた妊娠ですから、体を大切にされるのは当然だと思います。

そんな事情を知らない女性から、「妊婦様」と言われ、大変つらい思いをされたのではないかとお察しします。

ただ、電車の中というのは不特定多数が集まる場所ですから、様々な価値観があるのは仕方がないことです。

全ての人に自分を理解してもらうことは不可能ですから。

ご相談者さんのおっしゃる通り、妊娠している女性のことを「妊婦様」などと揶揄しながら嫌がらせをする人が増えていると聞きます。

最近は、ある女性タレントさんが、妊娠を公表したことによる誹謗中傷などを受け、自身のブログのコメント欄を限定公開に変更したという事例がありました。

そもそも、妊娠している女性のどのような言動が批判されたりするのでしょうか?

そこで、妊婦に嫌悪感を持った体験のある男女の意見を集め、その理由を探ってみました。

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「威圧感がある」

『大きなお腹をして、私の前に立たれてじっと見られると、席を譲らないといけないような威圧感があった』(70代既婚男性)

『マタニティマークをカバンにぶら下げた女性と肩がぶつかったとき、にらまれたような感じがして怖かった』(50代既婚女性)

電車の中で、大きなお腹をして目の前に立たれ見つめられたら、お年寄りの方でさえも席を譲ろうかと気を遣ってしまいますよね。

ただ、ご相談者様のように、体調の悪いときは、席を譲ってほしいなあと思うことは、間違ったことではないと思います。

しかし、大きなお腹をしていたり、マタニティマークをぶら下げていたりしている女性の振る舞い方によっては、「妊娠しているから、親切にされるのが当然だ」という態度に見えてしまう場合も少なくありません。

その態度が、「妊婦様」と呼ばれるゆえんのようです。

「(マタニティハイ状態の)言動が理解できない」

『胎児のエコー写真をブログにアップするのはやめてほしい。つまらない』(40代独身男性)

『男まさりの女性が、妊娠してから自分のお腹に向かって、赤ちゃん言葉で声を掛けているのが気持ち悪い』(30代既婚女性)

確かに、独身男性にとって、「胎児のエコー写真」には何の面白味も感じないと思います。

前出の女性タレントさんも、妊娠発覚時には胎児のエコー写真をブログにアップしたことなどで、世間から「結婚してから頭がお花畑」「ママタレの枠狙いすぎ」などの批判を浴びたようです。

なぜ、妊娠した女性の中には、他人から見たらつまらないと思われる「胎児のエコー写真」をブロクなどに載せてしまうのでしょうか?

知人の産婦人科医に聞いたところ、妊娠によるホルモンのバランスの変化などにより、気が沈んでしまう「マタニティブルーズ」とは真逆に、気分が高まる「マタニティハイ」になる女性もいると言います。

この状態を、世間では「頭がお花畑」といったりするようです。

要するに「マタニティハイ」になると、自分のお腹の中に宿った“命”に自身が感動し、その幸せな状況を逐一、記録し残していきたい、知らしめたいと高まる気持ちが抑えられなくなり、「胎児のエコー写真」を載せる行為に及んだのではないかと推察されます。

「男まさりの女性が赤ちゃん言葉」の事例もまた、妊婦が「マタニティハイ」な状態だと言えるのではないでしょうか。

一方で、母性の芽生えからくる行動とも受け止められますが。

私自身も妊娠中は、よくお腹の息子に「ベビちゃん、元気でちゅか~」などとささやいていました(苦笑)。今考えると、気恥ずかしいかぎりです。

「腫れ物に触るような感じで、扱いづらい」

『妊娠した同僚の女性にランチを誘ったら、外食はお腹の赤ちゃんに良くないからと断られた。感じ悪い』(20代独身女性)

『会社で、妊娠している女性社員が重そうにダンボールを運んでいたので、代わりに持ってあげようかと言ったらセクハラだと言い返された。とても心外』(50代既婚男性)

妊娠すると、女性は健康志向になる方は多いかと思われます。そのため、働いている女性の場合、外食を控えてお弁当を持参したりする方もいらっしゃるようですね。

とはいっても、ランチを誘う立場からみると、「体に良くない外食をしている皆さんとはご一緒できないわ」と聞こえてしまうかもしれません。

また、妊娠している女性の中には、周りに気を遣われるのが苦手だという方もいらっしゃるようです。

ただ、「セクハラ」と言ってしまうのは相手の親切心を踏みにじることになりかねません。


いずれの事例も、妊婦に対して「扱いづらい」と感じた体験でした。

厳しいご指摘とご意見ばかりですが、参考になりましたでしょうか?

妊娠している女性を見ただけで「妊婦様」と揶揄したり、マタニティマークをつけている女性のお腹を故意に蹴るなど、悪質な嫌がらせをしたりする人もいるのは事実です。

雑多な価値観がうごめく社会で暮らしていくためには、自分で自分の身を守っていくしかありません。

愛しいお腹の中の子供を守れるのはママだけです。特に命の危険を察した際には、その場から逃げることも必要かと思います。

ご相談者さんが、無事にご出産されることを心からお祈りいたします。

●ライター/KOU(ママライター)

編集部追記

今回のコラムでは、世間の妊婦への意見が厳しい理由として、“威圧感がある”“言動が理解できない”といった視点からアドバイスをいただきました。

「妊婦様」について、一般的にはどう言われているのか、編集部でまとめてみました。

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妊婦が抱えがちな問題3つ

「偉そう」「上から目線」など、ネット上ではネガティブなイメージをもたれている妊婦ですが、彼女たちが抱えている問題にはどういうものがあるのでしょうか。

上記では妊婦様に対する世間の声をご紹介しましたが、ここでは妊婦にありがちな問題についてお話ししていきます。

(1)マタニティマーク問題

マタニティマークとは、外見では妊婦と分からない人でも周りに気づいてもらえるように使われているもので、妊娠中のママがよく身につけていますね。

とくに妊娠初期はあまり体に負担をかけるのは良くないとされているため、電車やバスなどの公共機関ではマタニティマークを身につけている人への配慮を呼びかけていることが多いです。

さて、本来妊婦を守ることを目的として作られたこのマークですが、実際に活用される現場では予想と違った反応をされることが少なくないようです。

【マタニティマークへの理想的な反応】
優先席を譲ってくれる
・周囲が優しく見守ってくれる
・妊婦特有の体調不良に理解を示してくれる

【マタニティマークへの実際の反応】
席を譲ってもらえないどころか睨まれる
・小声で悪口をささやかれる
・体調不良が優遇されるための“仮病”だと捉えられる

もちろんマタニティマークを見て配慮してくれる人も多いですが、その一方で嫌悪感をむきだしにしてくる人もいます。

信じがたいですが、「わざとお腹をなぐられた」「階段付近で背中を押された」などの事例もあるようです。

また、マタニティマークをつけている店員にわざと重い物を運ばせたり、タバコの煙を吐きつけるような人もいるとのこと。

さらに、ネット上ではマタニティマークに対して「優遇しろアピールがうざい」「こっちには関係ない」など、辛らつな意見が飛び交っています。

株式会社プラスアールが行った「妊娠中、公共交通機関で席を譲ってもらったことがありますか?」というアンケートに対して、「いいえ」と答えた人が72%もいることが分かりました。

このような現状を受けて、マタニティマークを外してしまう妊婦も増えてきているようです。同社が行った「マタニティマークを外すことがありますか?」という問いに「はい」と答えた妊婦の割合は約3割となっています。


妊婦を守るために作られたはずのマタニティマークが、逆に危険を誘発するマークへと変貌しつつあることが分かります。

妊婦の中にはこのような状況に怯えて外出をためらう人もいるようです。私たちは今一度、妊婦への態度を見直してみる必要があるのではないでしょうか。

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(2)マタハラ問題

続いて妊婦の多くが抱えがちな問題が、“マタハラ問題”。日本には産休制度や育休制度などの子育て支援制度があり、子どもが育てやすい環境を実現しているように思えます。

しかし、その実態は理想とはかけ離れたところにあることが多いようです。

マタハラの代表的な事例としては、

降格や減給
②育休の拒否
③退職の強要
④その他妊娠を理由とした嫌がらせ

などがあります。妊娠をすると、とくに初期のころは、つわりや出血による貧血などで体調不良になりやすくなります。

その結果、これまでの仕事量をこなせなくなることがあります。①は、そうした妊婦の体調不良を理由にポジションを下げたり、給料を削ったりすることを指します。

②は仕事に支障がでるなどの理由で育児休業の取得を拒否されることで、そこからさらに「休むくらいなら辞めたら?」と③のように退職を要求することもあります。

そうした“明らかに法律違反”なマタハラの他に、上司や同僚からの嫌がらせもあります。

「病人じゃないんだから」といつもより多めの仕事量を任されたり、わざと流産や死産の話をして不安を煽ってくるといったこともあるようです。

また、女性同士では、陰口が多くみられると言います。

連合非正規労働センターが行った「マタハラが起きる原因」の調査では、

・1位……男性社員の妊娠出産における理解不足・協力不足
・2位……会社の支援制度の運用の徹底不足
・3位……女性社員の妊娠出産における理解不足

という結果が出ています。男性は妊娠出産を経験することがないので、共感しづらいというのがあるかもしれませんね。

しかし、本当にマタハラが起きる原因はこれだけなのでしょうか? 今、世間では“逆マタハラ”という言葉が注目されつつあります。

逆マタハラとは、妊娠中の女性がその権利を利用して周り(仕事や人間関係)に迷惑をかけてしまう行為のことです。

たとえば、上記のように嫌がらせを受けている妊婦がいる一方で、他の人よりも仕事量を減らしてもらっている妊婦もいます。

この場合、その妊婦は他の人よりも少ない仕事量で同じ給料をもらっているということになります。

妊婦への配慮はもちろん大切ですが、そのしわ寄せは周りに流れていきます。

その結果、仕事量が増えたことで毎日残業になったり、終電まで帰れなくなる社員が出てくるケースもあります。

そういう過酷な状況に追いやっておきながら、「当たり前」「悪いことはしていない」と平然な顔をする妊婦。これが“逆マタハラ”です。


マタハラと逆マタハラ、それはどちらも影響し合っているように私は思います。仕事上だけでなく、電車でも嫌な態度を取る妊婦がいるのも事実です。

それを見た人が妊婦を卑下し、卑下された妊婦が“マタハラ”を叫ぶ。そんな悪循環があるように感じるのです。

もちろん制度上の問題や妊娠中の症状が周知されていない状況というのもあるでしょう。

しかし、双方が謙虚な心を持ち、協力し合う姿勢を持つことで、多少は摩擦を減らすことができるのではないでしょうか。

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(3)マタニティハイ問題

マタニティハイとは、落ち込んだりネガティブになるマタニティブルーとは反対に、うれしさや喜びが湧き出てきてテンションが高くなっている状態のことを指します。

原因としては、マタニティブルーと同様にホルモンバランスが関係していると言われています。

マタニティハイの特徴としては、

周りにやたらと妊娠を勧める
・妊娠報告を繰り返す
・妊娠生活がいかに幸せかアピールする

などがあります。「妊娠をポジティブに捉えるのは良いことじゃないの?」と思う方もいらっしゃると思います。しかし、この“マタニティハイ”、多くの妊婦さんが後悔しているのです。

上記で挙げた例は、自分でする分にはいいですが、受ける側からすると不愉快に思うこともありますよね。

とくに、妊娠を勧めるのは、不妊治療をしている人からしたら屈辱に感じてしまうことでしょう。

妊娠を喜ぶことは素晴らしいですが、それによる言動で傷ついてしまう人もいます。

多くの妊婦さんが後悔しているというのは、上記のような不用意な発言によって人間関係に亀裂を入れてしまうケースが多いからなのです。

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“妊婦様”にならないために

傲慢で上から目線な妊婦を客観的に見ると、「自分は絶対ならないだろう」と首を振る方もいらっしゃるでしょう。

しかし、“妊婦様”問題のややこしさは、“自分はそういうつもりがなくても、周りがそう見てしまう”という点にあります。マタニティマークを見て「譲れと言われているように感じる」といった人がいるように、普通に生活しているだけでもイライラされてしまう場合もあります。

そこで、嫌われない妊婦になるためのコツをご紹介します。

妊娠報告は慎重に

妊娠報告というのは、一見簡単なように思えますが、さまざまなタブーをはらんでいるイベントでもあります。

たとえば、独身の友達への報告の場合。上記のようなマタニティハイの状態で報告してしまうと、それがきっかけで疎遠になってしまうこともありえます。

親しき仲にも礼儀ありを忘れずに、気を遣いながら報告するようにしましょう。

間違っても、「あなたも早く作ったほうがいいわよ」などとは口が裂けても言わないようにしましょう。

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気にしすぎないことも大事

これまでさんざん「気を付けましょう」的なことを書いてきましたが、あまり気にしすぎることのも逆効果です。行き過ぎた謙虚は傲慢に変わることがあるからです。

たとえば、電車などで席を譲ってもらう際、「周りは妊婦を傲慢だと思っている」ということを思い出し、そっけなく「けっこうです」と断ったとします。

すると、善意で譲った人は「せっかく譲ったのに、なんだその態度は」と思ってしまいます。

「気を遣ってもらって当たり前」と考えるのはNGですが、「気を遣ってもらうのは申し訳ない」という思いが強すぎても相手を傷つけてしまうことになります。

ほどよく肩の力を抜いて、善意を差し出された際はきちんとお礼を言って受け取るようにしましょう。

無実の“妊婦様”を作らないために

妊婦が普通に過ごしているだけでも「傲慢」「偉そう」と思われてしまうことについては触れましたが、周囲の勘違いで“妊婦様”にされている妊婦も少なくありません。

無実の妊婦様をつくらないためにも、周りの方が勘違いを防ぐようなサポートをしてあげることが大切です。

サポートといっても簡単なことです。妊婦に何か協力してあげる際に、嫌な顔をしないようにすれば良いのです。

「面倒くさい」だの「迷惑」だのと思いながら協力していると、妊婦が悪者に見えてしまいます。協力してあげる際は、気持ちよく手助けしてあげるようにしましょう。


「妊婦が抱えがちな問題」や「妊婦様にならないための注意点」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

“妊婦様”問題はもはや社会問題とも言えるでしょう。しかし、ありきたりですが、将来の日本を担っていくのは子どもたちです。

子育てしやすい環境が確立されていることは国のためにも大切なことなのです。

周囲の人は妊婦に優しく、妊婦は謙虚な姿勢で、協力し合っていきましょう。

(パピマミ編集部/上地)

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