グリグリって何!? 妊婦が苦手な“痛い内診”の知っておきたい基礎知識

【女性からのご相談】
半年ほど前に出産しました。妊娠後期から何度も内診されましたし、お産のときも、陣痛が長引いたせいもあるのか複数の助産師さんや医師から内診されました。

そのたびに痛くてツラい思いをしました。そんなにたくさん内診する必要があるのでしょうか?

a 内診は必要だが最小限に抑えるべき

ご相談ありがとうございます。助産師のHillまゆ子です。

確かに内診は恥ずかしいものですし、それに痛いものでもあります。しなくてすむならそれに越したことはないですよね。

しかし残念ながら、お産の進行を知るためにはどうしても内診が必要なのです。今日はそのことについてご説明します。

そもそも内診って何?

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上記コラムでは、お産の具合を診ることを中心に内診の説明をしていただきましたが、そもそも内診とはどういった検査なのでしょうか。

内診とは、産婦人科で日常的に行われている検査方法のひとつで、医師や看護師により膣内、子宮、卵巣などの状態を確認してもらう検査方法です。

内診の方法には、指で行われる場合(双合診)と、専用の機械を用いて行われる場合があります。

超音波検査(腹式エコー)やMRI検査に比べて、痛みを訴えていたり異常が起きていたりする箇所の詳細な評価が期待できます。

内診が行われる部位は女性にとってデリケートな部分であるため、受診することをちゅうちょしてしまう女性も少なくないとされています。

内診が必要なワケ

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子宮口の開き具合は、残念ながら助産師や医師の指で確かめるしかありません。これだけ医療が進んだ現代でも、そこだけは原始的とも言える方法ですよね。

子宮口の開き具合を知ることは、お産が正常に進んでいるかどうかを判断するために、とても重要です。

また、内診によって、子宮口の開き具合だけでなく、赤ちゃんの頭の向きが正常かどうか、前後逆になっていないか、またはお尻や手が先に降りて来ていないか、へその緒が挟まっていないかなど、さまざまな情報を収集することができるのです。

また内診には、お産の進行具合を診る他にも、妊娠の判定や婦人系の病気を早期発見するという目的があります。

検査によって子宮の形や大きさ、向きなどがわかると、膣内や子宮、卵巣などの異常をいち早く発見することができ、

・子宮筋腫
・子宮がん
・卵巣がん
・卵巣のう腫
・膣感染症
・膣炎

などを見つけることができます。いずれも女性特有の病気であり、重い症状を引き起こす可能性があることから、婦人系の病気の検査には必要不可欠な方法だと言えるでしょう。

子宮口の開き方

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子宮は、大きな水風船のように、赤ちゃんの成長に合わせてどんどん大きくなります。

その際、中に入っている赤ちゃんが出て来ないように、風船の出口はきちんと閉まっていなければなりません。それが子宮口です。

子宮口というのは、通常3〜4cm長さ(厚さ)があります。子宮口が開く際には、まずは長さがどんどん縮んで、薄くなっていきます。

水風船の出口が、中に入っている水に押されてどんどん薄くなる様を想像してみてください。限界まで伸びてから、やっと開き始めるのです。

ですから、内診で子宮口が0cm(全く開いていない状態)であっても、全くお産が進行していないとは言いきれません

子宮口の長さ(厚さ)がどんどん薄くなっていれば、まだ開いていなくても、お産は進行していると言えるからです。

さて、子宮口は、通常10cmまで開きます。これは、円形に開いている部分の半径が10cmということです。10cm(全開)になって初めて、赤ちゃんが通ることができるのです

また、中には子宮口が縮んだという経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

ごくまれに、子宮口がむくんで前回の判定よりも小さくなってしまう場合がありますが、ほとんどの場合は、術者が変わったことによる誤差です。

ですから、子宮口が縮んだからといってがっかりすることはありません。実際には、お産はきちんと進んでいることがほとんどなのです。

知っておきたい内診の流れ

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内診ではデリケートな部分を診察されるため、何をされるか不安に感じる人も多いようです。そこで、ここでは内診がどのような流れで行われているのかを見ていきます。

これから内診を受けるという方は、あらかじめシュミレーションしておくと本番でリラックスできるかもしれません。

(1)まずは内診台へ

検査を始める前に、まずは妊婦検査でも用いられる“内診台”へ移動します。両足を置く場所が自由に調節できるようになっているため、検査の際に無理な体勢になることはありません。

たいていの場合は内診台にカーテンが備え付けられていますが、病院によっては無いところもあります。

どうしても検査の様子を見たくないという方は、カーテンの有無を事前に確認するのが一番ですが、その場で伝えても適した処置を施してくれることがありますので、遠慮せずに申し出るようにしましょう。


余談ですが、アメリカの診察台にはほとんどカーテンが備え付けられていないそうです。日本人はシャイでアメリカ人はオープンだから、といった文化的な比較もできそうですが、アメリカ人の場合は、カーテンが引かれた方が不安に思ったり不快に感じることが多いそうです。

(2)外生殖器の触診

いよいよ内診が始まりますが、まずは外生殖器の触診からはじまります。病気によって変色していないか、腫れものやできものがないかなどの確認が行われます。

擦り傷などによる出血などがある場合は、細菌感染の有無を確かめるために培養検査が行われることもあります。

(3)膣鏡を用いての検査

続いて、クスコとも呼ばれる膣鏡を用いた検査が行われます。膣鏡にはさまざまなサイズのものがありますが、基本的に患者の体格に合わせたサイズが選ばれます。

また、クスコは金属製で冷たく感じることも多いので、事前に少し温められたものが使用されます。

膣鏡で膣壁を広げる際に少し痛みを感じる人もいますが、膣鏡で広げることによって医師が膣内の異常を視覚で確認することができます

(4)指による触診

膣鏡による検査が終わると、今度は潤滑油を塗布した検査グローブを装着して、1〜2本の指による触診が行われます。

片方の手で腹部を圧迫して内臓を固定し、骨盤や膀胱、子宮や直腸などを診察します。主に、どの部位に痛みがあるのか、腫瘍ができていないか、などをチェックしていきます。

また、40歳以上の女性の場合は、直腸検査も実施されることがあります。膣内検査と同様に指を挿入し、直腸がんの有無や骨盤の位置が正しいかなどの確認が行われます。

検査時の痛みの感じ方によっては、子宮内膜症などが疑われることがあります。

内診で使用される主な道具

内診では、用途によってさまざまな道具が使われます。以下では、内診に使用される主な道具をご紹介します。

・クスコ(膣鏡)……内診の最初に使用される器具で、2枚のへら状のものでできており、膣を広げることができます。
・綿棒……主に子宮頸部がんの検診のときに使用されます。子宮頸部をこすって細胞を取ります。
・マルチン単鈎鉗子……子宮頸部を固定するのに使われます。子宮内膜などの検査で活躍します。
・経膣超音波検査プローベ……婦人系の病気に関する詳しい情報を取得するときに使用されます。
・キューレット……子宮内膜の検査をするときに使用されます。器具の先端部分で子宮内の組織をかきだします。
・子宮鏡……子宮の中をみるために使用されるます。子宮筋腫などが見つかった場合には、この器具で切除することができます。

内診前に準備したいこと

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内診前に準備しておくべき物としては、

・お薬手帳
・保険証
・基礎体温表(つけている人は)
・ナプキン(内診時に出血する可能性があるため)

などが挙げられます。また、内診前だからといって膣の中まで洗浄することはやめましょう。

膣内のおりものや分泌物が洗い流されてしまい、細菌検査などで正しい検査結果が出ないことがあります

格好としては、足を広げやすいスカートか着脱しやすいズボンなどを着用していくようにしましょう。

自身の生理の周期や排卵の状況などが詳しく説明できると、医師も的確な診断を下しやすいので、できるだけ正確な情報を用意しておくことも大切です。

内診を乗り切るコツ

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上記でも触れたように、人によっては出産の痛みよりも内診の痛みのほうが強く感じる場合もあるようです。

そんな怖い内診ですが、基本的にはリラックスしていれば痛みはあまり感じないとい言われています。

知らない人にデリケートな部分を見られて、しかも指や器具まで挿入されるとなったら怖くて緊張するのが普通ですが、とにかくリラックスするようにしましょう

中には『先生をゲイだと思い込むようにした』といった方法でリラックスした強者もいるようです。

また、患者の緊張をほぐすために、病院によっては内診を女医や女性の看護師に担当させるといった配慮を行うところもあるので、事前に電話などで確認してみるのも良いですよ。

多くの妊婦が恐れる“内診グリグリ”とは

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臨月が近くなってきた妊婦さんなら一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか。

主に臨月から予定日を越えた妊婦さんに施される処置で、医師が指や医療器具で子宮をグリグリと刺激します。

これは、赤ちゃんを包んでいる卵膜を子宮壁から剝がして(卵膜剥離)、陣痛を促進させる目的で行われます。

この“内診グリグリ”は出産を早めるのに効果的とされていますが、その痛みには想像を絶するものがあるそうです。

ネット上にある、内診グリグリを経験した人の声では、

『出産の痛みには黙って耐えていた私でも、内診グリグリのときは大声を出した』
『なんの心構えもしてなかったので、あまりの痛さに死ぬかと思った』

などがあり、人によっては出産時よりも痛みを強く感じることがあるようです。

内診への夫の同席は賛否両論!?

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経膣エコーで赤ちゃんの様子を確認する検査では、夫も同席することが多いですが、これには賛否両論あるようです。

まず、女性側の意見ですが、『股を広げて医療器具を入れられているところを見られたくない』というタイプの人と『内診は心細いから、旦那も一緒の方が心強い』というタイプの人に別れるようです。

たしかに、女性からしてみたら、あまり上品とはいえない検査時の姿を夫に見られたくないのかもしれませんね。しかし、一方では夫に同席してもらった方がリラックスして内診を受けられるという人もいるようです。

そして男性側の意見ですが、

『自分の妻が知らない男に股を開いているのがなんか悔しかった』
『一緒に同席していたインターンの研修医は絶対変な目で見てた!』

というように男性として苛立ちを覚えた人も少なくないようです。逆に、『エコーで赤ちゃんを見たときの感動ったら!』と内診が楽しみになっているパパもいるようです。

内診を最小限にとどめるべき理由

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日本では、内診が妊産婦さんに与える精神的、肉体的苦痛を軽視しがちです。実際に、それに関する規則は特に儲けられていません。

私も日本で新人助産師だった頃は、分娩台に上げるタイミングを逃すことを恐れて、必要以上に頻繁に内診をしたものでした。

しかも、産婦さんに痛みを与えることにちゅうちょし、せっかく内診してもあまり深く指を入れることができず、結局不十分な情報しか得られず、また頻繁に内診をするという悪循環ぶりでした。今は猛省しています。

イギリスでは、特別な事情がない限り、内診は4時間毎と決められています。日本のように、助産師が交代するたびに内診したり、医師が確認の内診を繰り返すというようなことはありません。それで十分に必要な情報が得られます。

中には、お産の進行を知りたくて、頻繁に内診を求める産婦さんもいますが、あまり頻繁に行っても、結局ほとんど進行していなくてがっかりすることが多いものです。

助産師は、産婦さんの行動や容貌、バイタルサインなどから、ある程度進行具合を予測して、「これはかなり進んでいるな」と思ったら内診をします。ですから、頻繁にやる必要はないのです。

術者によっては、かなり深く指を入れて痛みを与える人もいるかと思いますが、その助産師または医師は、「産婦さんに良く思われたい」という目先のことよりも、「正確な情報を一度で得たい、内診を繰り返したくない」という本当の意味での思いやりを持った人です。

ツラい内診を少しでも楽にするコツは、大きな深呼吸を繰り返すこと、息を吸うことよりも吐くことに集中して、口をすぼめてゆっくりと吐くこと。きっと痛みが和らぐはずです。

まとめ

「内診の目的」や「内診の流れ」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

卵巣がんや子宮がんなどの女性特有の病気の早期発見、お産の進行状況の確認など、内診は女性にとって欠かせない検査方法と言えます。

しかし、その内容から敬遠されることも多く、体に異変を感じても病院へ行くことをちゅうちょする女性も少なくないようです。

内診についての正しい知識を持ち、なるべく不安をなくした状態で受診するようにしたいですね。

●ライター/Hillまゆ子(助産師)
●追記/パピマミ編集部

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