里帰り出産での飛行機移動はリスクが高い?

【女性からのご相談】
もうすぐ妊娠8か月です。里帰り分娩を予定しているのですが、飛行機で帰った方が良いか、新幹線の方が良いかで迷っています。時間的には飛行機の方が圧倒的に短くて済むのですが、早産の可能性もあると聞きました。どうするのが一番安全でしょうか?

a 合併症がないならあまり心配しすぎないで。

長距離の移動をするなら、安定期と呼ばれる妊娠16週〜妊娠28週がもっとも安全だと言われています。ただし多くの航空会社は、妊娠35週までは医師の診断書がなくても搭乗を認めています。

今日は、妊娠と飛行機の関係、及び、長距離移動の注意点についてお話しします。

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(1)飛行機搭乗によるリスクは実は「ただの噂」

妊娠初期の流産や、妊娠後期の早産などは、飛行機に乗ることによってリスクが上がると噂されていますが、これらは根拠のないものです。

アメリカで、多くの客室乗務員を対象に行われた調査によりますと、長時間のフライトを仕事にしている彼女たちですが、一般の妊婦と比べて、流産や早産の可能性に差がなかったという報告があります。

また、その他各国におけるの多くの調査においても、リスクは証明されていません。

では、なぜ妊娠後期のフライトは避けるべきなのでしょうか?

それは単純に、飛行機に乗ろうが乗るまいが、予定日が近くなれば産まれる可能性が上がるからです。

航空会社側にしてみれば、飛行機の中で産気づかれたりしたら一大事です。電車と違って途中下車するわけにはいきませんから、お産の進行が急だった場合は、飛行機の中で産むことになるわけです。

ドラマや映画みたいに、偶然素敵なドクターや、肝の座った助産師が乗り合わせることなど期待できませんから、客室乗務員が対応せざるを得ない事態になります。考えただけで恐ろしい話ですよね。

(2)すでにハイリスクの妊婦さんは、飛行機での旅行はタブー

例えば妊娠糖尿病や、妊娠性の高血圧、呼吸器疾患や心臓疾患、胎児や胎盤の異常などがある場合は、妊娠週数にかかわらず、飛行機での移動はお勧めできません。飛行機内で起こる若干の酸素濃度の低下によって、病状が悪化する場合があることがわかっているからです。

また、胎盤の位置が子宮頸管にかかっている場合(前置胎盤)や、子宮頸管無力症など、元々出血や早産のリスクが高い妊婦さんも、飛行機搭乗は控えて下さい。万一出血や早産が起こった場合、手遅れになる恐れがあるからです。

(3)長時間座りっぱなしにならないこと

妊娠することによって、血栓症のリスクは妊娠していない時に比べてずっと高くなります。普通に生活していてもリスクがある上に、長時間座ったままでいることにより、更にリスクは上がります。

“エコノミー症候群”という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、あれと同じ症状が、妊婦には起こりやすいのです。具体的には、ふくらはぎの辺りでできた血の塊が、血流に乗って肺に届き、そこでつまって肺の機能を止めてしまうこと、つまり、呼吸困難に陥るのです。高い確率で死に至る怖い病気です。

国内のフライトであれば、そこまで長時間に及ぶことはないでしょうから、あまり心配する必要はないと思います。逆に、新幹線の方がリスクは上がると思われます。

血栓予防のストッキングやタイツを身につけて、移動中は最低でも一時間に一回は立って歩くようにしましょう。また、移動中は水分をこまめに取って、トイレにもこまめに行くようにしましょう。


異常妊娠や、合併症などのリスクがない場合は、飛行機でも新幹線でも、どちらで里帰りしても大丈夫ですから、あまり心配しすぎなくても良いでしょう。

時期的には、正期産となる37週以降は、いつ陣痛が来てもおかしくありませんから避けて頂いて、遅くとも35週頃には移動を終えることをお勧めします。

実家についたら、できるだけ早く現地の病院へ検診に行って、お産に備えましょう。

尚、航空券を予約する際には、航空会社に妊婦であることを報告し、何週以降から診断書が必要なのかを必ず確認して下さい。航空会社によって異なる場合があります。

●ライター/Hillまゆ子(助産師)

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