陣痛がなかなか来ない時に誘発分娩する方法

【女性からのご相談】
臨月を迎えた妊婦です。出産準備万端で待っているのですが、本当に陣痛が来るのか不安です。このまま陣痛が来なかったらどうなるのでしょうか

a 知っておいてほしい、陣痛にまつわる話。

陣痛というのは、本当に不思議な現象ですよね。

妊娠出産にまつわる全てが神秘的ですが、陣痛の仕組みもまた、非常に良くできた自然の神秘と言わざるを得ません。

通常であれば、陣痛は37週0日〜41週6日の間に発来するのが普通ですが、中にはそれより早く始まって早産の原因になる場合もあり、逆に、ぎりぎりまで待っても陣痛が始まらず、薬で陣痛を起こす場合もあります。

今日は、この陣痛にまつわる話をいくつかご紹介します。

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(1)陣痛はホルモンの変化によって起こる

妊娠中は、妊娠を継続させるためのホルモンが常に出続けています。

そのホルモンは胎児が十分に育つと徐々に分泌を緩め、同時に、子宮を収縮させるホルモンが分泌を開始します。

この子宮を収縮させるホルモンは、オキシトシンと呼ばれています。

なかなか陣痛が起こらない場合は、このオキシトシンを人工的に母体に点滴注入して、分娩を起こす場合があります。これが、誘発分娩です。

(2)薬を使わずに陣痛を誘発する方法

37週を過ぎると、妊婦検診の際に内診が行われると思いますが、この内診により、陣痛が誘発されるケースがあることが科学的に証明されています。

私が助産師をしていたイギリスでは、内診は陣痛が始まるまでは行われないのが原則ですが、41週を過ぎると、『sweeping』と呼ばれる内診を行います。この内診では、子宮口に指を入れて、卵膜を子宮から剥がすような感じでぐるっと一周させます。こうすることによって、できるだけ薬を使わずに、自然な陣痛を起こそうとします。

これは私の経験を通しての感想ですが、日本では、41週を過ぎても陣痛発来しない人の割合は、イギリスでのそれと比べて大分低いような気がします。もちろん、いろいろな因子が影響しているのでしょうが、毎週内診が行われるというのが、その要因の一つであるような気がします。

(3)誘発分娩を恐れないで

41週6日を過ぎても生まれない場合、誘発分娩で出産する必要があります。薬を使うことを心配される方も多いと思いますが、それよりも恐ろしいのは、赤ちゃんが胎内にいるまま、胎盤が機能を止めてしまうことなのです。

一つ、イギリスでの体験談をご紹介します。

ある妊婦さんは、自宅出産を希望していましたが、41週を過ぎても陣痛が起こりませんでした。担当助産師は、その時点で病院で誘発をするように勧めましたが、妊婦さんはそれに応じず受診しませんでした。

担当助産師は、同僚の助産師の意見を聞いて再度説得を試み、この時点で、「取り返しのつかない事態もあり得る」と説明しましたが、それでも妊婦さんは納得しませんでした。

ついに42週を過ぎ、この時点ですでに「正期産」ではないために、助産師の分娩介助は法律上許されておらず、妊婦さんは仕方なく病院を受診しました。ですが、この時には既に、赤ちゃんはお腹の中で亡くなっていました。

このあと、この妊婦さんは担当助産師と病院を訴えました。その理由は、『取り返しのつかない事態と言っても、はっきり「死ぬかもしれない」と言われたわけではない。そう言われていれば、もっと早く受診したのに』というものでした。

自然なお産にこだわるあまり、胎児死亡の可能性を具体的にイメージすることができず、最悪の結果を招いたケースです。


万が一、41週を過ぎても陣痛が起こらない場合は、医師と相談しながら、赤ちゃんの健康状態を良く観察しつつ、誘発分娩を検討することを強くお勧めします。

●ライター/Hillまゆ子(助産師)

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